知っておくべき高ナトリウム血症の注意点
高ナトリウム血症はお年寄りの人や認知症の人などが起こしやすいです。高ナトリウム血症は脱水が原因となることが多く、脱水にならないようにすることが高ナトリウム血症の予防において重要です。
1. 高ナトリウム血症が起きやすい人はどんな人か?
高ナトリウム血症は血液中のナトリウム濃度が高くなることで錯乱などの症状を現し、最悪の場合、命に関わることがある病気です。では、高ナトリウム血症に気を付けるべき人はどのような人でしょうか。以下に該当する人は高ナトリウム血症を起こしやすく注意が必要と考えられています。
詳しくは以下で説明していきます。
高ナトリウム血症を過去に起こした人
高ナトリウム血症を起こしたことがある人は、お年寄りだったり、高ナトリウム血症を起こしやすい病気をもともと持っていたりと、何らかの原因があることが多いです。そのため、高ナトリウム血症を起こしたことがある人は、高ナトリウム血症が再度起こらないように注意が必要であるといえます。もし以前に高ナトリウム血症を起こした時と似た症状がある場合には、再度高ナトリウム血症になっている可能性がありますので、病院を受診することをお勧めします。
お年寄りの人
お年寄りの人は脱水を起こしやすく、高ナトリウム血症に注意が必要です。お年寄りの人では脳の「口渇中枢」という部分の働きが弱くなり「のどのかわき」を感じにくくなっているためです。また夜間のトイレを気にして水を取らなくなりがちな方もいらっしゃいます。そのため、お年寄りの方は特に脱水に気をつけ、特に暑い季節には水をこまめにとるようにしてください。
認知症の人
認知症の人も脱水による高ナトリウム血症を起こしやすいです。というのも認知症の人では脱水になっても、のどが渇いたことがわからないことや、水を飲むという行動につなげられないことがあるためです。そのため、認知症の人がご家族にいる場合は、夏場などには脱水になっていないか注意をする必要があります。脱水になっているかは他人から見てわかりにくい場合もありますが、口が乾燥していたり、元気がなかったりといったことが脱水のサインである場合があります。
糖尿病の人
糖尿病でも高ナトリウム血症が起こりやすくなります。糖尿病は
一方で、糖尿病の人でもしっかりと治療を受けていて血糖値を適度に下げられている場合には脱水や高ナトリウム血症は起こしにくくなります。糖尿病の人では日頃から水分補給を心がけるとともに、糖尿病の治療もしっかりと受けるようにすることが重要です。ただし、水分補給の際には糖分が多いものを飲むと糖尿病が悪化することがあるので、水分補給の際にはなるべく糖分が入っていないものを飲むことが望ましいです。
2. 高ナトリウム血症にならないために注意すること
高ナトリウム血症にならないためにはどのような注意点があるのでしょうか。具体的には以下の3点が考えられます。
- 脱水を予防する
- 体調の変化に気をつける
- 高ナトリウム血症を起こしやすい状況を把握しておく
これらの注意点を日頃から心がけたり、把握していることで高ナトリウム血症を防いだり、高ナトリウム血症を重症化する前に見つけることができます。以下で詳しく説明します。
脱水を予防する
高ナトリウム血症の代表的な原因の一つが水分摂取不足による脱水です。そのため、脱水にならないように気をつけておくことは高ナトリウム血症の予防の観点でも重要です。汗を大量にかいた後や暑い季節など脱水になりやすい状況ではこまめに水をとるといった対応をとるようにしてください。
体調の変化に気をつける
強いのどの渇きを感じたり、加えて体調の悪さを自覚したりする場合、高ナトリウム血症のサインの可能性があります。まずは水分補給を心がけるとともに、それでも良くならない場合は医療機関でチェックしてもらうことをお勧めします。
お年寄りや小さなお子さんなどがいる場合は様子の変化に気をつけておくことも重要です。急に怒りやすくなって気付かれることもあり、小さなお子さんでは機嫌が悪くなった、泣き止まないといった様子にあらわれることもあります。
高ナトリウム血症を起こしやすい状況を把握しておく
高ナトリウム血症を予防するためには、起こしやすい状況を事前に把握しておくことが重要です。具体的には以下のような状況があります。
- 汗を大量にかいた
- 嘔吐、下痢を繰り返している
- 最近、水分補給をあまりしていない
- 最近、高ナトリウム血症を引き起こす可能性のある薬を飲み始めた
- 過去に高ナトリウム血症を起こした時と同じような状況である
上記を含め、高ナトリウム血症の原因になりうる代表的な薬などは「高ナトリウム血症の原因」でも説明しています。
該当する場合に強いのどのかわきや錯乱状態が現れた場合や、意識がもうろうとする場合には高ナトリウム血症を起こしている可能性がありますので、医療機関を受診することをお勧めします。