べるまひ(とくはつせいがんめんしんけいまひ)
ベル麻痺(特発性顔面神経麻痺)
顔面の動きが麻痺する病気のうち、原因が明らかでないもの。ヘルペスウイルスの感染が一部に関係していると考えられている
14人の医師がチェック 136回の改訂 最終更新: 2017.12.06

Beta ベル麻痺(特発性顔面神経麻痺)のQ&A

    ベル麻痺(特発性顔面神経麻痺)の原因、メカニズムについて教えて下さい。

    特発性という言葉は、「原因がはっきりわからない」ということを意味します。現段階でこの病気の原因として定説はないのですが、ウイルス感染や循環障害、免疫異常などが原因ではないかと考えられています。

    その中でもウイルス感染説は有力で、単純ヘルペスウイルス1型の再活性化がこの病気の発症に関与しているのではないかと言われています。しかし、まだはっきりとした証拠があるわけではありません。

    ベル麻痺(特発性顔面神経麻痺)は、どのくらいの頻度で起こる病気ですか?

    発病率は10万人あたり20-30人です。どの年齢でも発症しますが、40歳代が発症のピークです。

    ベル麻痺(特発性顔面神経麻痺)は、他人にうつる病気ですか?

    ベル麻痺は他人にうつる病気ではありません。単純ヘルペスウイルスの感染が原因とする説もありますが、このウイルス自体は珍しいものではなく、口唇ヘルペス(口のまわりにぶつぶつができる)やその他の形で感染したことがある人が多いです。単純ヘルペスウイルスに感染していたとしても、ベル麻痺を発症するかどうかというのはまた別の問題です。

    ベル麻痺(特発性顔面神経麻痺)は、どんな症状で発症するのですか?

    顔面神経という神経の麻痺が生じ、顔の筋肉を動かすことが難しくなります。そのために以下のような症状がみられます。

    • 眉をあげて額に皺を寄せることができない
    • 眼を閉じることができない→洗顔の際に水が眼に入る
    • 口笛を吹けない
    • 頬を膨らませられない
    • 口の中に入れたものが口角からもれる

    上にあげた症状が全てあらわれるわけではありませんが、こういった症状のうちのいくつかがみられることになります。

    ベル麻痺(特発性顔面神経麻痺)の、その他の症状について教えて下さい

    顔面神経は基本的には顔の筋肉を動かす神経ですが、聴覚に関わる筋肉も支配していたり、味覚にも関わったりしています。

    そのため、聴覚過敏や味覚障害などの症状が現れることがあります。

    ベル麻痺(特発性顔面神経麻痺)は、どのように診断するのですか?

    顔面神経麻痺そのものは症状から診断がつきます。

    一方、この病気は「特発性(原因が明らかではないということ)」ですから、顔面神経麻痺が起こる別の病気を除外する必要があります。腫瘍や外傷、糖尿病、サルコイドーシス、水痘・帯状疱疹ウイルス感染など、様々なものがあります。顔面神経麻痺以外に何か併発している症状がないかを調べることが重要です。血液検査をして確認することもあります。

    ベル麻痺(特発性顔面神経麻痺)の、その他の検査について教えて下さい。

    顔面神経麻痺は症状から診断がつくものですが、顔面神経を電気で刺激して筋肉の反応を記録する神経伝導検査を行うことがあります。ビリビリ痺れる検査とイメージしていただければよいでしょう。この検査によって、障害の程度やその後の経過を推測することが出来ます。

    ベル麻痺(特発性顔面神経麻痺)の治療法について教えて下さい。

    基本的には

    • 副腎皮質ホルモン(プレドニゾロンなど)
    • 抗ウイルス薬(アシクロビルなど)

    の内服を行います。

    ビタミンB12薬を併用することもあります。

    上のような治療を行わなくても、多くの方は自然に治りますが、副腎皮質ホルモンなどを使うことによってさらに治りが良くなります。

    その他、ボツリヌス毒素療法、神経節ブロックや高圧酸素療法など特殊な治療法が行われることもありますが、一般的ではありません。

    ベル麻痺(特発性顔面神経麻痺)の薬は、生涯飲み続けることになるのですか?

    基本的には1-2週間程度の内服で済むことが多いです。

    一生飲み続けるような薬ではありません。

    ベル麻痺(特発性顔面神経麻痺)では入院が必要ですか?通院はどの程度必要ですか?

    基本的には入院せずに外来で経過を見ていくことが多いです。

    他の病気の併発が疑われたり、否定出来ない場合には入院してじっくり調べることがあります。

    ベル麻痺(特発性顔面神経麻痺)は、完治する病気ですか?あるいは、治っても後遺症の残る病気ですか?

    この病気は特別に治療をしなくても71%が後遺症なく回復し、84%がほぼ完全に回復するということで、他の原因の顔面神経麻痺と比較すれば比較的治癒する割合の高い病気です。上記の治療を行うことでさらに経過はよくなります。しかし、残念ながら一部の方で後遺症を残してしまうことがあります。

    高齢の方や味覚障害が出た方、顔の筋肉が完全に麻痺してしまった方は後遺症を残しやすいことが知られています。


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