こんな病気のある人が糖尿病になったら要注意
ある種の病気を持っている人が糖尿病にかかってしまうと、その危険性は何倍にもなります。糖尿病と一緒にかかると危険性の高い病気を説明します。こんな病気がある人は特に気を付けて糖尿病を予防してください。
1. 白内障/緑内障
糖尿病になると白内障や緑内障になりやすくなります。もともと白内障や緑内障になっている人が糖尿病になると病気が進行してしまうことがあります。必ず糖尿病の治療と並行して眼科の治療も続け、糖尿病と診断されたことを伝えてください。
2. 腎臓病
糖尿病性腎症という言葉があるように、糖尿病になると
また、腎機能が悪くなると使いにくい薬が出てきますし、食事もタンパク質を摂り過ぎないように気をつける必要が出てきます。現在の自分の腎機能がどの程度なのかを把握して、薬や食事をどうするのが良いのかをお医者さんと相談していきましょう。
3. 脂質異常症(高脂血症)
脂質異常症とは
脂質異常症は
- LDLコレステロール(悪玉コレステロール):120mg/dL未満
- HDLコレステロール(善玉コレステロール):40mg/dL以上
- TG(中性脂肪):150mg/dL未満
- 総コレステロール-HDLコレステロール:150mg/dL未満
これが目標値とされています。目標値を少し超えているだけなら運動や食事で治療できますが、不十分と判断されると薬が増えてしまいます。
4. 高血圧症
高血圧症も動脈硬化を起こします。そのため、高血圧はしっかりと治療する必要が出てきます。
「糖尿病
高血圧の治療中に糖尿病になると、運動、減塩、減量や薬の治療をさらに厳しく指示されることになります。
5. 心筋梗塞
心筋梗塞は突然胸やみぞおちに強い痛みを起こします。肩の痛みやコリにも注意が必要です。
心筋梗塞は、動脈硬化が深く関わっているので、糖尿病になると危険が増します。一度心筋梗塞になった人は再発する恐れが大きいので、薬やリハビリで再発を防ぐ必要があります。
また、糖尿病によって痛みを感じにくくなり、心筋梗塞が再発したのに気付かないことがあります。心筋梗塞がいつ再発するかを正確に予測することはできないので、治療しながら定期的に心臓の状態を調べて予防することが大切です。
6. 脳梗塞
脳梗塞は再発する可能性が高いので、血糖値、コレステロール値、血圧値をしっかりと管理して、再び脳梗塞にならないようにする必要があります。糖尿病があるときは特に再発に注意が必要です。
脳梗塞は非常に危険な病気です。突然喋れなくなったり、身体の右か左の半分が動かなくなったりとさまざまな症状が現れます。症状は後遺症として残ってしまうことも多く、リハビリテーションで少しずつ回復させながら糖尿病を治療するのはとても大変です。
元気なうちから糖尿病を予防することが脳梗塞の予防にもなります。
7. 閉塞性動脈硬化症(ASO)
閉塞性動脈硬化症(へいそくせいど
症状は、歩くと足先にしびれが出ることから始まり、進行すると常にしびれが出る状態になります。最終的には痛みを伴い足が
糖尿病により感染が起こりやすくなるとさらに危険です。足を清潔を保つ必要がありますので、以下のことに気をつけてください。
- 靴下を履いたり脱いだりする際には足に傷や
膿 (うみ)がないかを確認する - 毎日足を洗って清潔にする
参考文献
・日本糖尿病学会/編, 糖尿病診療ガイドライン2019, 南江堂,2019