サルコイドーシスの検査について:血液検査、画像検査など
サルコイドーシスが疑われる場合には
目次
1. 問診
問診とはお医者さんからの質問に答える形で、患者さんが困っている症状や身体の状態、生活背景を伝えることをいいます。問診では以下のポイントをよく聞かれます。
- どんな症状があるか
- 持病があるか
- 飲んでいる薬は何かあるか
- 家族で何か病気をもっている人はいるか
アレルギー があるか
問診を通してサルコイドーシスを疑う症状があるかを確認していきます。また、アレルギーがある人には治療薬の選択肢が限られることもあります。そのため、これらの質問は治療法を決めるうえでも大事なものです。
身体の変化には自分自身が一番気付きやすいので、可能な範囲で構わないので問診時に説明するようにしてください。お医者さんが診察しただけでは見つけられない病気のサインが問診からわかることがあります。
2. 身体診察
身体診察は身体の状況を客観的に評価することをいいます。サルコイドーシスでは特徴的な
3. 血液検査
血液検査はサルコイドーシスに特徴的な検査値の異常の有無の確認や、内臓の障害を見つけるために行われます。サルコイドーシスでは特に以下の項目が重要です。
- アンジオテンシン変換
酵素 (ACE) - リゾチーム
- 可溶性IL-2受容体
あまり聞き慣れない検査項目ばかりだと思いますが、サルコイドーシスではこれらの値が高くなるのが特徴です。
また、血液検査は内臓の障害を見つけるのにも役立ちます。例えば、サルコイドーシスにより障害を受ける臓器に腎臓があります。腎臓に問題があっても症状が出にくいので診察から見つけるのは困難ですが、BUN(ビーユーエヌ)やクレアチニンなどの血液検査項目で腎臓の状態を調べることができます。
4. 尿検査
サルコイドーシスでは腎臓が障害されることで、尿に本来見られない異常な物質が混ざることがあります。BUN(ビーユーエヌ)やクレアチニンなどの血液検査項目で腎臓の障害を見つけられるのは、腎臓が受けたダメージが大きくなってからです。しかし、尿検査をすると血液検査では見つけられない、より早期のダメージも検出することができます。
腎臓は一度障害されると回復が難しい臓器の一つです。そのため、尿検査でできるだけ早い段階で腎臓の障害を発見し、
5. 胸部レントゲン検査・胸部CT検査
胸部レントゲン検査では影絵のように肺を見ていますので、どうしても得られる情報に限界があります。そのため、より詳しく胸や肺の状態を調べる必要がある場合には
6. 気管支鏡検査
また、気管支鏡を用いて肺に水を注入して回収し、その水に含まれる細胞の種類を調べる検査が行われることもあります。これを「気管支
7. ガリウムシンチグラフィー・PET-CT検査
ガリウム
ガリウムシンチグラフィーと
8. 生検
- 生検をする場所の消毒を行います。(生検をする場所の毛が多い場合には、事前に毛を剃ることもあります)
- 生検部位の麻酔を行います。
- 麻酔が効いているのを確認した後、メスなどで皮膚の一部を切り取ります。
- 皮膚を切り取った後は、ガーゼで圧迫して出血を止めます。出血が止まっているのが確認されたら、切り開いた場所を糸で縫います。その後ガーゼで保護します。
- 7-14日程度たったところで傷を縫っていた糸を切り取ります。
出血や傷口からの
9. 蛍光眼底造影検査
蛍光
この検査はサルコイドーシスによる目の障害がないかを調べるために行われます。まれに造影剤に対するアレルギー反応が起きる人がいるので注意が必要です。検査は眼科で行われ、所要時間は2-3時間です。