そくていきんまくえん
足底筋膜炎
足の裏の筋肉(足底筋)が、かかとの骨にくっつく部分で細かな断裂を起こした状態
2人の医師がチェック 37回の改訂 最終更新: 2018.12.03

足底筋膜炎の症状

足底筋膜炎の症状は足の裏の痛みです。なかでもかかとの内側のあたりが痛むことが多いです。特に寝起きや長時間座っていた後の一歩目に強い痛みが起こります。しばらく歩いているうちに痛みは改善していきますが、さらに長時間歩いたり、運動やスポーツを続けていると痛みが再び起こります。ここでは足底筋膜炎の症状の詳細に加えて、同じような症状を引き起こす別の病気についても説明します。

1. 足底筋膜炎の症状

足底筋膜炎の症状は、歩き出したときに起こる足の裏の痛みです。足の裏の症状がある人の11-15%が足底筋膜炎と報告されています。特にかかとの部分に痛みが起きます。腫れや熱感(熱っぽい感じ)、しびれなど、そのほかの症状が伴うことはほとんどありません。

足底筋膜炎でみられる、かかとの痛みの特徴について詳しく説明します。

2. かかとの痛み

足底筋膜炎では足の裏に痛みが生じますが、最も多い症状はかかとの痛みです。足底筋膜炎で痛むのは、かかとの中でもアキレス腱のあたりではなく、足の裏の部分です。足底筋膜がかかとに付着する部分が主に痛くなるため、足の裏のかかとの中央部分や少し内側が痛くなります。痛みの強さは普通の歩行はできる程度です。

大きな怪我などがきっかけとなってある日突然痛みが起こるのではなく、ランニングなどの運動を続けている間に日に日に痛くなることが多いです。

足底筋膜炎の痛みの特徴は、朝の寝起きや長時間座っていた後の一歩目に痛みが強いことです。それぞれの状態について詳しく説明します。

寝起きの歩行時に痛む

足底筋膜炎に典型的な症状は寝起きの一歩目が痛いことです。歩いているうちに徐々に痛みは改善します。就寝するとさらに痛みは改善しますが、翌朝再び寝起きに歩こうとすると前日同様に一歩目が痛みます。

長時間座っていた後の歩き始めに痛む

長時間座っていた後に歩き始めようとした一歩目にも痛む症状が起こります。歩いていると徐々に痛みが改善しますが、あまりに長距離や長時間歩き続けるとかかとの鈍痛や足の裏全体の痛みが現れます。

長時間の運動やスポーツをした時に痛む

運動時にも痛みが生じます。特に運動を開始した時に痛みを感じますが、運動を続けている間に一時的に改善します。しかし、長時間のランニングやマラソンなどをしていると途中から痛みが悪化して、運動を続けられなくなることがあります。

3. 足底筋膜炎では現れない症状:腫れ・熱感・赤み・しびれ

足底筋膜炎では痛みはありますが、かかとのまわりが腫れたり、熱をもったり、皮膚が赤くなったりする症状はほとんど起こりません。またしびれなどの症状もほとんどありません。しびれを伴う場合には足底筋膜炎ではなく神経障害などの可能性が考えられます。

4. 足底筋膜炎と似た症状を起こす病気

足底筋膜炎と同じような、足の裏やかかとの痛みなどの症状を起こす病気には次のようなものがあります。

  • 足底線維腫症
  • 踵部脂肪褥炎
  • 外側足底神経障害
  • 踵骨疲労骨折

それぞれの病気について詳しく説明します。

足底線維腫症

足底線維腫症は足底筋膜からできた良性腫瘍(しこり)です。足の裏の内側にこぶのようなものができます。自覚症状はあまりなく、神経や筋肉に広がって痛みなどの支障が出ない限り経過観察となります。診断にはMRI検査や組織を一部切り取る検査が必要です。

踵部脂肪褥炎

かかとの脂肪の組織がずれて起こる炎症です。かかとの奥には脂肪でできた脂肪体という部分があって、体重がかかった時に衝撃を和らげる作用があります。踵部脂肪褥炎では、かかとの盛り上がりの部分に、体重をかけた時や手で押した時に痛みが出ます。MRI検査で診断を行うことができます。

足根管症候群(絞扼性神経障害)

足根管症候群は足の裏にしびれや痛みが起こる病気です。かかとの近くにある、神経が通る管の周りに炎症が起こり、中の神経が圧迫されることが原因です。

足底筋膜炎とは画像検査や神経の検査で区別することが難しく、症状で区別が行われます。足底筋膜炎では歩きはじめに痛みが強いことに対して、足根管症候群では動いた後に痛みが強くなるのが症状の違いです。

踵骨疲労骨折

かかとの骨(踵骨)の疲労骨折でも、足底筋膜炎と同じようなかかとの痛みが起こります。疲労骨折とは、一度の怪我で起こる骨折ではなく、繰り返し骨に負担がかかって起こる骨折のことです。

踵骨疲労骨折ではかかとの一部ではなく全体的に痛みが起こります。ランニングなどのスポーツをする人や、高齢者、骨粗鬆症がある人、副腎皮質ステロイドを内服している人などに起こりやすい病気です。

足底筋膜炎との区別はX線検査レントゲン検査)やMRI検査で骨折を確認することで行います。最初に行われるX線写真でははっきりと骨折が確認できないことが多く、MRI検査が有用です。

参考文献

Foot Ankle Int. 2004 May;25(5):303-10.