[医師監修・作成]坐骨神経痛が現れたら | MEDLEY(メドレー)
ざこつしんけいつう
坐骨神経痛
坐骨神経が圧迫されることで、足の痛みやしびれが生じる状態の総称
13人の医師がチェック 122回の改訂 最終更新: 2022.05.23

坐骨神経痛が現れたら

坐骨神経痛は足がしびれる、うまく足に力が入らない、腰が痛いなどの症状があります。坐骨神経痛が表れたらどのように対応していけば良いのでしょうか。架空のストーリーで見ていきましょう。

1. なんだか少し腰が痛いな・・・

東京都に住むMさん(32歳)は、会社員で1日8時間デスクワークをしています。この仕事を長年続けて来た影響か腰痛持ちではありましたが、今まで特に症状が重くなったことはありません。

そんなある日、職場で椅子から立とうとすると急に腰が痛くなりました。

「あれ?なんか腰の調子がおかしいな・・・まあいつものように気にしないようにしていたらいつのまにか治るかな。」

そう思ったMさんは、放っておくことにしました。

しかし、その数時間経つと足のしびれが徐々に強くなってきていることに気づきました。

足に力が入らずうまく立てません。

Mさんは膝とふくらはぎに特に力が入らないことに気づきました。

ポイント:坐骨神経痛の症状は、足のしびれ、おしりからふくらはぎにかけての痛み

坐骨神経痛は、原因となる病気によっても異なりますが主な症状として、足のしびれやおしりからふくらはぎにかけての痛み(しびれに近い痛み)が現れます。

また、立ったり歩こうとした時に足の力が入りいにくくなるため、うまく立ってられなかったり、長い時間歩けないといった症状も見られます。

2. しびれや痛みが表れた経緯は?

急に足に力が入らなくなり、いつもの様子と違うことに気づいたMさんは奥さんに会社まで迎えに来てもらい、近くの整形外科に行くことにしました。

整形外科に到着し診察室に入ると、お医者さんからこんなことを聞かれました。

  • 何をきっかけにしびれや痛みの症状が現れたか
  • これまでに同じようなことがあったか
  • しびれや痛みの強さはどのくらいか
  • どこに力が入らないか
  • 動くことで症状が変わるのか

Mさんは聞かれたことに対して全て答えました。

お医者さんは、「話を聞いた感じだと、おそらく坐骨神経痛だと思います。」と話しました。

ポイント1:足のしびれや痛みは恐ろしい病気の可能性も...

足のしびれや痛みの背景となる病気は、腰椎椎間板ヘルニア脊柱管狭窄症といった比較的に耳にすることが多い背骨の病気や、梨状筋症候群というおしりの筋肉の病気、脊髄の病気など様々です。

また、がんが背骨に転移することでも同じような症状は見られますので、症状が治らない場合は、放っておかずに整形外科を受診しましょう。

ポイント2:診察をうける時は症状について詳しく伝えましょう

坐骨神経痛は、まず問診でどのような原因から症状が表れているか推測します。そのため、問診に対しては症状を詳しく伝えることが大切です。どのようなきっかけで症状がで始めたか、どんな時に症状は強くなるか、安静時でも症状は出るか、などの問診に対して詳しく答えるようにしましょう。

3. いくつかの検査を受けることに

一通りの質問された後に、お医者さんは次のように説明しました。

「おそらく坐骨神経痛なのですが、その原因となる病気はまだわかりません。これからいくつか検査をして、詳しく調べてみましょうか」

Mさんは、検査を受けることにしました。

ポイント:検査は大きく分けて2種類

坐骨神経痛の原因を考える時に主に行う検査は大きく分けて2種類です。

一つは神経症状を調べる方法です。これは打鍵器と呼ばれる器具(脚気の検査で使う器具)で膝やアキレス腱の状態を見たり、筋肉をストレッチしながら神経症状を見たり、筋力を検査したりします。診察用のベッドの上で受ける検査です。

もう一つは、画像検査です。CT検査やMRI検査を行い脊柱の状態や神経の状態を確認します。

4. 脊柱管狭窄症による坐骨神経痛だった

MRI検査を終えてしばらくすると、お医者さんから診察室に再度呼ばれました。そこで次のようなことを言われました。

「脊柱という背骨には神経が通っていますが、その通り道が狭くなることで神経が圧迫される脊柱管狭窄症をお持ちのようです。それが原因で坐骨神経痛になったんだと思います。」

Mさんは、初めて聞いた病気でしたので、お医者さんに質問しました。

「脊柱管狭窄症は、治りますか?」

5. 坐骨神経痛は原因によって治療は異なる

Mさんに「治りますか?」と聞かれたお医者さんは、「脊柱管狭窄症は、薬やリハビリで治るものではありません。そもそも神経の通り道が狭まっているため、その部分を広げるには手術が必要です。ただし、運動やストレッチなどで、治らなくても症状が改善することはあります。まずは、手術はせず様子を見てみますか?」

Mさんは、「手術…」と悩みましたが、まずはストレッチなど自分でできることを行うことにしました。

ただし、お医者さんは、次のように付け加えました。

「脊柱管狭窄によって神経が圧迫される期間が長いと、手術をしても症状が改善しないこともあります。このまま症状が治らず、むしろ悪化するようでしたらもう一度手術に関して相談しましょう。」

ポイント:坐骨神経痛は原因となる病気によって治療は異なる

坐骨神経痛の原因となる病気は、筋肉が硬くなっていて神経を圧迫してしまっていたり、骨やその周辺に問題があったりと様々です。

筋肉の硬さが原因の場合は、筋肉自体を柔らかくすることで症状が改善する場合があります。

一方、骨やその周辺の組織に問題がある場合では、手術を行わないとそれ自体が治ることはありません。症状を軽くするために、ストレッチをしたりしびれが和らぐ薬が使ったりします。

6. ストレッチと徐々に運動を行って改善

早速、Mさんはストレッチの方法や行った方が良い運動を理学療法士さん(リハビリの専門家)から教わりました。その方法を続けていると、少しずつ症状が和らぎ、日常的にはそこまで問題なく活動できるようになりました。しかし、やはりまだ体調によってはしびれや痛みが残っています。

ポイント:重症の場合はすぐに手術が必要になることも

ストレッチなどの対症療法で症状が改善した場合、手術しないで様子を見ていくことがほとんどです。

症状がどんどん悪化していく場合は、原因となる病気を見定めすぐに手術をすることもあります。

手術をするのかしないのかは大きな決断になりますので、医師からそれぞれのメリット・デメリットをしっかり説明してもらい、納得して医療を受けることが大事です。

7. 身近な病気、坐骨神経痛を詳しく知ろう

今回は坐骨神経痛の原因となりうる脊柱管狭窄症を例に、原因や症状、治療について解説しました。

架空の例ですが、坐骨神経痛の言葉を漠然と知っていた人にも、いっそうはっきりとしたイメージが湧いてきたのではないでしょうか。

坐骨神経痛を軽視してしまうこともあるかもしれませんが、重症化すると寝たきりになることもある病気です。

ここでは、坐骨神経痛の原因、症状、治療などについて詳しく解説しています。是非坐骨神経痛について詳しく知り、症状が見られた時に慌てないように役立ててください。