こうくうかんじだしょう(がこうそう)
口腔カンジダ症(鵞口瘡)
カンジダという真菌(かび)によって起こる口の粘膜の感染症。新生児や免疫力が落ちている人に起こることが多い
9人の医師がチェック 129回の改訂 最終更新: 2022.03.02

口腔カンジダ症(鵞口瘡)の基礎知識

POINT 口腔カンジダ症(鵞口瘡)とは

カンジダという真菌(カビ)が口の中で繁殖した状態です。免疫力の低下している場合や唾液量が落ちている場合になりやすいです。主な症状は、口の中に白い苔のようなものが生じる、舌が痛い、味覚が低下する、といったことです。 症状の程度と細菌検査で診断します。また、背景に免疫機能の低下が隠れている場合があるので、HIV検査や使用している薬剤のチェックも併せて行う必要があります。治療には抗真菌薬を用います。口腔カンジダが心配な人や治療したい人は、感染症内科・内科・歯科を受診して下さい。

口腔カンジダ症(鵞口瘡)について

  • カンジダという真菌(カビ)によって起こる口の粘膜の感染症
  • 以下のことが原因で起こる
    • 免疫力の低下:がん患者や免疫を抑える治療をしている患者やHIV感染者
    • 唾液量の減少:シェーグレン症候群などで起こる
  • 偽膜性と萎縮性に分けられ、症状も異なる
    • 偽膜性のタイプを「鵞口瘡」と呼ぶこともある

口腔カンジダ症(鵞口瘡)の症状

  • 主な症状
    • 偽膜性のタイプでは、口の中に、ぬぐうと取れる白いコケ状のものができる
    • 萎縮性のタイプでは、舌がひりひりしたり、味覚に障害がでたりする

口腔カンジダ症(鵞口瘡)の検査・診断

  • 偽膜性の場合は、見た目で判別できる
  • 萎縮性の場合は、他の病気と見分けるために、以下の検査が必要となる
    • 血液検査:がんの存在や免疫力の低下する原因の検索を行う
    • 細菌検査カンジダ菌の有無などを調べる
  • カビ以外の原因による舌炎、舌痛症(舌の先が痛くなる病気)とは区別される

口腔カンジダ症(鵞口瘡)の治療法

  • 真菌薬:内服、塗り薬、うがい薬がある
  • 以下のことを行うことで予防をすることができる
    • 日頃から歯磨きをして、口の中を清潔にしておくことが必要
    • 入れ歯がある場合は、定期的に手入れする
    • 口の中を保湿する
  • 新生児の感染の場合は、通常1-2週間程度経過を見れば治癒することが多い

口腔カンジダ症(鵞口瘡)に関連する治療薬

トリアゾール系抗真菌薬(内服薬・注射剤)

  • 真菌(カビ)の細胞膜の合成を阻害し、白癬症やカンジダ症などの真菌感染症を治療する薬
    • 白癬症やカンジダ症などの真菌感染症は、真菌の感染により引き起こされる病気で特に免疫力の低下している場合などでは感染がおこりやすい
    • 真菌は細胞膜により覆われていて、この細胞膜がないと生存できない
    • 本剤は真菌の細胞膜合成を阻害し抗真菌作用をあらわす
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