まんせいふくじんひしつきのうていかしょう(あじそんびょう)
慢性副腎皮質機能低下症(アジソン病)
副腎から出るステロイドホルモンの量が、何らかの原因で減ってしまった状態
6人の医師がチェック 165回の改訂 最終更新: 2019.01.09

慢性副腎皮質機能低下症(アジソン病)の基礎知識

POINT 慢性副腎皮質機能低下症(アジソン病)とは

副腎から出るホルモンの量が減ってしまった状態のことです。副腎皮質からはコルチゾール、アルドステロン、アンドロゲンの3つのホルモンが出ていますが、慢性副腎皮質機能低下症ではこのホルモンが減少します。主な原因は結核や自己免疫性疾患(自分の身体を守る免疫が自分の身体を攻撃する病気)、肺がんの転移などです。疲れやすさやだるさ、体重の減少、食欲不振が主な症状です。慢性副腎皮質機能低下症が疑われる人には血液検査や尿検査、画像検査(超音波検査やCT検査など)が行われます。治療では、不足しているホルモンを内服して補充します。慢性副腎皮質機能低下症に思い当たる節がある人は一般内科や内分泌内科を受診してください。

慢性副腎皮質機能低下症(アジソン病)について

  • 副腎から出るステロイドホルモンの量が、何らかの原因で減ってしまった状態
  • 副腎皮質ホルモンには3種類あるが、その全ての量が減少する
    • コルチゾール
    • アルドステロン
    • アンドロゲン男性ホルモン
  • 少々副腎機能が低下しても症状は出ないことが多い
    • 両側の副腎の働きが90%以上失われると症状が出現する
  • 主な原因

慢性副腎皮質機能低下症(アジソン病)の症状

  • 主な症状
    • 疲れやすさ、だるさ
    • 体重の減少
    • 低血圧
    • 食欲不振、便秘、下痢
    • 吐き気、嘔吐
    • 無気力、不安、うつ
  • その他の症状
    • 顔や首、歯茎などに黒い色素沈着が生じることがある

慢性副腎皮質機能低下症(アジソン病)の検査・診断

  • 血液検査:血液中の副腎皮質ホルモンの濃度を確認する
    • 通常時の採血の他に、ACTH(副腎皮質ホルモンを増やすホルモン)を注射した後に採血する方法がある
  • 尿検査
  • 画像検査:副腎に腫瘍がないかなどを調べる
    • 腹部CT検査

慢性副腎皮質機能低下症(アジソン病)の治療法

  • 不足した副腎皮質ホルモンを内服して補充する
    • ヒドロコルチゾン
    • プレドニゾロン
    • デキサメタゾン など
  • 長期的な経過
    • 薬を急に中断すると副腎クリーゼ急性副腎不全)といって、危険な病状に至るリスクがある
    • 日々の服薬を、自己判断で中断しないことが大切

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