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再生不良性貧血

骨髄の障害(造血幹細胞の減少)によって、すべての血球(赤血球、白血球、血小板)が減る病気

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9人の医師がチェック 146回の改訂 最終更新: 2017.06.15

再生不良性貧血の基礎知識

再生不良性貧血について

  • 骨髄骨の内側のすかすかとした部分。主に血球を作っている。骨髄に異常が起こると、正常な血球が作れなくなり、白血病や貧血などが起こる。の障害によって、血球(赤血球血液の中の血球の一種。酸素を肺から取り込んで、全身へ運ぶ役割をしている。血液が赤いのは赤血球が赤いことによる白血球血液の中にある血球の一種。免疫を担当しており、病原体が体内に入って来た時に、それと戦う役割を担う血小板血液中にある成分の1つ。出血が起こると、出血している部分に集まって出血を止める役割をもつ)の全種類あるいは一部が減る病気
  • 骨髄に生まれつき障害が存在することが原因となるケースもあり、子どもに発症症状や病気が発生する、または発生し始めることすることもある
    • 子どもに起こる場合は遺伝子の異常が原因であることが多い
  • 大人になってから起こる場合
    • 造血幹細胞骨髄にある細胞で、全ての血球の元となる最初の段階の細胞(血球の元になる細胞)に対する自己免疫本来は外敵を倒すために働くはずの免疫が、何らかの異常によって自分の体を攻撃してしまう状態の異常が原因の場合が多い(約80%以上)と言われている
    • 二次性ある病気が、自然発生したものではなく、他の病気や外部の要因によって引き起こされたものであるということ再生不良性貧血:何か他に原因がある場合
  • 二次性再生不良性貧血の原因
    • 抗菌薬細菌感染症に対して用いられ、細菌の増殖を防ぐ、もしくは殺菌する薬。ウイルスや真菌(かび)には効果がない、痛み止めなどの薬物
      ・クロラムフェニコール
    • ウイルス様々な病気の原因となる病原体の一つ。細菌とは別物であり、抗菌薬は無効である感染
    • 肝炎
    • 妊娠
    • その他化学物質など
      ・ベンゼン

再生不良性貧血の症状

  • 症状は減少した血球の種類によって貧血・出血・感染症何らかの病原体が引き起こす病気。細菌、ウイルス、真菌などが原因となることが多い。人から人へ直接うつらないものも含めた総称の三種類に分類できる。
  • 貧血の場合の症状(赤血球血液の中の血球の一種。酸素を肺から取り込んで、全身へ運ぶ役割をしている。血液が赤いのは赤血球が赤いことによるが減った場合)
    • 息切れ
    • 動悸心臓や太い動脈の脈拍を自覚すること。精神的な緊張や運動だけでなく、ホルモンバランスの異常や貧血など、様々な病気の症状として起こる
    • 立ちくらみ
  • 出血の場合の症状(血小板血液中にある成分の1つ。出血が起こると、出血している部分に集まって出血を止める役割をもつが減った場合)
    • 皮下出血皮膚の内側で出血している状態。いわゆる青あざも、皮下出血の表れ方の一つ
    • 歯肉出血
    • 鼻血
  • 感染症の場合の症状(白血球血液の中にある血球の一種。免疫を担当しており、病原体が体内に入って来た時に、それと戦う役割を担うが減った場合)
    • 発熱
    • 疼痛医学用語で、痛みのこと
  • 他の血液疾患でよく見られるようなリンパ節体全体にある、免疫を担当する器官の1つ。感染や免疫異常、血液のがん、がんの転移などで腫れるの腫れは見られない

再生不良性貧血の検査・診断

  • 血液検査:血球が減少しているか(汎血球減少)などを調べる
  • 血液検査で再生不良性貧血が疑われた場合、原因についての検査や、血液腫瘍細胞が増殖してできるこぶのようなもの。あまり悪さをしない良性腫瘍と、体に強い害を与えることの多い悪性腫瘍に分類されるの病気(急性白血病骨髄異形成症候群MDS)などがないか)を調べる
    • 骨髄骨の内側のすかすかとした部分。主に血球を作っている。骨髄に異常が起こると、正常な血球が作れなくなり、白血病や貧血などが起こる。検査
    • MRI磁力(電磁波)を用いて、脳や内臓、筋肉、骨などの組織を詳しく調べる検査検査   など

再生不良性貧血の治療法

  • 重症度(血球減少の程度)に合わせて治療法を選択する
  • 軽症の場合
    • 自然に治ることもあり、自覚症状がなければ様子を見るだけのこともある。
  • 中等症から重症の場合に行われる主な治療法は以下の4つ
    • 免疫病原体に対する体の防御システム。何かのきっかけで、免疫が過剰反応している状態がアレルギーで、免疫が自分自身の体を攻撃してしまうのが自己免疫疾患抑制療法:造血細胞を攻撃している細胞の機能を抑える
      ・飲み薬と注射薬があり、重症度で使い分ける
    • 骨髄移植血液疾患をもつ患者に対して行われる治療。血液細胞を作る骨髄を健康な人から採取して、それを患者の血液中に注入する治療:病気の造血細胞を他人の正常な造血細胞に置換する治療
      ・強力な治療であり、体力のある若い人には積極的に行うが、年をとると副作用が強く出てしまうために慎重に検討する必要が出てくる
    • 蛋白同化ステロイド副腎で作られるホルモンの1つ。ステロイドホルモンを薬として使用すると、体の中の炎症や免疫反応を抑えることができるため、様々な病気の治療で用いられている療法
      赤血球血液の中の血球の一種。酸素を肺から取り込んで、全身へ運ぶ役割をしている。血液が赤いのは赤血球が赤いことによるを増やすホルモン体内で作られて、血流にのって体の特定の部位を刺激する物質。内分泌物質とも呼ばれるを増やしたり、造血細胞を活性化する作用などがある
    • 支持療法
      ・赤血球輸血
      血小板血液中にある成分の1つ。出血が起こると、出血している部分に集まって出血を止める役割をもつ輸血
      白血球血液の中にある血球の一種。免疫を担当しており、病原体が体内に入って来た時に、それと戦う役割を担うを増やす造血薬 (G-CSF) の注射
      ・鉄キレート剤の内服
      抗菌薬細菌感染症に対して用いられ、細菌の増殖を防ぐ、もしくは殺菌する薬。ウイルスや真菌(かび)には効果がないの内服   など
  • 診断時には軽症でも数年間に中等症、重症に悪化することもあるので経過を観察することが必須
  • 経過の中で骨髄異形成症候群白血病発作性夜間血色素尿症など他の病気に移行することがある
    • 免疫抑制療法により改善した患者の約5%で、骨髄異形成症候群急性骨髄性白血病などの悪性疾患に移行する
    • 治療がうまくいっても、定期的に血液検査を受け、異常がみられた場合には直ちに精密検査を受けることが勧められる
  • 指定難病であり、中等症以上では医療費の助成対象となる

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