せっぱくりゅうざん
切迫流産
妊娠22週未満で、胎児心拍は確認できるが流産となる可能性の高い状態のこと
1人の医師がチェック 5回の改訂 最終更新: 2021.12.16

切迫流産と言われたら日常生活で気をつけることは?

切迫流産と診断されると、自分自身の生活や行動が心配になる方も多いと思います。しかし切迫流産には根本的な治療となるものは少なく、安静にすることが大事という考えもありますが、実は本当に安静にしたほうが流産を防げるかどうかははっきりわかっていません。切迫流産と診断されたら、かかりつけの医師と相談しながら外出や仕事など日常生活の行動をすることをお勧めします。

1. どこまで安静にするべき?

安静にすることで流産が予防できるという証拠は現在のところはっきりしていません。

しかし自宅で過ごしたほうがお腹の張りや出血の自覚などの流産の兆候があった場合に気づきやすく、かかりつけの病院を受診しやすいといった視点からも、安静を指示された場合には無理のない生活を心がけることが望ましいということは出来ます。

また、ある研究によれば絨毛膜下血腫が見つかっている切迫流産患者ではベッド上安静を指示していた場合はそうでない場合に比べて流産となる可能性が低く、流産予防に効果的であったという結果が出ています。

精神的なストレスを溜めすぎないようにするために、家族に身の回りのサポートをしてもらいゆったりと過ごすことは良いことです。入浴に関しては陰部の清潔を保つことで感染を予防するという目的もあるのでかかりつけの医師から控えるようにと言われていなければ入ることをお勧めします。

上記のように切迫流産と診断された後の安静の程度については、確実な基準はありません。そのため実際にどこまで安静にするべきかというのは、かかりつけの医師と相談の上で決定するのが望ましいでしょう。

参考文献
Isr Med Assoc J. 2003 Jun;5(6):422-4.

2. 仕事はどうする?

切迫流産と診断された場合に仕事を継続できるかどうかに関しては、自宅安静の必要性と同様にかかりつけの医師との相談が必要です。仕事内容や形態にもよるため、仕事の継続の可否は医師と相談しながら決定するようにしましょう。

医師と相談の結果で休職などの対応が必要な場合には、母性健康管理指導事項連絡カードや病院から発行される診断書を記入してもらい職場への申し出を行いましょう。母性健康管理指導事項連絡カードとは厚生労働省が管轄を行っている主治医が行った自宅安静などの指導事項を妊婦さんが職場へ的確に伝えるための連絡カードです。症状に合わせて、休職、労働時間の短縮、通勤の緩和などの医師の指導とその期間を職場へ伝えることができます。母性健康管理指導事項連絡カードはインターネットでダウンロードができる他、自治体によっては母子手帳と一緒に配布されることもあります。