[医師監修・作成]アセトン血性嘔吐症(周期性嘔吐症)の治療について:水分と糖分の補給 | MEDLEY(メドレー)
あせとんけっしょうせいおうとしょう(しゅうきせいおうとしょう)
アセトン血性嘔吐症(周期性嘔吐症)
激しい嘔吐を繰り返す小児の病気で、周期性嘔吐症とも呼ばれる
11人の医師がチェック 73回の改訂 最終更新: 2020.12.23

アセトン血性嘔吐症(周期性嘔吐症)の治療について:水分と糖分の補給

アセトン血性嘔吐症は嘔吐を繰り返す病気です。疲れ果ててぐったりしてしまうほど吐くことが少なくありません。また、吐き続けることで、脱水症になってしまうこともあります。治療では脱水の改善をするとともに、糖分補給や吐き気どめの薬を使って症状を抑えます。

1. 水分補給と糖分補給

アセトン血性嘔吐症では、嘔吐が続くことで体内の水分が不足しがちです。脱水を防ぐために、治療では水分補給を行います。飲める状態であれば経口補水液で、口からの摂取が難しい場合には点滴で水分を補います。このとき、嘔吐でさらに水分が失われるのを防ぐため、吐き気どめを使用することもあります。

また、糖分の補給も行います。これは、糖分不足が嘔吐を誘発することがあるためです。糖分が不足すると身体は代わりのエネルギー源として脂肪を分解します。このときに生成される「ケトン体(アセトン)」という物質が体内で過剰に増えることで、嘔吐発作が始まると考えられています。糖分補給は、経口補水液や点滴を通じて、水分補給と同時に行われます。

なお、経口補水液は市販もされているので、自宅で様子を見ることにした場合にも有用です。吐き気がおさまった時を見計らって、少しずつ摂るようにしてください。

2. 吐き気どめの治療薬:(ドンペリドン:主な商品名ナウゼリン®︎)など

抗ドパミン薬(ドンペリドン:主な商品名ナウゼリン®︎)は吐き気を抑える効果がある処方薬です。消化管の運動を助け、嘔吐中枢に働きかけることによって、吐き気を抑えます。飲み薬に加えて座薬がありますので、吐き気があって薬を飲むのが難しい時には座薬が有用です。なお、下痢や発疹などの副作用がまれに生じることがあります。このような副作用に気づいた時には服用を控えて医療機関に相談してください。

加えて、片頭痛・めまい症・てんかんの治療薬の一部がアセトン血性嘔吐症の治療や予防に効果があると言われています。ただし、これらはアセトン血性嘔吐症の治療薬としては保険が適用されないのが現状です。片頭痛やめまい症はアセトン血性嘔吐症に合併することが多い病気であり、合併していれば保険適用となることがあります。

参考文献

1. 疋田敏之 他. 小児周期性症候群. 脳と発達. 2012. 44:125-128.
2. Li B UK.Management cyclic vomiting syndrome in children:beyond the guidelines.Eur J Pediatr.2018;177(10):1435-1442.