びしょうへんかがたねふろーぜしょうこうぐん
微小変化型ネフローゼ症候群
ネフローゼ症候群を起こす疾患の1つで、子どものネフローゼ症候群の原因として最多である
4人の医師がチェック 42回の改訂 最終更新: 2022.02.18

微小変化型ネフローゼ症候群の基礎知識

POINT 微小変化型ネフローゼ症候群とは

ネフローゼ症候群を起こす原因の1つで、子どものネフローゼ症候群の原因としては最多です。むくみ(足やまぶた)や嘔吐、腹痛、下痢などの症状が現れます。血圧が極端に低下して意識もうろう状態になるなど急激な症状が現れることもあります。ステロイドの効果が高く、治療では積極的に用いられます。また、同時に食事療法(食塩やタンパク質の制限)も行なわれます。一度、病気が抑え込まれてもその後に再発することがあるので、定期的に尿検査などを行うことが重要です。微小変化型ネフローゼ症候群は内科や腎臓内科、子どもの場合は小児科で診療を受けることができます。

微小変化型ネフローゼ症候群について

  • ネフローゼ症候群を起こす疾患の1つ
    • 小児から青年期に起こることが多い
    • 大人では、NSAIDs合併症や、傍腫瘍症候群に関連して起こることがある
  • 膜性腎症に比較すると急速に発症、進行する

微小変化型ネフローゼ症候群の症状

  • 蛋白尿:いわゆるネフローゼ症候群が起きる
  • むくみ(足やまぶたに多い)
  • 嘔吐
  • 腹痛
  • 下痢

微小変化型ネフローゼ症候群の検査・診断

  • 血液検査、尿検査
    • 蛋白尿、ネフローゼの程度などを検査する
    • 他のネフローゼを起こす疾患(膜性腎症など)があるかどうか、抗体の検査などを行う
  • 小児の場合は腎生検は行わないことが多い
    • 成人の場合は腎生検を行い確定診断を行う

微小変化型ネフローゼ症候群の治療法

  • ステロイドの使用が原則
    • 軽症であれば飲み薬のステロイドで治療することも可能であるが、状態によっては点滴のステロイドを使用する
  • なかなか治らない場合は、ステロイドに加えて免疫抑制薬を使うことがある
  • 高血圧や全身のむくみ浮腫)が有る場合は食塩制限(一日6g)、タンパク質制限などを行う
  • 治療がうまくいくことが多いが再発することも少なくないので、治療後も検尿をチェックしていくことが望ましい

微小変化型ネフローゼ症候群に関連する治療薬

副腎皮質ホルモン(ステロイド内服薬・注射剤)

  • 抗炎症作用、免疫抑制作用などにより、アレルギー性疾患、自己免疫疾患、血液疾患などに効果をあらわす薬
    • 副腎皮質ホルモンの一つのコルチゾールは抗炎症作用、免疫抑制作用、細胞増殖抑制作用、血管収縮作用などをもつ
    • 本剤はコルチゾールを元に造られたステロイド薬
  • 本剤は薬剤のもつ作用持続時間によって、(作用の短い順に)短時間作用型、中間型、長時間作用型に分けられる
  • 本剤は多くの有益の作用をもつ反面、副作用などに注意が必要となる
    • 副作用の軽減目的のため、抗菌薬や胃薬などを併用する場合もある
副腎皮質ホルモン(ステロイド内服薬・注射剤)についてもっと詳しく

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