やきゅうひじ
野球肘
骨や軟骨が完成していない成長期に球技などによる肘の酷使が原因で生じる肘の障害の総称
6人の医師がチェック 58回の改訂 最終更新: 2024.08.16

野球肘の症状について:肘の痛み、動かしにくさなど

野球肘は成長期の過剰な投球や、不適切なフォームによって発症します。肘の痛みが出現して、思うように野球がプレーできなくなってしまいます。ここでは野球肘の症状について詳しく解説します。

1. 野球肘の主な症状

成長期にボールを投げすぎることが野球肘の主な原因です。野球肘でよく出現する症状には以下のようなものがあります。

【野球肘の主な症状】

  • 投球時の肘の痛み
  • 投球後の肘の痛み
  • 肘を押した時の痛み
  • 肘の動かしにくさ など

上記のような症状が出たときは、無理をして投球を続けないようにしてください。軽度の野球肘(リトルリーグ肘など)であれば、1-2ヶ月安静にすれば治癒することが多いです。しかし、無理に投球を続けてしまうと治りが悪くなったり手術が必要になってしまいます。

また、症状を繰り返す人や、高いレベルで本格的に野球を継続するつもりがある人では特に、早めに整形外科を受診することをお勧めします。大した症状ではなくとも、初期の野球肘を発見することで今後の対策を立てられます。

整形外科であれば野球肘の診断は可能ですが、整形外科のお医者さんの中にも背骨の専門家、骨腫瘍の専門家、手の専門家など様々な得意分野があります。なので、スポーツ整形外科を標榜していたり、肘を特に専門としてアピールしている整形外科を受診することが望ましいと考えられます。

2. 野球肘に関連した症状

野球肘の主な症状は上に挙げた通りですが、野球肘では以下のような症状が出ることもあります。

【野球肘に関連した症状】

  • 肘が腫れる
  • 小指や薬指が痺れる
  • 腕全体が痛い、重だるい など

野球肘では肘の骨や軟骨、筋肉などが損傷しています。多くの症状はそれにともなって出現します。

小指や薬指の痺れについては肘から遠い部位ではありますが、肘を通っている尺骨(しゃっこつ)神経という神経が圧迫されることで、手や指先にまで症状が出ることもあります。

その他、首から肩につながる血管や神経が圧迫されることにより、手や腕全体に症状が出ることもあります(胸郭出口症候群)。