かんせつないゆうりたい(かんせつねずみ)
関節内遊離体(関節ねずみ)
関節の中に軟骨や骨のかけらがある状態
5人の医師がチェック 40回の改訂 最終更新: 2022.03.11

関節内遊離体の治療、リハビリについて

関節内遊離体とは、骨や軟骨の欠片が関節内にある状態のことです。欠片が関節内で挟まったり引っかかったりすると激痛などの症状が出ます。ここでは、関節内遊離体が見つかった人の治療法やリハビリ方法について解説します。

1. 関節内遊離体(関節ねずみ)の治療法

関節内遊離体とは、何らかの原因で骨や軟骨の欠片が関節内で動き回るようになってしまった状態を指します。「何らかの原因」としては以下のようなものがあります。

【関節内遊離体を生じる主な原因】

こうしたケガや病気が原因で、骨や軟骨の欠片が関節内にできてしまいます。この欠片が関節の隙間に挟まったりすると急に強い痛みが出現したり、関節が動かなくなったりします。骨や軟骨が関節の中を動き回る様子から「関節ねずみ」と呼ばれることもあります。

以下ではその治療方針について説明します。

安静:関節に負担をかけすぎないようにする

遊離している骨や軟骨の欠片が小さく、症状も乏しい人であれば、特に治療をしないで安静にして様子をみることも可能です。「安静」とは言っても、スポーツでの強い負荷を控える程度でよく、日常生活は通常通り送れる人も多いです。ただし、遊離している骨や軟骨が自然に無くなることは期待できず、むしろ次第に大きくなることもあります。

したがって、痛みで困っている人や、スポーツでベストなパフォーマンスを出すことが要求される人は、手術で関節内遊離体を取り除くことが積極的に考慮されます。

手術

安静にするだけでは関節内遊離体の完治は望めないため、手術がよく行われます。手術では関節鏡という一種の内視鏡を用いることが一般的で、手術の傷をかなり小さくすることができます。

関節内遊離体が生じてしまった原因に対する治療は別に考慮しないといけませんが、関節内遊離体自体は関節鏡で除去してしまえば完治が期待できます。

2. 関節内遊離体(関節ねずみ)のリハビリテーション

関節内遊離体を手術で除去した後は、しばらく安静が必要となります。そのため、スポーツをする人は少しずつリハビリをしてから競技に復帰することとなります。

皮膚を大きく切り開くような手術を受ける人では、筋肉や腱にも手術の負担が及ぶため1年以上かけて慎重にリハビリを進めていくことが多いです。一方で、関節鏡手術で関節内遊離体を除去するだけで、関節の骨や軟骨、筋肉、靭帯などにダメージがほとんど及んでいない人では1ヶ月以内に競技に復帰できることも少なくありません。

リハビリの際には焦る気持ちを抑えて、安静期間はしっかりと安静にして傷を完治させることが重要です。その間に手術した部位に負担をかけないようにして、手術していない部位の筋力を維持するトレーニングをしておくと良いと考えられます。