ゆうそうじん
遊走腎
寝た状態の腎臓の高さに比べ、立った状態での腎臓の高さが、通常の人より低くなる状態
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最終更新: 2022.05.30
遊走腎の基礎知識
POINT 遊走腎とは
立った状態で腎臓の位置が正常範囲を超えて垂れ下がることを指します。お腹の中の脂肪や腹筋・背筋が少いため腎臓の固定が悪いことが原因だと考えられています。そのため、やせている女性に多いとされます。無症状のこともありますが背中の痛みや血尿などの症状を認めることもあります。症状を改善するためには腹筋や背筋を鍛えたり体重を増やすことをまず行います。やせている女性で遊走腎の疑いがある人は泌尿器科を受診してください。
遊走腎について
- 寝た状態の腎臓の高さに比べ、立った状態での腎臓の高さが、通常の人より低くなる状態
- 寝た時と立った時で腎臓が動くことから「遊走腎」と呼ばれる
先天性 の原因- 腎臓を支える組織が生まれつき弱い
後天性 の原因- 腹筋のゆるみ
- 腹圧が低い
- 腎臓を支える組織が弱くなる
遊走腎の症状
- 特に何の症状も現れないことも多い
- 現れる可能性がある症状
- 腰、わき腹、背中の痛み
血尿 (血が混ざった尿)- 食欲不振
- 吐き気
- 下痢
- 便秘
- 胃の膨張感
- 尿路症状
頻尿 (何回もトイレに行きたくなる)残尿感 (トイレに行ってもまだ出そうな感じがする)- 排尿痛(尿をするときに痛い)
遊走腎の検査・診断
- 触診:腎臓の位置を調べる
- 寝た状態と座った状態、立った状態で位置が異なるか調べる
- 静脈性尿路
造影 :姿勢の違いによって、腎臓の高さが変わるか調べる- 尿の通り道に造影剤を入れて、検査をする
遊走腎の治療法
- 基本的に手術など負担のかかる治療の必要性はない
- 痩せている人は体重を増やす
- 腎臓を支える脂肪の組織を増やすため
- 腹筋、背筋の強化
- コルセットや腹帯を巻いて、腹圧を高める
- 食生活を見直す
遊走腎の経過と病院探しのポイント
遊走腎が心配な方
遊走腎の診断には画像検査(超音波検査やCT検査、MRI検査など)が必要になり、主に泌尿器科や内科で行われます。また、他の病気を調べた検査で偶然見つかることもあります。
遊走腎のタグ
遊走腎に関わるからだの部位
