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尿路結石

尿路結石の基礎知識

尿路結石とは?

  • 腎臓(腎盂)で尿の成分がかたまり(結石)を作り、尿路の中に存在している状態
    • 結石の位置によって以下のようにわけられる
      ・腎結石
      ・尿管結石
      ・膀胱結石
      ・尿道結石
  • 原因
    • シュウ酸など尿中の物質が固まってできる
    • シュウ酸を多く含むホウレンソウ、キャベツ、お茶(緑茶、紅茶)などの摂取を控えることで再発を予防することができる
    • 野菜であれば茹でることで水中にシュウ酸が溶け出すため、摂取量を減らすことが可能
  • 尿路結石そのものはあっても普段は症状を起こさないが、尿管などの狭い箇所に詰まると激しい腹痛を起こす
  • 小さい結石は尿とともに排泄されるが、尿管や尿道に詰まることがある
  • 水分摂取が少なく排尿が少ない人で起こりやすいと考えられている
    • 尿が濃縮されるとおきやすく、特に夜中に水分を摂取できない状態が続く明け方に発症することが多い
    • 積極的な水分の摂取で予防が可能な場合がある

症状

  • 尿路結石は普段は症状はないことがある(人間ドックの超音波検査で偶然見つかる場合もある)
  • 尿管結石の主な症状
    • 背中や腰から下腹部あたりに突然激痛を起こす
      ・痛みは波があるが、痛いときは転げ回るくらいの痛みがある
    • 吐き気や血尿などの症状が出る場合もある
    • 残尿感や排尿時の不快感を感じる場合もある
  • 尿路感染症合併すると、発熱などの症状が起こる

検査・診断

  • 尿検査
    • 血尿、尿路感染の有無を調べる
  • 画像検査:結石、水腎症、尿路感染の有無を調べる
    • 腹部超音波検査:最も簡便な検査だが結石が見えるとは限らず、主に水腎症の確認のために行われる
    • 腹部レントゲンX線写真)検査:レントゲンだけでは結石が確認できないことが多い
    • 腹部CT検査:レントゲン検査よりも結石を確認しやすい
  • 腹部超音波検査や特に腹部CT検査では、尿路結石を見つけやすい
    • 尿管がどこで詰まっているかや、結石のサイズ、炎症の有無なども分かる
  • 血尿があれば尿路結石の可能性が高まるが、他の原因でもしばしば血尿が出るため、尿検査のみで100%尿路結石と診断はできない

治療

  • 基本的な治療方針
    • 痛みが出た場合は、痛み止めを使いながら、大きくない場合は(1cm未満)自然に結石が排出されるのを待つ
      NSAIDs(鎮痛薬)を使う
      ・結石を出しやすくする薬を使う
  • 有効な結石の排出方法
    • 水分を多く飲んで尿を多く作り、尿の勢いで流し出す
  • 治療:結石のサイズが1cmよりも大きいなど簡単には体外に出ない場合に行われる
    • 外部から結石に衝撃波を与えて結石を砕く治療(体外衝撃波結石破砕術:ESWL)
    • 尿道から管を入れて結石を砕く治療(経尿道的尿管砕石:TUL)
  • 想定される経過
    • 多くの場合、痛みが始まって数日から2週間で排石される
    • 結石が尿道を通るときには痛みを感じない場合が多く、気づかないうちに排石されてしまうこともある
    • 結石が完全に排石されなくとも、尿管の細い部分を通り過ぎるだけで痛みは改善される
  • 再発予防には食事療法も重要
    • 水分を多く摂取するとともに、シュウ酸を多く含むホウレンソウなどをなるべく食べないようにする

尿路結石に関連する治療薬

腎結石・尿路結石治療薬

  • 尿路結石の溶解作用や抗炎症作用などにより結石の排出を促進する薬
    • 尿路結石は腎臓で尿の成分により結石ができ尿路中に存在している状態で尿管などにつまると激しい痛みなどをおこす
    • 尿路結石はリン酸、炭酸などがカルシウムなどと一緒になり固まった物質
    • 本剤は尿路結石の溶解作用、抗炎症作用、利尿作用をあらわす植物由来の製剤
腎結石・尿路結石治療薬についてもっと詳しく≫

抗コリン薬

  • 副交感神経を亢進させるアセチルコリンの作用を抑えることで、消化管の運動亢進に伴う痛みや痙攣、下痢などを抑える薬
    • アセチルコリンは副交感神経を活発にして消化管の運動などを亢進させる
    • 副交感神経が活発になると胃や腸などの痙攣・痛み、潰瘍や胃炎・腸炎の悪化などがおこりやすくなる
    • 本剤はアセチルコリンの働きを抑える作用(抗コリン作用)をあらわす
  • 胆石や尿路結石に伴う痛みなどの改善に使用する薬剤もある
  • 本剤は薬剤の作用や化学構造などにより、ムスカリン拮抗薬、3級アミン類、4級アンモニウム類などに分けられる
抗コリン薬についてもっと詳しく≫

尿路結石の経過と病院探しのポイント

この病気かなと感じている方

尿路結石は、普段は何の症状も起こしません。しかし、尿路に結石が詰まって結石発作が生じると、わき腹から下腹部、または背中の痛みと吐き気が特徴的です。結石発作を起こして痛みがあるときの初期対応であれば救急科、ひとまず落ち着いた場合のその後の対応(予防や根本治療)は泌尿器科になります。

尿路結石の診断は腹部超音波検査腹部CTで行います。国内の総合病院であればほとんどのところに超音波やCTの設備がありますので、診断のために特別な病院を選択しなければならない、ということはありません。

レントゲンでは尿路結石は写る場合とそうでない場合がありますが、診断の精度が低く、レントゲンだけでは十分ではありません。


この病気でお困りの方

結石発作は、尿管の細い位置に石が詰まった状態です。発作を起こしている時には、強い痛み止め(座薬のものなど)を使用したり、吐き気止めや水分摂取のための点滴を行ったりすることが治療となります。近くの病院の救急科を受診するのが良いでしょう。

結石のサイズが1cm未満であれば、クリニックに通院し自然に石が排出されるのを待ちます。それよりも大きく自然排出が見込めない場合には、背中に当てて衝撃波を与え、結石を砕く治療(ESWL)や、それでも対応が困難な場合には尿道から管を入れて結石を砕く治療(TUL)を行います。

クリニックではこのような治療が行えるところと行えないところがあります。事前にESWLを行っているかどうかを確認した上で受診するのが良いでしょう。





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