そくていきんまくえん
足底筋膜炎
足の裏の筋肉(足底筋)が、かかとの骨にくっつく部分で細かな断裂を起こした状態
2人の医師がチェック 37回の改訂 最終更新: 2018.12.03

足底筋膜炎の検査・診断方法など

足底筋膜炎はほとんどの場合、問診と身体診察で診断を行うことができます。問診ではいつ痛みが強いのか、痛みの場所はどこかなどについて聞かれます。足底筋膜炎と似た症状が起こる他の病気の可能性が考えられる場合は、原因をはっきりさせるために画像検査を行うことがあります。ここではそれぞれの検査について詳しく説明します。

1. 足底筋膜炎の診断方法

診断は主に、問診と身体診察での視診や触診で行われます。

足底筋膜炎に特徴的な歩き始めの一歩目の痛みがあるかどうかや、かかとを押した時の痛みがあるかどうかなどを調べられます。足底筋膜に沿って押すと痛みが起こることもあります。

診断の目安は次の通りです。

  • 足底筋膜がかかとの骨付着する部分を押した時に痛みがある
  • 長時間立っていた後、歩いた後、走った後、歩き始めのいずれかの時にかかとあたりが痛むことがある
  • 同じような症状を起こす他の足の病気は考えにくい

画像検査は同じような症状を起こす他の足の病気の可能性が考えられる時に行われます。単純X線検査がよく行われますが、これだけでは診断はつきません。足底筋膜の厚みなどを調べられる超音波検査MRI検査が、状況に応じて行われます。

2. 問診

問診は診察のはじめに行われ、受診した理由となる症状や、生活習慣、今までの病気などについて詳しく聞かれます。足底筋膜炎の検査では痛みの症状の情報が重要ですが、痛みは本人しか感じることができないので、問診で詳しくお医者さんに伝えるようにしてください。

足の痛みで受診した時によく聞かれる質問は下記の通りです。

【症状についての問診】

  • いつから痛みがはじまったか
  • 足のどの部分が痛いか
  • どのくらいの頻度で痛むのか
  • 何をした時に痛みを感じ、何をすると痛みが和らぐか
  • 以前にも同じような痛みを感じたことがあるか
  • 今まで痛みについて医療機関を受診したことがあるか

【生活についての問診】

  • 職業は何か
  • 行っているスポーツはあるか
  • 現在、治療を受けている他の病気があるか
  • 現在、使用している薬があるか
  • 薬や食べ物のアレルギーがあるか

これらの質問のなかで特に重要なものについて詳しく説明します。

◎足のどの部分が痛いか

足底筋膜炎では主にかかとの前の方が痛みます。同じように足が痛む病気でも、アキレス腱の周囲が痛む場合には異なる病気が考えられます。痛みの原因をはっきりさせるのに重要な情報なので、痛みがある場所について具体的に伝えてください。

◎何をした時に痛みを感じ、何をすると痛みが和らぐか

足底筋膜炎では主に次のような時に痛みを感じます。

  • 朝起きた後の歩き始め
  • 長時間座っていた後の歩き始め
  • 長時間歩き続けた後
  • 長時間走った後

一方、寝たり座ったりして足を休ませると痛みは改善します。上記のように、痛みが出やすい状況や和らぐ状況があればお医者さんに伝えてください。

◎以前にも同じような痛みを感じたことがあるか

以前スポーツなどをしていたときに同じような痛みを経験したことがある場合には教えてください。スポーツをやめたりして安静にすると症状が改善することが多いですが、スポーツを再開すると症状が再び現れることがあります。

◎今まで痛みについて医療機関を受診したことがあるか

痛みに関してこれまでに医療機関を受診したことがある場合には、行った検査、診断、治療などについて教えてください。

◎職業は何か

長時間の立ち仕事や歩き続ける仕事は足底筋膜炎のリスクになります。このような職業で足の裏が痛い場合には足底筋膜炎である可能性が高まりますので伝えてください。

◎行っているスポーツはあるか

足底筋膜炎の大きな原因に職業および趣味で行うスポーツや運動があります特に、次のような特徴があるスポーツは足底筋膜炎を起こしやすいです。

  • 長時間走るスポーツ
  • ジャンプ動作を行うスポーツ
  • 踏み込む動作を行うスポーツ
  • 裸足で行うスポーツ

マラソンやランニングなど長時間走るスポーツでは、足底筋膜が繰り返し引き伸ばされるため足底筋膜に炎症を起こしやすくなります。また、シャンプ動作や踏み込む動作を行うとかかとに強い衝撃が加わるため足底筋膜炎の原因になります。例えばバスケットボールがこれにあたります。その他に剣道などの裸足で行うスポーツも足底筋膜に衝撃が伝わりやすく、原因となるスポーツの一つです。

3. 身体診察

足底筋膜炎は問診と身体診察でほとんどの診断がつけられます。身体診察では見た目を調べる視診と、触った時の痛みなどを調べる触診が行われます。

視診では痛みがある部分に腫れ、赤みなどがあるかどうかを確認します。足底筋膜炎では腫れや赤みが出ることはほとんどありません。

触診では足の裏を押して痛む場所について調べます。足底筋膜炎では足底筋膜がかかとの骨に付着しているかかとの中央部分や少し内側を押した時に痛みがあります。

4. 画像検査

問診や身体診察では足の痛みの原因が足底筋膜炎か他の病気かはっきりしない場合には、追加で画像検査をすることがあります。

  • 単純X線検査(レントゲン検査)
  • MRI検査
  • 骨シンチグラフィ
  • 超音波検査(エコー検査)

それぞれの画像検査について詳しく説明します。

単純X線検査(レントゲン検査)

足底筋膜炎ではかかとの骨(踵骨)に骨棘(こつきょく)と呼ばれるトゲ状のものが見られることがあり、単純エックス線検査で調べることができます。しかし、骨棘はあってもなくても診断が可能です。一般的には骨棘があるかどうかで、痛みなどの症状の強さは変化しないと言われています。

MRI検査

MRI検査は磁気を使って身体の断面を見る検査です。放射線を使わないため被曝はしません。CT検査と同じように細長い筒状の機械に入って撮影が行われますが、持病によって検査を受けられない場合があること、機械が狭くて大きな音がすること、検査が10-30分程度かかること、費用が高いことなどの欠点があります。一方で他の検査より筋肉や骨などの細かい部分を詳しく観察できるという利点があります。

足底筋膜炎では足底筋膜が分厚くなります。MRI検査では足底筋膜炎の厚さを観察できます。足底筋膜炎の診断をつけるとともに、同じようなかかとの痛みを起こす他の病気との区別をするために行われることがあります。

体内に金属が入っている人や、閉所恐怖症の人はMRI検査を受けられない可能性があります。心臓ペースメーカー、人工内耳、心臓や血管のステント、骨折の固定のための金属などを入れたことがある人は医師に伝えてください。心臓ペースメーカーは、最近のものではMRI検査を行うことができますが、事前にペースメーカーの種類などを確認する必要がありますので、お医者さんに伝えてください。

骨シンチグラフィ

骨シンチグラフィは炎症のある部分を画像として観察できる検査です。炎症の部分に集まる性質がある薬品を体内に注射した後に全身を撮影します。薬品には放射性物質が含まれていて、炎症がある部分を黒い点の集まりとして画像で見ることができます。

足底筋膜炎では炎症の起こりやすいかかとの部分に黒い点が見られます。

超音波検査(エコー検査)

超音波検査(エコー検査)は超音波を当てることにより、身体の内部を観察する検査です。見やすくなるようにゼリーを塗った後に、超音波を発生させる装置(プローブ)を観察したい部位に当てます。エコー検査は放射線を用いないので被曝がなく、痛みなどを伴わずに簡単に受けられるのが利点です。

足底筋膜炎では足底筋膜が分厚くなります。エコー検査でかかとの部分を観察すると足底筋膜が分厚くなっているかどうかが確認できます。