[医師監修・作成]精巣捻転症(精索捻転症)の検査について:超音波検査(エコー検査)など | MEDLEY(メドレー)
せいそうねんてんしょう(せいさくねんてんしょう)
精巣捻転症(精索捻転症)
精巣そのものではなく、精巣の血管がねじれる病気。精巣が壊死してしまうことがあるので数時間以内の緊急手術が必要となる
5人の医師がチェック 37回の改訂 最終更新: 2021.03.03

精巣捻転症(精索捻転症)の検査について:超音波検査(エコー検査)など

精巣捻転症は陰嚢の痛みや腫れをきっかけにして見つかります。陰嚢の痛みや腫れは他の病気によっても起こるので、症状の原因をはっきりさせるために診察や検査が行われます。

1. 問診

問診の主な目的は患者さんの「症状」や「身体の状況」、「背景」をお医者さんが把握することです。受診のきっかけとなった症状や身体の変化をお医者さんに伝えてください。お医者さんからは症状や背景についての詳しい質問があります。

【精索捻転症が疑われる人への質問の例】

  • 症状について
    • どんな症状を自覚するのか
    • 症状はいつ現れたか(具体的に)
    • 症状が軽くなったり重くなったりすることはあるのか
  • 持病や過去にかかった病気について

精巣捻転症では症状が現れてからどのくらいの時間が経過しているかが重要な情報です。発症から6時間以内に手術できれば精巣を救える確率が高いですが、6時間を超えると、時間経過とともに精巣の機能が失われる可能性が高くなっていきます。このため、症状が現れた時間をできるだけ具体的にお医者さんに伝えてください。また、陰嚢の痛みや腫れ以外にも、吐き気や腹痛などの症状をともなうことがあります。気になる症状についてはもらすことなくお医者さんに伝えるようにしてください。

2. 身体診察

身体診察とはお医者さんが患者さんの身体を直接くまなく調べることです。代表的な診察は下記のものです。

  • バイタルサイン(血圧・脈拍数・呼吸数・体温・意識レベル)の測定
  • 視診:身体を観察すること
  • 聴診:聴診器で体内の音を聞くこと
  • 触診:身体を触って痛みの有無や硬さなどを調べること
  • 打診:身体を軽く叩いて中の状態を調べること

陰嚢に腫れや痛みがある人にはお医者さんが陰嚢を直接触って、中の状態を詳しく調べます。具体的には精巣を持ち上げたときの痛みの変化や、しこりの有無などが観察されます。

3. 画像検査

精巣捻転症が疑われる人は陰嚢内の様子を詳しく調べるために画像検査を受けます。超音波検査エコー検査)が最初に行われることが多いです。超音波検査で精巣捻転症かどうかの判断が難しい場合にはMRI検査が行われます。

超音波検査(エコー検査)

エコー検査は超音波の反射を利用して体内の断面を画像化する検査です。放射線を使わないので被ばくの心配はありません。プローブという超音波が出る機械を身体に当てて検査が行われます。エコー検査では精巣の形や状態、血流の有無などを調べることができます。血流がなかったり乏しかったりした場合、精巣捻転症が強く疑われます。

MRI検査

MRI検査は磁気を利用して身体の断面を画像化する検査です。超音波検査と同様に放射線を使わないので被ばくの心配はありません。MRI検査では超音波検査に比べて詳細に精巣の状態を調べることができます。一方で、治療を急ぐ精巣捻転症の検査としては、時間がかかるという不向きな点があります。このため、精巣捻転症が疑われる人全員に行われるわけではなく、超音波検査だけでは判断が非常に難しい人にMRI検査が行われます。

また、精巣内の血流の有無をより詳しく調べるために、造影剤という薬を注射して検査することがあります。この方法を造影MRI検査といいます。「腎臓の機能が低下している人」や「造影剤にアレルギーがある人」に造影剤は使うことができません。当てはまる人はお医者さんに伝えてください。MRI検査の詳しい説明は「こちらのページ」も参考にしてください。

参考文献

・赤座英之/監, 「標準泌尿器科学」, 医学書院, 2014
・勝岡洋治/編, 「泌尿器科診療ガイド」, 金芳堂, 2011