てあしくちびょう
手足口病
子供におこるウイルス感染症の一つ。口や手足にぶつぶつができる
17人の医師がチェック 158回の改訂 最終更新: 2019.08.19

手足口病の発熱・痛みなどの症状を楽にする薬

手足口病の原因を治す薬はありません。手足口病の薬は症状を楽にするのが目的で、かゆみや発疹に対する薬のほか、高熱でつらいときにはアセトアミノフェンなどの解熱鎮痛薬が役に立ちます。

 

1. 手足口病の薬は何に効いている?

手足口病の原因を治す薬はありません。手足口病の治療はまず安静です。

病院に行って薬を出されたときは、何をする薬なのかよく聞いておいてください。かゆみ止めや、熱を下げる目的の薬が主に使われます。

手足口病の原因は?

手足口病の原因はウイルスの感染です。主に夏に子供の間で流行し、5歳以下の子供がよくかかります。1歳未満の赤ちゃんにうつることも、子供から大人にうつることもあります。

手足の水ぶくれ、唇の裏など口の中の水ぶくれが特徴的な症状です。水ぶくれはつぶれて口内炎に似て見えることもあります。

手足口病には抗生物質は効かない

手足口病のウイルスに効く薬はありません。ウイルスは細菌とは違うので、抗菌薬抗生物質、抗生剤)は効きません。抗生物質は細菌に効く薬です。

高熱で消耗が激しいときには薬を使う

手足口病では3分の1ほどの人に熱が出ます。熱が出ても元気があれば熱を下げる必要はないのですが、高熱で体力を消耗してつらいときには、薬で楽にすることができます。

手足口病の症状は1週間ほどで自然に完治することがほとんどなので、治療期間も1週間以内で十分です。

2. 手足口病の発熱と痛みに使う解熱鎮痛薬

手足口病の発熱や痛みに、解熱鎮痛薬(げねつちんつうやく)という種類の薬が有効です。一般的に小児で使える解熱鎮痛薬は限られていて、幼小児に使える薬はさらに限定されます。手足口病の治療で使う解熱鎮痛薬としてはアセトアミノフェンが代表的です。

 

アセトアミノフェンの特徴は?

アセトアミノフェンは、小児においても副作用が少なく安全性が高いとされています。アセトアミノフェンには飲み薬の他に座薬(坐薬)もあり、口内炎や喉(のど)の痛みで水でさえ飲みづらい状態でも使えます。飲み薬はカロナール®細粒、コカール®ドライシロップなど、座薬はアンヒバ®やアルピニー®などがあります。

 

熱は下げなくてもよい

発熱は、温度を上げることにより、ウイルスや細菌などがうまく増殖できないようにする体の免疫反応の一つです。そのため微熱の時に解熱薬を使うとかえって治りが悪くなる可能性もあります。解熱薬はあくまで発熱がつらいときに楽にするための薬で、熱が出た原因を治しているわけではありません。

解熱薬が出された時は「どのくらいの発熱で使うべきか?」「どのくらいの間隔やタイミングで使えばいいか?」などを医師や薬剤師からよく聞いておきましょう。

3. 手足口病で使ううがい薬

手足口病の治療にうがい薬を使う場合もあります。口の中の水疱(水ぶくれ)や口内炎があるとき、消毒するためです。

 

イソジン®ガーグル液

うがいと言えばイソジン®ガーグル液が消毒効果があることでよく知られています。しかし、子供に多い手足口病の治療で使うときには、うがい用に味が調整されているとはいえイソジン自体の独特な風味を子どもが嫌がるケースもあります。

 

アズノール®うがい液

イソジン以外のうがい薬としてはアズノール®うがい液が使われています。

口の中の消毒という面ではイソジンに分がありますが、アズノール®うがい液の味は比較的すっきりとした風味(味の好みには個人差があります)であり、手足口病の子供がイソジンを嫌がるときに試してみることもできます。

アズノールの成分であるアズレンスルホン酸ナトリウムは炎症を抑えたり、ヒスタミンを抑えたりする効果を持っています。

ヒスタミンは体の中で作られている物質で、かゆみなどの原因になるため、ヒスタミンの作用を抑えればかゆみなどが軽くなると考えられます。

 

うがい薬を使うときの注意

イソジンの成分(ポビドンヨード)はヨウ素を含むため、甲状腺に病気を持つ人が使用する場合には注意が必要となります。アズノール®うがい液はヨウ素を含まないため、このような場合にも有用です。

手足口病にかかりやすい5歳以下の子供には甲状腺の病気は多くないですが、手足口病は大人にもうつる病気で、甲状腺の病気は20代の女性には特に多いので、子供から手足口病がうつった場合などは気を付けてください。

 

4. 手足口病で使う漢方薬

手足口病には漢方薬を使うことがあります。

発熱には麻黄湯(マオウトウ)が有効な場合があります。生薬成分の麻黄などの働きにより、炎症による発熱などの症状に対して効果が期待できます。

水ぶくれの症状には排散及湯(ハイノウサンキュウトウ)が使われることもあります。この漢方薬が元々、患部が発赤腫脹(炎症などが原因で腫れること)して痛みを伴うような皮膚の症状に効果があることからも手足口病の皮膚症状に改善効果が期待できます。

他には、浮腫や発汗などを伴う湿疹などの症状に効果が期待できる越婢加朮湯(エッピカジュツトウ)なども手足口病の症状に有効な場合もあります。

 

漢方薬を飲むときに気を付けること

漢方薬自体は一般的に副作用が少ないとされますが、自然由来の生薬成分自体が体質や症状に合わなかったりする(例として、お腹が緩くなりやすい体質の人に大黄(ダイオウ)などの下剤効果があらわる生薬を含む漢方薬を使用するなど)とまれですが副作用があらわれることもあり注意は必要です。関連するコラム「漢方薬の選択は十人十色!?」もご覧ください。

 

5. 手足口病の治療は病院で

いろいろな薬がある中から、ひとりひとりの症状や全身の状態に適した薬が選ばれます。子供の皮膚に水ぶくれができて、手足口病かなと思ったら、小児科、皮膚科、内科のある病院・クリニックで相談しましょう。