ぱにっくしょうがい

パニック障害

突然のパニック発作を起こし、生活に支障が起こる状態。不安障害の中の一つ

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10人の医師がチェック 136回の改訂 最終更新: 2017.07.31

パニック障害に関連するうつ病などの病気を紹介

パニック障害は不安障害の一つで、関連する病気は全般性不安障害様々な事柄に対して不安を強く感じてしまう状態。不安障害の一種。社会不安障害比較的少人数の集団内で他の人々から注視されることに対する恐怖があり社交場面を回避するもの。、広場恐怖、うつ病抑うつ気分、意欲低下、希死念慮などが持続する状態。ストレスだけでなく喜ばしいことも原因になる。治療は薬や認知行動療法などを行うが、併せて再発防止も行うことが大切であるなど、たくさんあります。ここでは、パニック障害に関連、合併ある病気や治療によって、他の病気や病態が引き起こされることしやすい精神の病気を紹介します。

パニック障害は不安障害の一種で、他の不安障害の病気と合併しやすいことが知られています。不安障害には、以下のような病気が含まれます。

  • 限局性恐怖症
  • パニック障害
  • 広場恐怖症
  • 社会不安障害(社交不安障害比較的少人数の集団内で他の人々から注視されることに対する恐怖があり社交場面を回避するもの。
  • 全般性不安障害

また、他にパニック障害と関連が深い病気には、心的外傷後ストレス障害とても怖い思いをした記憶が心の傷となり、 そのことが何度も思い出されて、恐怖を感じ続ける病気PTSDとても怖い思いをした記憶が心の傷となり、 そのことが何度も思い出されて、恐怖を感じ続ける病気)、強迫性障害重要ではないことと自分でも分かっているにも関わらず、そのことをしないではいられない状態になってしまう病気、うつ病があります。

パニック発作比較的急激に、症状が一定時間あらわれること。その後の時間経過や適切な治療によって、症状が無くなりやすいものを指すことが多いは、パニック障害以外の疾患でも起こり、特に上記の疾患で起こることが多いのです。パニック発作でも、もとの病気によって治療法が異なりますし、パニック発作が起きるから必ずパニック障害であるということではないため、きちんと精神科医の診断を受けて、治療を始めることが大切です。
 
それでは、それぞれの病気について、もう少し詳しく見ていきましょう。

 

1. 限局性恐怖症

限局性恐怖症とは、ある特定の対象や状況に対して、異常に強い恐怖や不安を抱く病気です。不安発作を起こすこともあります。一般的に高所恐怖症や閉所恐怖症は、この限局性恐怖症の中に含まれます。恐怖を抱く対象、状況として以下のようなものがあります。

  • クモや虫
  • 高所
  • 注射針や血液
  • 閉所、エレベーター

自分が恐怖を感じる対象や状況に対しては、ほぼ毎回恐怖を感じることが特徴的です。また恐怖症の対象は複数にわたることが多いです。一方パニック障害で起こるパニック発作は、予期できないことが特徴的であるため、限局性恐怖症のパニック発作とは少し特徴が異なります。例えばクモを見るといつも強い恐怖におそわれる、飛行機で毎回不安発作を起こすといったような時は、パニック障害というよりも恐怖症である可能性が高いということです。

 

2. 社会不安障害(社交不安障害)

社会不安障害とは、他人から観察、批判されたり、恥をかくのを極端に怖がり、他人から見られるような場面で強い不安や恐怖を抱く病気です。恐れている状況に身を置くと、必ず不安が生じ、動悸心臓や太い動脈の脈拍を自覚すること。精神的な緊張や運動だけでなく、ホルモンバランスの異常や貧血など、様々な病気の症状として起こる、顔のほてり、息苦しさ、そわそわした感じなどが引き起こされます。さらに、そういった変化や不安、恐怖を他人に知られることを怖がる人もいます。例えば多くの人の前で話すような機会では毎回強い不安に襲われ、不安発作を起こしてしまうなときは、パニック障害というよりも社会不安障害である可能性が高いです。

また、社会不安障害は、パニック障害を含む不安障害、うつ病と合併することが多く、さらに自閉症スペクトラム障害社会性やコミュニケーションに関連する脳の働きに、発達段階で障害がでること統合失調症幻覚・妄想・まとまりのない言葉や行動などを特徴とする病気。若い人に多く、全人口の1%近くが経験する。薬で治療して社会復帰できる場合も多いの人に、社会不安障害が多く見られることがわかっています。

社会不安障害の治療としては、抗不安薬向精神薬の一種で、睡眠薬としても使われる。バルビツール酸系、ベンゾジゼピン系、非ベンゾジゼピン系などがあるや抗うつ薬などの薬治療、認知行動療法心理療法の一種で、自分の認識や考え方、行動を変えながら精神面での調子を整えていくための治療や森田療法、注意訓練、対人関係療法といった心理療法などが行われます。

 

3. 広場恐怖症

広場恐怖症は、パニック発作が生じたと仮定したときに逃げたり、休んだりできない状況に対して恐怖感を抱くことから、そのような状況を避けてしまう病気です。具体的には以下のような状況で強い恐怖、不安を感じます。

  • 公共交通機関(バス、電車、飛行機など)
  • 広い場所(駐車場など)や囲まれた場所(お店やレストラン、映画館など)
  • 列に並んだり、人の群れの中にいること
  • 一人で自宅の外に出かけること

また、配偶者や友達が一緒にそばにいたり、別なことに集中していたり、子どもや犬などと一緒に移動していると不安が和らぐ人が多いです。
 
広場恐怖症は多くの場合、パニック障害と合併します。パニック障害において「広場恐怖」という症状は特徴的なのですが、パニック発作を起こさずに「広場恐怖」の症状が表れる人もいるため、「広場恐怖症」として独立した病気として考えられることもあります。
 
広場恐怖症の治療は、パニック障害と同様の薬治療が行われたり、恐怖を感じる場所に行き少しずつその場所、状況に慣れていく方法が行われます。

 

4. 全般性不安障害

全般性不安障害は、健康、家計、家庭、学校、職場のことなど、生活全般のことに対して、過剰に不安を抱く病気です。生活のことに関する過剰な不安やパニック発作の症状に加えて、落ち着きの無さ、緊張感、披露しやすさ、集中困難、怒りっぽさ、筋肉の緊張、睡眠障害睡眠に何らかの問題がある状態。寝付くことができない、途中で目が覚める、熟眠感がない、など様々なパターンがあるなどの症状が表れることが特徴的です。その多くが、パニック障害や社会不安障害など、他の病気と合併します。

全般性不安障害の治療は、心理療法と薬治療(抗不安薬、抗うつ薬など)を組み合わして行われます。その時々のストレスに応じて、一時的に症状が悪くなったり、良くなったりとなかなか治らないこともあります。
 

5. 心的外傷後ストレス障害(PTSD)

心的外傷後ストレス障害(PTSD)は、死にかけた、重症を負った、性的暴力を受けた、傷害事件や災害に巻き込まれたなどの体験のあと、その時の記憶が何度もよみがえったり、その度に苦痛や怒り、恐ろしさを感じたりする病気です。PTSDは、原因となった体験の直後に発症症状や病気が発生する、または発生し始めることすることが多いです。

PTSDはパニック障害と見分ける必要があります。見分ける上で役に立つPTSDの特徴は以下の通りです。

  • 原因となる体験があること
  • パニック障害では動悸やめまいなどの体の症状が主だが、PTSDでは記憶のよみがえりや感情的な症状が主なものであること

実際には見分けるのが難しいこともあり、精神科への受診をお勧めします。

PTSDの治療は、薬治療として抗うつ薬や抗不安薬が使われ、心理療法として認知行動療法が行われます。また原因となった体験と関連するような場所、状況を避けることも、治療においてとても大切です。

 

6. 強迫性障害

強迫性障害とは、何かを恐れたり、落ち着かない気持ちを和らげるために儀式のような行為を繰り返し、その行為を自分で望ましくないと思いつつもやめることができないという病気です。

強迫的な考えとして多いのは、

  • 不潔を嫌がること
  • 人や物事を異常に疑うこと
  • 体や健康への心配、関心
  • 対称性へのこだわり
  • 攻撃的な考え
  • 性的衝動

などです。

具体的には以下の行為などが見られます。

  • 確認行為
  • 手や体を洗うこと
  • 計算
  • 対称に整頓すること
  • 物の収集と貯めこみ

強迫性障害では、こういった行為を繰り返し、時間を浪費することによって、苦痛と生活への支障が生じていることが特徴的です。その点で、単にこだわりが強い人とは異なります。

多くの人は10代後半から20代前半で発症します。急に発症することもあれば、少しずつ症状が表れて悪化してくることもあります。強迫性障害は、パニック障害を含む不安障害、うつ病、強迫性パーソナリティ障害秩序ややり方を完璧にこなそうとして、柔軟性、効率性、開放性を失うことで社会生活が障害されると合併することが多いです。

強迫性障害の治療は、薬治療として抗うつ薬が、心理療法としては認知行動療法が行われます。

 

7. うつ病

うつ病は、抑うつ元気がなく落ち込んでいる状態や気分のこと。医学的には「抑うつ」と呼ぶ。うつ病の症状の1つだが、必ずしもうつ病で起こるとは限らない気分や意欲低下の症状が2週間以上続く病気です。うつ病の症状は、以下の通りです。

  • 抑うつ気分:気分が落ち込む、憂うつだ、悲しい
  • 意欲低下:今まで好きだったことや趣味に対して興味が持てない、何をしていても面白く無い
  • 思考力低下:集中力が落ちた

これらの症状に加えて、不眠、食欲の低下、体のだるさ、頭痛や体のあちこちの痛みなどの症状も特徴的です。生真面目な人や責任感が強い人は、うつ病になりやすいとも言われています。 

うつ病とパニック障害は合併しやすく、またうつ病でもパニック発作が起きることはあるので、しっかりと見分けることが大切です。 

うつ病の治療は、抗うつ薬が使われたり、心理療法として認知行動療法が行われます。治療してもなかなか治らない場合、電気けいれん療法が行われることもあります。