さいとめがろういるすかんせんしょう
サイトメガロウイルス感染症
サイトメガロウィルス(CMV)に感染した状態。赤ちゃんが母親からうつされたり、免疫の落ちた大人が感染したりする
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最終更新: 2024.02.20
サイトメガロウイルス感染症の基礎知識
POINT サイトメガロウイルス感染症とは
サイトメガロウイルスに感染した状態のことを指します。成人のほとんどが気付かないうちにサイトメガロウイルスに感染していると言われていますが、免疫力が落ちたときに肺・脳・胃腸・網膜などで感染が活発になり症状が出ます。 検査でサイトメガロウイルスを見つけても多くの人の体内に微量存在するウイルスなので、実際に感染が起きているのかどうかを慎重に判断しなくてはなりません。治療する場合はガンシクロビルという抗ウイルス薬を用いることが多いです。サイトメガロウイルスの検査や治療は感染症内科や呼吸器内科で行うことが多いです。
サイトメガロウイルス感染症について
ヘルペスウイルス の一種であるサイトメガロウイルス(CMV)の感染により生じる病気- 成人の60-90%が気づかないうちに感染し、
抗体 を持っていると言われている - 主な感染の仕方
- サイトメガロウイルス感染症の種類
- 肺炎(サイトメガロウイルス肺炎)
網膜 炎(サイトメガロウイルス網膜炎)- 胃腸炎
- 脳炎
サイトメガロウイルス感染症の症状
- 症状が出て、問題になるのは
免疫 力の落ちている人がほとんどであり、健常人では通常は問題にならない - 以下に当てはまる人は注意が必要
- 他の病気に対して免疫を抑える治療(
ステロイド 、免疫抑制剤)を使用している がん に対して化学療法 を行っている- 臓器移植の前後で強力に免疫を抑えている
HIV 感染が進行してAIDSになっている特にAIDS患者や臓器移植を受けた患者によくみられる感染症 であり、網膜 に感染(サイトメガロウイルス網膜炎)すると失明 することがある
- 他の病気に対して免疫を抑える治療(
サイトメガロウイルス感染症の検査・診断
- 血液検査で血中に
ウイルス が存在しているかどうかを確認する- 血中にウイルスがいるとわかった場合は症状や背景から総合的に感染の有無を判断する
- 特に
免疫 力の落ちている人は、サイトメガロウイルス感染症を疑ったら必ず眼底検査 も行う
サイトメガロウイルス感染症の治療法
- 治療の原則
- サイトメガロウイルス感染症を疑ったら必ず抗
ウイルス 薬(ガンシクロビルなど)で治療するわけでなく、症状の重さや背景を踏まえて治療するかどうかを決める - 重症の場合や
免疫 力が低下している人にとっては命に関わる病気になることがあるので、積極的に抗ウイルス薬を使って治療する
- サイトメガロウイルス感染症を疑ったら必ず抗
サイトメガロウイルス感染症に関連する治療薬
サイトメガロウイルス治療薬
- ウイルスの増殖に必要なDNA複製を阻害し、サイトメガロウイルス感染症を治療する薬
- サイトメガロウイルスはヘルペスウイルスの一種で特に免疫が弱っている状態で感染すると肺炎、網膜炎などを引き起こす場合がある
- ウイルスの増殖には遺伝情報をもつDNAの複製が必要となる
- 本剤はDNA複製に必要な酵素(DNAポリメラーゼ)を阻害し抗ウイルス作用をあらわす
- 腎機能の状態などによって薬剤の投与量を変更する場合がある