しぼうしゅ
脂肪腫
皮膚と筋肉の間や、筋肉にできる脂肪のかたまり
5人の医師がチェック 87回の改訂 最終更新: 2020.10.09

脂肪腫とは?症状、原因、検査、治療など

脂肪腫は皮膚の奥に脂肪の塊ができる病気です。触ると柔らかい数cmくらいの塊が触れます。エコー検査やMRI検査により、塊の大きさや形、中身などを調べることができます。良性のもので特に問題が起きることはありませんが、見た目が気になるなどの場合には手術により根治することができる病気です。

1. 脂肪腫とはどのようなものか

脂肪腫は皮膚の奥に脂肪の塊ができる病気です。特にできやすいのは手、腕、肩、首、背中で、皮膚の膨らみやしこりとして気がつきます。症状の特徴としては以下の通りです。

  • 皮膚のかゆみはない
  • 皮膚の見た目は隆起しているだけで、色の変化や発疹はない
  • 触ると柔らかい
  • 痛みは伴うことはほとんどない
  • 臭いはしない
  • 急激に大きくなることはない

見た目が似ている病気に粉瘤(ふんりゅう)があります。粉瘤とは皮脂などの老廃物が皮膚の奥に塊としてたまったものです。脂肪腫と異なる点として「膨れの真ん中に黒い点がある」、「感染を起こすと赤くなる」、「汚臭がする」といった特徴があります。

ただし、皮膚の奥に塊を作る病気は他にもあるので、気づいた場合には皮膚科のお医者さんに一度診てもらうことをお勧めします。

2. 脂肪腫の原因

脂肪腫は脂肪の塊が皮膚の奥にできたものです。どうして脂肪の塊ができるのかについては分かっていません。ただ、原因の候補としては以下のことが考えられています。

  • 遺伝
  • 外傷(怪我)
  • 肥満

ストレスは脂肪腫の原因にはならないと考えられています。原因の候補と脂肪腫の関連について、詳しくはこちらのページで説明しています。

3. 脂肪腫の検査

脂肪腫が疑われる人には以下の検査を通して、皮膚内部の塊の状態を把握していきます。

  • 問診
  • 身体診察
  • エコー検査(超音波検査
  • MRI検査
  • 病理検査

脂肪腫であるかは問診や身体診察からある程度予測することができます。エコー検査やMRI検査は塊の形や状態を詳しく調べるために行います。手術で塊を取り除いた後に、顕微鏡で中身を確認するのが病理検査です。脂肪腫とよく似た病気である「脂肪肉腫」というがんと区別するために行われます。

こちらのページではそれぞれの検査について詳しく説明しています。

4. 脂肪腫の治療

脂肪腫の根治療法は手術で脂肪の塊を取り除くことです。ただし、全員が手術を受けなければならないわけではなく、以下の場合に手術の適応になります。

  • 見た目が気になる
  • 邪魔になる
  • サイズが大きい

脂肪腫は残念ながら薬では治療ができない病気です。また、自然になくなることもありません。塊のサイズが小さい場合は必ずしも手術で取り除く必要はないため、お医者さんとよく相談して決めるようにしてください。

手術の流れや注意点についてはこちらのページで説明しています。

5. 脂肪腫とがんとの違いとは?

脂肪腫はがんのように見通しが悪い病気ではありません。転移をしたり、命に関わることはなく、見た目以外には症状のない良性の病気です。

ただし、脂肪腫とよく似た病気として「脂肪肉腫」と呼ばれるがんがあります。脂肪腫と脂肪肉腫は注意して見極める必要があります。脂肪肉腫は脂肪腫に比べてサイズが大きい傾向にあり、見極めの一つの手がかりになります。ただし、最終的には取り出して病理検査をしないとわからないため、サイズが大きいもの(10cm以上)場合には、手術を行うことが勧められます。

こちらのページでは脂肪腫が自然治癒するかや治療が保険診療で受けられるかといった疑問点に対しても回答しています。