[医師監修・作成]甲状腺機能低下症に関するよくある疑問点:治療、食事、妊娠に関連したものについて | MEDLEY(メドレー)
こうじょうせんきのうていかしょう
甲状腺機能低下症
身体の新陳代謝(エネルギー代謝)を活発にする甲状腺ホルモンが、何らかの理由で不足している状態
12人の医師がチェック 76回の改訂 最終更新: 2019.08.07

甲状腺機能低下症に関するよくある疑問点:治療、食事、妊娠に関連したものについて

甲状腺機能低下症は現在の医療では根治が難しく付き合いが長くなる病気です。日常生活の中でもさまざまな疑問点が生じることがあるかもしれません。このページでは治療、食事、妊娠に関連したよくある疑問点に答えます。

1. よくある日常生活における疑問点

甲状腺機能低下症は根治が難しい病気であり、甲状腺ホルモン補充のため薬を飲み続けれなければならないことも多いです。付き合いが長くなる病気であり、日常生活の中でさまざまな疑問点が生じることがあるかもしれません。例えば以下のようなポイントが考えられます。

  • 甲状腺機能低下症は何科で治療する?
  • 薬は飲み続けなければならないのか?
  • 甲状腺ホルモンの材料であるヨウ素はたくさんとったほうが良いの?
  • 妊娠・出産はできるのか?

以下ではこれらの疑問点について回答していきます。

2. 甲状腺機能低下症は何科で治療する?

甲状腺の病気を専門に扱っている診療科は内分泌内科や代謝内科です。大人の甲状腺機能低下症は内分泌内科や代謝内科で治療が行われることが多いです。子どもの場合は小児科で治療が行われます。

3. 薬は飲み続けなければならないのか?

薬をいつまで飲み続ける必要があるのかは、その原因によっても異なります。例えば、他の病気の治療薬が原因で起きている甲状腺機能低下症で、その治療薬を中止できる人では、甲状腺ホルモン補充療法は一定期間で済むことが多いです。反対に、橋本病慢性甲状腺炎)などが原因で甲状腺機能低下症が持続する人では、一生涯薬を飲み続けることになります。

とはいえ、甲状腺ホルモンの補充療法を始めて良い状態が続いていれば、薬をやめられる人もいます。ただし、中止によって甲状腺機能低下症が再度悪化することもあり、薬の中止には専門的な判断が必要です。そのため、もし薬を飲み始めて調子が良いなと思う状態が続いている場合にも、薬の中止は自己判断で行わず、必ず担当のお医者さんに相談してください。

4. 甲状腺ホルモンの材料であるヨウ素はたくさんとったほうが良いの?

ヨウ素(ヨード)は昆布・わかめなど海藻類に多く含まれる栄養素の一つで、甲状腺ホルモンの材料となる物質です。甲状腺機能低下症は甲状腺ホルモンがうまく働かない病気なので、ヨウ素をたくさん取ったほうが良いと考えるかもしれません。

たしかにヨウ素を全く取らなければ、甲状腺ホルモンを作ることができなくなるため、甲状腺機能低下症の原因になります。しかし、1日の甲状腺ホルモンを作るのに必要なヨウ素は微量であり、また日本人の食事は世界的に見てもヨウ素の含有量が多いと言われています。そのため、ヨウ素不足による甲状腺機能低下症について心配する必要はなく、また、意識してヨウ素をたくさんとる必要もありません。

5. 妊娠・出産はできるのか?

甲状腺機能低下症があっても妊娠・出産は可能です。ただし、甲状腺機能低下症が治療されていないと不妊や流産早産などのリスクにもなるため、しっかり治療をしたうえで妊娠・出産をすることが重要です。お母さんの甲状腺ホルモンが足りない状態というのは赤ちゃんの発育にも悪影響があるので、妊娠中も甲状腺ホルモンの補充療法を行います。妊娠中は甲状腺ホルモン値や甲状腺刺激ホルモン値を見ながら、薬の用量を調整します。甲状腺機能低下症は女性に多い病気であり、妊娠や出産に関して不安に感じられている人は多いかもしれません。不安なことがあれば、担当のお医者さんと相談してください。