だいどうみゃくべんきょうさくしょう
大動脈弁狭窄症
大動脈弁の開放口が狭くなり、心臓(左心室)から大動脈へ血液を送り出す際の負担が増えてしまう状態
17人の医師がチェック 132回の改訂 最終更新: 2020.09.17

Beta 大動脈弁狭窄症についての医師コメント

大動脈弁狭窄症は最初は無症状ですが、進行すると狭心症のような胸の痛みや、失神や、心不全などの症状が出てくることがあります。こういった症状が出る前に手を打つことが非常に重要です。最初のうちは高血圧など大動脈弁狭窄症を悪化させる要因をコントロールするだけでなんとかなりますが、症状が出てきてしまった場合には手術という選択肢を選ばざるを得なくなってきます。大動脈弁を機械弁もしくは生体弁に置換するという手術を行います。症状が軽いうちは、この程度の症状で手術なんて…と思われるかもしれませんが、症状が出てしまっているというのはそれなりに進行した状態であると考えたほうが良いと思います。最初は症状が軽くても、積極的な治療をせずに放置しておくと心不全が出現し、それがだんだん悪化していって息苦しさなどの症状が強くなってしまいます。そのままもはや手の施しようがなく亡くなってしまった方も見たことがあります。決して放置しておいてよい疾患ではないと思います。


匿名協力医師
患者さんへのメッセージ
2015.05.29

投稿内容を見ると恐ろしいことも書いてありますが、症状もなく心臓や全身に障害がでていないような場合は無治療で経過をみることも可能な場合があります。健診などで偶然見つかった場合はそのようなことが多いです。しかし病状が進行してくると、失神発作や突然死、心不全を発症することもあるので半年~1年に1度程度は定期的に検査(心エコーなど)を受けることをお勧めします。
逆に心不全や失神発作の原因が大動脈弁狭窄症であった場合、心電図や心エコーで高度な異常所見が出ている場合は早期の手術が勧められることが多いです。検査の結果もそうですが自覚症状の有無は手術の時期を決定する重要な因子になるので気になる症状は主治医と相談するようにしてください。
頻度が多くはありませんが、この病気に罹患していると歯科治療や怪我をした場合に細菌が大動脈弁に付着し感染性心内膜炎を合併することがあります。歯科治療や外科的処置(小さな手術など)をする際は予防的に抗菌薬が必要な場合もあるので主治医と相談することをお勧めします。


匿名協力医師
患者さんへのメッセージ
2015.05.13