じんましん
じんましん(蕁麻疹)
皮膚が赤く腫れ、短時間で消える症状。原因はアレルギー、物理的刺激、発汗など。市販薬にもある抗ヒスタミン薬の飲み薬が有効。原因不明で長引く場合もある
16人の医師がチェック 246回の改訂 最終更新: 2024.04.04

蕁麻疹と似たような皮疹が出る病気

蕁麻疹(じんましん)は赤い斑点(紅斑)や膨らみ(膨疹)といった皮膚の症状が特徴です。しかし、似たような症状を特徴とする病気は蕁麻疹以外にも多くあります。ここでは、蕁麻疹と似た症状を示す病気を解説します。

1. 蕁麻疹に似た病気には何があるか

蕁麻疹(じんましん)は赤い斑点(紅斑)や膨らみ(膨疹)といった皮膚の症状が特徴です。しかし、似たような症状を特徴とする病気は蕁麻疹以外にも多くあります。

蕁麻疹であるかどうかを判断するには、蕁麻疹に似た症状を示す病気についても把握している必要があります。

【蕁麻疹に似た症状が出る病気の例】

以下に、これらの病気について簡単に説明していきます。

1. 丹毒(たんどく)

レンサ球菌と呼ばれる菌が、皮膚の浅い層(真皮)に感染する病気です。高熱や寒気、全身のだるさといった症状を伴って、皮膚に境界がはっきりとした赤い腫れがあらわれ、急速に周囲に広がっていきます。この症状が蕁麻疹と似ています。

2. 蜂窩織炎(ほうかしきえん)

レンサ球菌や黄色ブドウ球菌が、皮膚の下の組織(皮下組織)に感染する病気です。高熱や寒気、全身のだるさを伴って、皮膚に蕁麻疹様の赤い腫れがあらわれます。丹毒と非常によく似ていますが、赤い皮膚の症状(紅斑)は丹毒よりも境界がはっきりとしないことが多いです。

3. 虫刺され

蚊やノミやダニなどに刺されたことによる、皮膚の症状のことを指します。皮膚の赤い変化(紅斑)やかゆみ、痛みが出ることが多く、場合によっては、ブツブツ(丘疹)や水ぶくれ(水疱)を伴うことがあります。

4. 多形滲出性紅斑(たけいしんしゅつせいこうはん)

丸くて隆起した赤い皮膚の変化が手足の左右対称に出現する病気で、この症状が蕁麻疹に似ています。皮膚の隆起する変化は、周辺が高く隆起し中心は凹んでいるのが特徴です。原因は、感染や薬剤に対する免疫反応によるものと考えられています。

5. 伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)

黄色ブドウ球菌やレンサ球菌が、皮膚の角層と呼ばれる部位周辺に感染する病気です。「とびひ」とも言います。アトピー性皮膚炎湿疹をかきむしった際の傷から菌が侵入することが多く、症状として皮膚に赤い変化(紅斑)やみ、水ぶくれを起こします。

6. 成人発症スチル病(成人スティル病)

発熱と関節の痛み、薄紅色の皮膚の変化を特徴とする病気です。皮膚の変化は、かゆみを伴わず、容易に場所が移動して、熱が下がると消えるといった特徴があります。原因は不明ですが、通常であれば異物に反応する免疫が、なんらかの理由で自身の細胞を攻撃してしまうことが影響していると考えられています。

7. 蕁麻疹と似た病気はどうやって見分ける?

上記の病気において、皮膚の症状から原因となっている病気を判断することは非常に難しい場合があります。しかし、その場合でも、皮膚以外の症状や背景を吟味することで病気が見えてくることがほとんどです。

例えば、虫刺されであれば虫に刺されたことが前提にあるはずですし、多形滲出性紅斑であればなんらかの感染や薬剤を使った背景があるはずです。また、多形滲出性紅斑成人スティル病の皮膚症状には特徴がありますので、それを手がかりにすることができます。

何科を受診すればよいか

もし蕁麻疹のような症状がある場合には、一度皮膚科を受診し、皮膚の症状や出た時の状況、その他の症状などについて、お医者さんに伝えてください。

特に皮膚の症状に関しては、症状が「いつ出てきたか」「いつまで続くか」「どんな皮疹か」「かゆみは伴うか」がポイントになります。蕁麻疹であれば受診時には症状が消えていることもありますので、写真に撮っておくのも一つの手です。