[医師監修・作成]血管炎症候群の種類:高安病・川崎病・顕微鏡的多発血管炎など | MEDLEY(メドレー)
けっかんえんしょうこうぐん(そうろん)
血管炎症候群(総論)
免疫細胞により血管が攻撃される病気の総称。攻撃される血管のサイズや原因によってより細かく分類されている。
1人の医師がチェック 11回の改訂 最終更新: 2021.12.15

血管炎症候群の種類:高安病・川崎病・顕微鏡的多発血管炎など

血管炎症候群は血管に炎症が起きる病気をまとめた呼称です。病気ごとに細かい治療法などは少しずつ異なります。ここでは、血管炎症候群に含まれる具体的な病気の名前やそれぞれの特徴について説明しています。

1. 症候群とは?

よく病気の名前には「症候群」とついているものがあります。血管炎症候群にも「症候群」という言葉がついています。では「症候群」とは何を意味しているのでしょうか。

「症候群」とは、病的な原因により起こる一連の症状や、そのような症状を呈する病気の集まりを指します。血管の炎症が原因の病気には「高安動脈炎」や「巨細胞性動脈炎」のようにたくさんの種類があります。血管炎症候群とはこれらの病気をひっくるめた呼び名になります。

2. 血管炎症候群の分類

血管炎症候群は血管に炎症が起こるという共通の特徴を持っています。しかし、細かく見ていくと症状や病気の特徴が少しずつ異なっています。ここでは血管炎症候群の分類と、それぞれの血管炎の特徴に関する説明をしていきます。

血管炎症候群は「原因があるか・ないか」と「炎症が起きる血管のサイズ」で分類されます。「原因があるか・ないか」ということは血管炎の治療を考える上で重要です。また「炎症が起きる血管のサイズ」が大事な理由は以下のように考えることができます。血管は大動脈という体の中心にある血管から枝分かれをして、それぞれの内臓につながっていきます。そのため、どの太さの血管が障害されるかによって、どの臓器が障害されるか、どんな症状があらわれそうかを予想することができます。

血管炎症候群の分類をまとめると以下のようになります。

詳しくは以下で説明していきます。

3. 大型の血管に起こる血管炎

大動脈と呼ばれる体の中心を走る血管やその最初に枝分かれした血管(第一分枝)に炎症が起きる血管炎です。具体的には以下の血管炎があります。

詳しくは以下で説明していきます。

高安動脈炎(大動脈炎症候群)

大動脈や頭・腕・足などにつながる血管に炎症が起きる病気です。炎症が起きた血管は細くなったり、こぶのように(動脈瘤)なったりします。1908年に高安右人先生によって報告されたことからこの名前がついています。大動脈炎症候群と呼ばれることもあります。

高安動脈炎は40才以下の女性に多い病気です。症状としては、熱やだるさに加えて、頭につながる血管に炎症が起き、血管が狭くなると脳に十分血液が行かなくなり、立ちくらみやひどい場合には脳梗塞の原因となります。手足につながる血管に炎症が起き、血管が狭くなると、手足の脈が触れにくくなったり、左右の手で血圧の値が異なったりします。

治療にはステロイド薬を使います。2017年にはトシリズマブも保険適応となりました。大動脈に炎症が起き、動脈瘤を形成すると手術が行われることもあります。

巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)

大動脈や頭のこめかみあたりを走る浅側頭動脈や顎に繋がる顎動脈などに炎症が起きる病気です。浅側頭動脈に炎症が起きることで、こめかみの血管が浮き上がったり(怒張)、怒張した血管に触ると痛みを伴うことから側頭動脈炎と呼ばれることもあります。

巨細胞性動脈炎は50才以上の人に多い病気です。症状としては、熱やだるさに加えて、こめかみあたりのずきずきした痛みや食べ物を噛んでいると顎が疲れやすくなったといった症状が特徴です。目につながる血管も障害されることがあり、ものの見えにくさがあらわれることがあります。最悪の場合、失明に至ることがあるため、診断されたら早期に治療する必要があります。

巨細胞性動脈炎の人の炎症が起きている血管では巨細胞という細胞が集まっていることがわかっており、名前の由来となっています。巨細胞が血管に集まっているという特徴は実際に巨細胞性動脈炎を診断する時にも用いられており、側頭動脈生検といって浅側頭動脈の組織をとってきて顕微鏡で調べる検査により確認されます。治療にはステロイド薬を使います。高安動脈炎同様、巨細胞性動脈炎も2017年にトシリズマブが保険適応となりました。

4. 中型の血管に起こる血管炎

大動脈から枝分かれし、それぞれの内臓につながっていく血管に炎症が起きる血管炎です。具体的には以下の血管炎があります。

詳しくは以下で説明していきます。

結節性多発動脈炎

結節性多発動脈炎は目、鼻、皮膚、肺、消化管(胃や腸)、心臓、腎臓などにつながる血管に炎症が起きる病気です。それぞれの内臓には内臓につながる血管を通じて酸素や栄養が送り届けられるので、結節性多発動脈炎はいろいろな内臓に障害があらわれます。

結節性多発動脈炎は40-60代に多く、女性より男性に起こりやすいです。症状としては、熱やだるさに加えて、消化管につながる血管に炎症が起きると、消化管出血を起こしたり、心臓を栄養している血管に炎症が起きると心筋梗塞の原因にもなります。そのほか、視力低下、鼻出血、皮膚潰瘍、肺梗塞腎梗塞などが起こることもあります。内臓を栄養する血管のほかにも、同じくらいの太さの血管として指につながる血管があります。指を栄養する血管が障害されると、指の壊死を引き起こすこともあります。

治療にはステロイド薬を使います。ステロイド薬と同時にシクロホスファミドやアザチオプリンを使うことも多いです。

川崎病

川崎病は乳幼児に多い、全身の血管に炎症が起こる疾患です。1967年に川崎富作先生によって報告されたことからこの名前がついています。

症状は発熱、発疹、眼の充血、舌が赤く腫れる、首のリンパ節が腫れる、手足が腫れる、などがあります。また、心臓を栄養する血管(冠動脈)にも炎症を起こし、冠動脈が拡張したりこぶ(冠動脈瘤)を作ることがあります。冠動脈瘤は心筋梗塞のリスクとなるので、注意が必要です。

治療はステロイド薬、免疫グロブリン、アスピリンなどを使います。また2015年にはインフリキシマブが保険適応となりました。

5. 小型の血管に起こる血管炎

内臓の中を走る細い血管(細動脈・細静脈・毛細血管)に炎症が起きる血管炎です。具体的には以下の血管炎があります。

詳しくは以下で説明していきます。

顕微鏡的多発血管炎

顕微鏡的多発血管炎は肺、腎臓、皮膚、神経などに分布する細い血管に炎症が起きる病気です。その結果、血管に炎症が起きた臓器は壊死し、様々な障害を残します。

顕微鏡的多発血管炎は高齢者に多い病気です。症状は発熱、体重減少、息苦しさ、血痰血尿、発疹、手や足が動かせなくなる(末梢神経障害)などがあります。これらの症状は内臓の中を走る血管に炎症が起きた結果であり、例えば肺の血管に炎症が起きると息苦しさに繋がりますし、腎臓の血管に炎症が起きると血尿があらわれます。

顕微鏡的多発血管炎はMPO-ANCAという抗体との関連が知られており、血液中にMPO-ANCAがあるかどうかは診断に重要です。MPO-ANCAに関しては「血管炎症候群の検査」でも説明しています。

治療にはステロイド薬、シクロホスファミド、アザチオプリン、メトトレキサート、リツキシマブなどを使います。

多発血管炎性肉芽腫症

多発血管炎性肉芽腫症は目、鼻、耳、肺、腎臓、皮膚などに分布する細い血管に炎症が起きる病気です。難しい名前がついていますが、炎症を起こした血管の近くに肉芽腫と呼ばれる免疫細胞の集まりが見つかるため、このような病名がついています。顕微鏡的多発血管炎と症状は似ていますが、顕微鏡的多発血管炎では肉芽腫は現れません。

多発血管炎性肉芽腫症は高齢者に多い病気です。症状は発熱、体重減少、眼の充血・痛み、鼻出血、息苦しさ、血痰、血尿、発疹などがあります。中でも眼の充血や鼻出血など頭の症状が多くの人に出るのが特徴の病気です。

多発血管炎性肉芽腫症はPR3-ANCAという抗体との関連が知られており、血液中にPR3-ANCAがあるかどうかは診断に重要です。PR3-ANCAに関しては「血管炎症候群の検査」でも説明しています。

治療にはステロイド薬、シクロホスファミド、アザチオプリン、メトトレキサート、リツキシマブなどを使います。

好酸球性多発血管炎性肉芽腫症

好酸球性多発血管炎性肉芽腫症は肺、腎臓、皮膚、神経などに分布する細い血管に炎症が起きる病気です。好酸球性多発血管炎性肉芽腫症も炎症を起こした血管の近くに肉芽腫と呼ばれる免疫細胞の集まりが見られ、また好酸球という免疫細胞が見つかるため、このような病名がついています。なお、好酸球の集まりは顕微鏡的多発血管炎多発血管炎性肉芽腫症では現れません。

好酸球性多発血管炎性肉芽腫症は高齢者に多い病気です。症状は発熱、体重減少、喘息(ぜんそく)、息苦しさ、血痰、血尿、発疹、手や足が動かせなくなる(末梢神経障害)などがあります。この中でも喘息は非常に重要な症状で好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の人のほぼ全員に現れます。もともと、喘息は好酸球と深く関わる病気なので、好酸球が悪さをする好酸球性多発血管炎性肉芽腫症でも喘息が悪くなる、と考えると理解しやすいかもしれません。

好酸球性多発血管炎性肉芽腫症はMPO-ANCAという抗体との関連が知られており、血液中にMPO-ANCAがあるかどうかは診断に重要です。MPO-ANCAに関しては「血管炎症候群の検査」でも説明しています。

治療にはステロイド薬、シクロホスファミド、アザチオプリン、メトトレキサート、メポリズマブなどを使います。また神経症状がある方に対して、免疫グロブリン静注療法を行うこともあります。

抗GBM抗体関連疾患(グッドパスチャー症候群)

抗GBM抗体関連疾患は肺や腎臓を構成する基底膜(glomerular basement membrane:GBM)と呼ばれる膜に対する抗体により肺や腎臓の血管の障害が起こる病気です。肺と腎臓がともに障害されている場合には、グッドパスチャー症候群と呼ばれることもあります。

抗GBM抗体関連疾患により肺が障害されると、肺から出血(肺胞出血)が起き、血痰の原因なります。また腎臓が障害されると、血尿を起こしたり、腎臓で尿が作れなくなる(急速進行性糸球体腎炎)と手足のむくみの原因となります。腎臓の機能が完全に障害されて、透析になってしまう方も珍しくありません。抗GBM抗体関連疾患は進行が早い病気で、残念ながら見通しが良い病気ではありません。

抗GBM抗体関連疾患が疑われる時は、血液検査で抗GBM抗体があるかを調べます。抗GBM抗体に関しては「血管炎症候群の検査」でも説明しています。

治療にはステロイド薬、シクロホスファミド、アザチオプリンや血漿交換療法が有効です。

クリオグロブリン血症性血管炎

クリオグロブリン血症性血管炎クリオグロブリンという異常な抗体が血液中にできてしまうことによって、血管炎を引き起こす病気です。クリオグロブリンは低温になると沈殿する抗体のことで、低温という意味のクリオと抗体を指すグロブリンが言葉の由来です。

クリオグロブリン血症性血管炎は発疹やレイノー現象、関節の腫れ、痛みや血尿があらわれます。レイノー現象とは寒さやストレスにより、手や足の指の血流が悪くなることで真っ白や青紫に変色することを言います。クリオグロブリンが寒さにより、血液中で沈殿し固まってしまうことによると考えると理解しやすいかもしれません。

クリオグロブリン血症性血管炎が疑われる時は、血液検査でクリオグロブリンがあるかを調べます。

治療にはステロイド薬や免疫抑制薬を使います。手が冷えないように、手袋やホッカイロを使ったり、冷たい水で水洗いしないという工夫も大切です。

IgA血管炎

IgA血管炎はIgA(アイジーエー)と呼ばれる種類の抗体が関連した血管炎です。ヘノッホ・シェーンライン紫斑病と呼ばれることもあります。

IgA血管炎はお子さんに多い病気ですが、大人でもまれに起こることがあります。特徴として足にポツポツとした紫色の発疹ができることがあり、お子さんでこのような発疹が出てきた時にはIgA血管炎の可能性を考えます。そのほか、腹痛、関節痛、血尿などが現れることがあります。かぜをひいた1-2週間後にこれらの症状が現れることも多いです。

IgA血管炎は治療をしなくても自然によくなることが多いです。未治療で良くならない場合や症状が強い場合には、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、レクチゾール、ステロイド薬を使うことがあります。

低補体血症性蕁麻疹様血管炎

低補体血症性蕁麻疹様血管炎は蕁麻疹じんましん)に似た発疹が現れる血管炎です。補体と呼ばれる免疫に関わる物質が血液中で減るという特徴を持つため、「低補体血症性」と病名の頭についています。

通常の蕁麻疹は1日以内によくなりますが、低補体血症性蕁麻疹様血管炎は血管炎が原因であるため通常の蕁麻疹より長い期間続きます。他の症状としては腹痛、関節痛、血尿などが現れることがあります。目に炎症が起こることもあり、目の痛みや物の見えにくさを自覚することもあります。

治療には非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、ステロイド薬、免疫抑制薬などを使います。

6. 様々な太さの血管に起こる血管炎

炎症が起きる血管が大型、中型、小型で分類できず、いろいろな太さの血管に炎症が起きるものです。具体的には以下のものがあります。

詳しくは以下で説明していきます。

ベーチェット病

ベーチェット病は口や外陰部のただれ、目の見えにくさ、発疹を代表的な症状とする病気です。ベーチェット病の症状の中には静脈の中で血が固まったり(静脈血栓症)、動脈がこぶのようになる(動脈瘤)ことがあり、これは血管炎によるものと考えられています。このように血管炎を起こしたベーチェット病を血管型ベーチェット病と呼びます。

血管型ベーチェット病で障害される血管は様々で、足の静脈に血栓ができたり、大動脈や肺動脈に動脈瘤ができることもあります。中でも肺動脈瘤は破れて出血すると止めるのが困難であり、肺動脈瘤ができると非常に危険です。

治療にはステロイド薬、シクロホスファミド、アザチオプリン、メトトレキサートがあり、重症の人にはインフリキシマブを使うこともあります。

ベーチェット病の解説ページでも詳しく説明しています。

コーガン症候群

コーガン症候群は目の充血や痛みなどの目の症状とめまい発作難聴などを起こす原因不明の疾患です。米国の医師であるコーガン先生により報告されたことからこのような名前となっています。日本では非常に珍しい病気です。

コーガン症候群は目や耳の症状に加えて発熱、だるさ、体重減少などを起こします。また様々な太さの血管に炎症が起こることがあり、大動脈瘤や心臓の弁膜症などの合併症をきたす場合もあります。

コーガン症候群の治療はステロイド薬や免疫抑制薬を使います。

7. 一つの臓器につながる血管に起こる血管炎

血管炎症候群は血管を対象として炎症が起こる病気なので、通常全身の血管が障害を受けます。しかし、中には一つの臓器につながる血管のみにしか血管炎が起こらないものがあります。具体的には、皮膚のみに血管炎が起こる「皮膚動脈炎」、脳のみに血管炎が起こる「原発性中枢神経系血管炎」などがあります。

ただし、全身性の血管炎でも最初の症状は一部の臓器にだけ現れることもあり、時間経過とともに他の臓器への血管炎症状があらわれることもあるので、注意が必要です。

8. 全身の病気に伴う血管炎

血管炎の中には他の免疫の病気があって、それにともなって血管炎が起こっている場合があります。具体的には以下のものがあります。

詳しくは以下で説明していきます。

悪性関節リウマチ(リウマトイド血管炎)

悪性関節リウマチは免疫の異常により関節が攻撃される病気である関節リウマチに血管炎の症状を伴うものを言います。「悪性」という名前がついていますが、がんではありません。悪性関節リウマチの患者数は関節リウマチ患者のうち0.6%程度です。

悪性関節リウマチの症状は、関節の腫れや痛みという関節リウマチの症状に加え、全身症状を伴います。具体的には38度以上の発熱、咳、しびれ、皮膚のただれ、皮膚のしこり、胸の痛みなどがあります。

悪性関節リウマチ関節リウマチにかかって長年経っている方に発症することが多いです。

治療にはステロイド薬、シクロホスファミド、アザチオプリン、メトトレキサートなどを使います。関節リウマチと同じように生物学的製剤も使われます。関節リウマチで使われる生物学的製剤に関しては「関節リウマチの治療はどんな薬?」でも詳しく説明しています。

全身性エリテマトーデスに伴うもの(ループス血管炎)

全身性エリテマトーデスはおかしくなった免疫細胞に体の中の様々な部位が攻撃される病気です。全身性エリテマトーデスは一部の方で血管炎が起こることがあり、ループス血管炎と呼ばれます。ループスという言葉は全身性エリテマトーデスの英語名(Systemic lupus erythematosus)のlupusをとったものです。

ループス血管炎は発熱、発疹、関節の痛み・腫れ、息苦しさ、血尿、尿が泡立つ、けいれんなどの全身性エリテマトーデスに見られる症状や抗核抗体などの検査が陽性になります。

治療にはステロイド薬、シクロホスファミド、アザチオプリンなどを使います。

全身性エリテマトーデスの解説ページでも詳しく説明しています。

サルコイドーシスに伴うもの(サルコイド血管炎)

サルコイドーシスとは全身に肉芽腫という免疫細胞の集まりができる病気です。目のかすみ、息苦しさ、発疹、不整脈、けいれんなどのサルコイドーシスに見られる症状があらわれます。

サルコイドーシスは一部の方で血管炎が起こることがあり、サルコイド血管炎と呼ばれます。

治療にはステロイド薬や免疫抑制薬を使います。

9. 感染症を原因とする血管炎

感染症も血管炎を起こす原因になります。感染症になると体の中の細菌ウイルスを除去しようとするため、免疫細胞が活性化します。しかし、活性化された免疫細胞が自分の体を誤って攻撃してしまうことがあり、血管が攻撃されると血管炎の症状を起こします。

血管炎を起こす感染症としてはB型肝炎ウイルスC型肝炎ウイルス梅毒などがあります。

感染症を原因とする血管炎の場合には、血管炎の原因となっている感染症の治療をしっかり行うことが重要です。

10. 薬剤を原因とする血管炎

薬剤の一部には副作用により血管炎を起こすものがあります。頻度が少ないものまで挙げると血管炎の副作用が報告されている薬剤は数多いですが、代表的な薬剤を挙げると以下のようになります。

  • プロピルチオウラシル(チウラジール®:バセドウ病の治療薬)
  • ヒドララジン(アプレゾリン®:降圧薬)
  • ペニシラミン(メタルカプターゼ®:関節リウマチの治療薬)

薬剤を原因とする血管炎では、まず原因となっている薬剤を中止にすることが重要です。上記の薬剤を使用中に血管炎の症状があらわれた場合には、薬の中止ができないか担当の先生と相談してみてください。

11. がんを原因とする血管炎

がんも血管炎を起こす原因になります。がんは体の中で敵とみなされるため、がんを退治しようと免疫細胞の活性化が起こります。そのプロセスで免疫細胞が誤って自分の血管を攻撃してしまうことがあり、その結果、血管炎の症状があらわれることがあります。

がんを原因とする血管炎は血管炎症候群全体の1%未満と頻度は少ないですが、血管炎の症状がある時にはがんのサインでないか注意は必要です。