妊婦の坐骨神経痛(座骨神経痛)の原因と症状、治療法まで
妊婦の坐骨神経痛は決して珍しくありません。
お腹が出ることで腰に負担がかかることはもちろん、赤ちゃんが大きくなるに連れて骨盤の状態も変わり腰痛や股関節痛も起きやすくなります。
ここでは、妊婦の坐骨神経痛について解説します。
1. 妊婦の坐骨神経痛の原因とは?
妊娠中の坐骨神経痛(座骨神経痛)は、しばしば聞かれる症状のひとつです。
その原因のひとつに、これまでなかったお腹に小さな命が宿り、徐々に大きくなっていく過程で腰を反らないと重さに耐えられなくなるということがあります。腰を反らした状態で長い時間いると、腰痛になりやすいことは想像に難くないと思います。
腰痛を起こした妊婦の腰痛がさらに悪化すると、坐骨神経痛に発展することもあります。
また、妊娠による骨盤の変化によって坐骨神経痛が起こることもあります。妊娠して子宮が大きくなるにつれ骨盤の状態は変わっていくのですが、骨盤が拡がってことで腰に負担がかかります。
腰や骨盤の状態が変わると、それらの動きを支えている腰やおしりの筋肉のバランスも悪くなります。すると、筋肉が硬くなり神経を圧迫してしまうことがあります。
腰痛や坐骨神経痛を起こすその他の原因としては、
ただでさえ妊娠中は非常にストレスが多いため、腰痛や坐骨神経痛の症状が表れたら、その大変さは増します。
後述する治療法や対策法で解決していくことが大事です。
2. 妊娠中の坐骨神経痛はどんな症状が表れるの?
妊娠中に表れる坐骨神経痛の症状は、基本的には通常見られる坐骨神経痛の症状と同様です。
その多くが腰痛から始まり、ほおっているうちに、おしり、膝裏、足までしびれや痛みが広がっていきます。詳しくは「坐骨神経痛(座骨神経痛)の症状とは?腰やおしりの痛み、足のしびれについて解説」を参考にしてください。
ここで問題になるのが、妊娠中の日常生活に関係する動きと出産時です。
ちょっとしたことですら動くことが大変な妊婦が坐骨神経痛になった場合は、腰や足の痛みやしびれによってさらに動くのが難しくなります。
また、出産時にいきめなくなることがあります。出産時にいきむことができなくなった場合は、帝王切開を行うことも選択肢のひとつになります。
前述したように妊娠中は環境の変化やホルモンバランスが変化するため、精神面への影響も出ます。妊娠によって身体を動かしづらかったり、息抜きの時間も取れなくなる影響から、気持ちが沈むことも少なくないです。
痛みの強さは精神面と関連していることが知られているため、妊娠中のうつ状態が痛みを強くを感じやすくさせる可能性があります。
3. 妊婦の坐骨神経痛の治療法、対処法とは?
では、妊婦で坐骨神経痛が表れたらどのように治療または対処すれば良いのでしょうか?
まず大事なことは、無理をしないことです。妊娠初期でまだ仕事をしていたり、家事を行っていると、少しの腰痛や坐骨神経痛くらいでは休まないと考える方も多いかもしれません。
しかし、後々のことを考えると、そうも言っていられないと思います。まずは無理をせず、症状が落ち着くまで休養をとることが大切です。
この際、家族や周囲の人のサポートがあることは重要です。
妊婦の坐骨神経痛の治療
治療法としては、薬治療や
- ストレッチ
坐骨神経痛に対するストレッチの方法については「坐骨神経痛に効くストレッチ方法とは?」をご覧ください。
ただし、妊婦の場合ですと、ストレッチで取れる体勢と取れない体勢があると思います。例えば、お腹が出ていると前屈姿勢が難しいのです。個々の状況に合わせて様々なストレッチ方法があるので、お医者さんやリハビリの先生に相談してみてください。
- 温熱療法
温熱療法に関しては、腰や太ももの裏を温めることになりますが、器械を使わないものであれば、例えばお風呂に入ることもひとつの方法になりますので、試してみる価値はあるでしょう。
- 妊婦の坐骨神経痛の薬物治療
薬に関しては、妊娠中に使用するのは怖い方も多いと思います。痛み止めや湿布であっても、胎児に絶対に影響がないとは言えませんが、比較的安全性の高いものはあります。神経ブロックは、鎮痛薬よりは安全であると言われています。
いずれにしても自分の判断だけで治療方法を考えるのではなく、必ず医師に相談するようにしましょう。
- 固定ベルトやコルセットの使用
妊娠中の腰痛を予防することで坐骨神経痛を予防する方法のひとつが、骨盤ベルトの使用になります。
妊娠中には、骨盤が不安定になるということは前述しましたが、骨盤ベルトはまさにその不安定な骨盤を安定させる役割があります。骨盤が安定させることで腰への負担も減らし、骨盤由来の坐骨神経痛も改善できます。
ここでは、妊婦が坐骨神経痛を
そのためには予防をしっかりと思います。また、もし坐骨神経痛を発症したとしても落ち着いて病院を受診しましょう。