きゅうせいちゅうじえん
急性中耳炎
耳の奥の中耳という場所に細菌が感染し炎症を起こす病気。特に子どもに起こることが多い
24人の医師がチェック 244回の改訂 最終更新: 2020.03.10

耳が痛いのは中耳炎なの?中耳炎とは?

耳が痛い時に急性中耳炎になったかもと思った経験はあるかもしれません。ここでは急性中耳炎はどんな病気なのか、原因・症状・治療などを説明します。

1. 急性中耳炎とは?

小さい子供は、風邪を引いて鼻水がでると、繰り返し急性中耳炎になる印象を持っている人が多いと思います。急性中耳炎では身体があたたまると痛みが悪化するため、布団に入って身体が温まり、耳の痛みを感じた子供が夜中に泣きながら起きて来ることもあります。そのような時は、どう対処していいのか悩むと思います。このような時に、耳の中で何が起きているのかについて、ここでは説明します。

急性中耳炎とは鼓膜の奥の中耳と呼ばれる空間に、ウイルス細菌が感染して炎症を起こした状態です。『小児急性中耳炎診療ガイドライン2018年版』では「急性に発症した中耳の感染症で、耳痛(じつう)、発熱、耳漏(じろう)を伴うことがある」と定義されています。

この中で耳漏という言葉には馴染みがないと思いますのでもう少し詳しく説明します。
耳漏とはわかりやすく言うと、耳だれのことです。急性中耳炎では炎症によって鼓膜の奥にたまったが多くなると、鼓膜が少し破れて膿が外側に出てくることがあります。その出てきた膿を耳漏と呼びます。急性中耳炎で耳漏が見られた場合は、鼓膜に穴があいていることがほとんどですが、多くの人ではこの穴は自然に閉鎖します。

耳が痛い時は何科に行けば良いの?

耳が痛い時や、子供が耳の痛みを訴えた場合は何科に行けばいいか悩むかもしれません。

子供や赤ちゃんの場合は小児科か、耳鼻咽喉科を受診して下さい。ただし、耳垢(耳あか)があると鼓膜がみえないので、小児科では診断が難しいことがあります。耳垢は耳鼻咽喉科にある道具でとるため、小児科で診断がつかない場合には耳鼻咽喉科が紹介されます。大人の場合は、耳鼻咽喉科を受診して下さい。

夜間に耳が痛くなった場合は、診療を行っている医療機関が少なくて困ることが多いです。そのような時には、大人では鎮痛薬で痛みがおさまってくるようであれば、翌日の受診でも構いません。痛みが強い人は夜間に診療している耳鼻咽喉科や救急科を受診して下さい。赤ちゃんや子供では、元気があれば、子供に使うことができる手持ちの鎮痛薬を使用して、夜は様子をみても問題ありません。一方、元気がなく、ぐったりしているようであれば、夜間に診療を行っている小児科や耳鼻咽喉科、救急科を受診してください。

急性中耳炎では耳のどこが原因なの?

耳の構造のイラスト。中耳は外耳と鼓膜で隔てられ、耳管で咽頭とつながっている。

耳は次のように大きく3つに分けることができます。

  • 外耳(がいじ):耳の穴から鼓膜までの空間
  • 中耳(ちゅうじ):鼓膜の奥の空間
  • 内耳(ないじ):中耳の奥の聞こえの細胞などがいる空間

耳を外からみると、耳の穴の一番奥に鼓膜があります。その奥の空間を中耳といいます。この中耳という空間は、鼻の奥と細い管(耳管:じかん)でつながっています。かぜをひくと鼻水の中のウイルスや細菌が、耳管を通って鼻から中耳内に入りこんで感染し、急性中耳炎を起こします。

子供が大人より急性中耳炎になりやすい理由は、子供の耳管が、大人とくらべて太く、短く、傾きの角度も平らなため、鼻水の菌が中耳内に入りやすいためです。子供が中耳炎を繰り返しやすいのも、耳管の構造が原因です。

2. 急性中耳炎の原因は?

急性中耳炎は中耳にウイルスもしくは細菌が入って感染が起きる病気です。中耳に感染を起こす経路は次の3つが考えられています。

  • 耳管を通って感染
  • 血液に乗った細菌が感染
  • 鼓膜の外から感染(鼓膜に穴があいている場合)

このうち、ほとんどの急性中耳炎は耳管を通って感染します。鼻水の中にいるウイルスや細菌が、鼻の奥の耳管の入り口から、中耳内に入って炎症を起こします。そのため、ほとんどの人が、鼻水が増える風邪に引き続いて急性中耳炎になります。中にはまれですが、目立った鼻水がなくても急性中耳炎を起こすこともあります。

急性中耳炎は繰り返す?

子供は大人に比べて耳管(耳の中の通り道)が太くて短く、角度が緩やかなため、鼻汁からのウイルスや細菌が中耳内に入りやすく、急性中耳炎になりやすい耳の構造をしています。このため急性中耳炎を繰り返してしまうことがあります。成長するにしたがって耳管の構造が変化して急性中耳炎を起こしににくなります。

3. 急性中耳炎の症状は?

急性中耳炎の主な症状は、耳の痛み、発熱、耳漏(じろう)などです。

馴染みのない耳漏という言葉について説明します。耳漏は耳だれのことで、中耳内に溜まった膿が穴が開いた鼓膜から出てくることです。また、急性中耳炎が悪化して内耳に炎症が及んだ場合は、めまいや耳鳴りがでることもあります。

赤ちゃんや子供の場合の急性中耳炎には注意が必要です。なぜならば、赤ちゃんや子供は症状を十分に伝えることが難しいので、周りの人がしぐさや様子の変化から身体に異変が起きていことを感じなければなりません。急性中耳炎であれば不機嫌や泣き止まない、食欲がない、元気がないといったものから、耳の周囲を手で触ったり、粘っこい鼻水が出ることがあります。

4. 急性中耳炎の治療

軽症の場合はウイルス感染のことが多く、自然治癒に期待ができるため、抗生物質抗菌薬)を使用せずに経過観察とします。
経過観察中に改善がない場合や重症な場合は、鼓膜に小さな穴をあける鼓膜切開や抗菌薬治療を検討します。抗菌薬治療では、ペニシリン系抗菌薬のアモキシシリン(商品名:サワシリン®、ワイドシリン®など)や、アモキシシリン水和物・クラブラン酸カリウム(商品名:クラバモックス®など)などが用いられます。

急性中耳炎の治療について詳しい情報は「急性中耳炎の治し方」や「急性中耳炎の薬」も参考にしてください。

5. 急性中耳炎以外の中耳炎

中耳炎と聞くと、みなさんはいわゆる急性中耳炎を考えると思います。しかし、中耳炎には実は様々な種類があります。治療方法が異なりますので、医療機関で中耳炎と言われた時は、どの中耳炎か確認しておくとよいです。

  • 慢性中耳炎
  • 航空性中耳炎
  • 滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)
  • 真珠腫性中耳炎(しんじゅしゅせいちゅうじえん)
  • 好酸球性中耳炎(こうさんきゅうせいちゅうじえん)

以下では太字で記した慢性中耳炎、航空性中耳炎、滲出性中耳炎について簡単に説明します。

慢性中耳炎

急性中耳炎が治りきらずに鼓膜に穴があいたままになり、耳漏(耳だれ)を繰り返すものが慢性中耳炎です。後述する滲出性中耳炎の治療で、鼓膜に小さなチューブを長期間入れていた場合などにも、鼓膜に穴が残り、慢性中耳炎になることがあります。

鼓膜に穴があるため、中耳にウイルスや細菌が入りやすくなり、耳漏(耳だれ)を繰り返します。鼓膜に穴があいているため、難聴になります。炎症を繰り返すと、耳小骨(じしょうこつ)という音を伝える骨の動きが悪くなり、難聴が悪化することがあります。

根本的な治療としては鼓膜の穴をふさぐ手術を行います。手術の目的は、難聴を改善したり、耳漏(耳だれ)を止めるためです。手術方法は穴の大きさや難聴の程度で決まります。

航空性中耳炎

飛行機の着陸時に耳が痛くなり、その後、数日に渡って、耳の詰まった感じが持続する経験をしたことがある方がいるかもしれません。この症状が悪化して起こるのが航空性中耳炎です。

航空性中耳炎は、中耳の気圧調節をしている耳管の機能が悪くなり、中耳内の圧の調整がうまくいかなくなることで起こります。

まず、離陸時と着陸時の中耳の圧の変化について説明します。

■離陸時の中耳の変化
飛行機が離陸して上空にいくと機内の気圧が少しだけ下がります。中耳内の圧は機内より少しだけ圧が高い状態になり、鼓膜が外耳道側に向かって押し出されます。しばらくする耳管を通して空気が漏れて、中耳内の圧も下がり、機内の気圧と同じになります。

■着陸時の中耳の変化
飛行機が着陸のために下降すると、機内は地上と同じ気圧になるため、上空にいるより気圧が少しだけ上がります。上空にいる間、中耳内の圧は少し低いので、鼓膜が中耳側に引っ張られます。この鼓膜が中耳側に引っ張られることによって耳の痛みや難聴が起こります。耳管は中耳の圧が高い場合は開きやすいのですが、中耳圧が低い場合は鼻から空気が入っていきにくい構造になっており、着陸のほうが症状が強くでます。

■耳の詰まった感じは治るのか?

耳管機能が正常の場合は、つばを飲んだり、あくびをしたりすることで、空気が耳管を通して中耳内に入り、圧が大気と同じになることで、症状が治ります。しかし、耳管が細かったり、詰まっていると、更に空気の換気が難しく、地上に戻っても、中耳内が内出血をしたり、浸出液が溜まったりします。圧が大きく変わった場合は、中耳の奥の内耳に亀裂が入って、外リンパ瘻という状態になり、耳鳴りやめまいを起こすこともあります。

■航空性中耳炎に注意が必要な人や状況

航空性中耳炎になりやすい状況のひとつが、風邪を引いて鼻水が多い場合です。その他に、アレルギー性鼻炎慢性副鼻腔炎、鼻中隔湾曲症がある場合です。よく飛行機にのる職業などは、気圧の変化をたくさん経験するため、航空性中耳炎になりやすいです。飛行機に乗った後にいつも耳が痛くなるようであれば、飛行機に乗る前に耳鼻咽喉科に相談してみてもいいでしょう。

■航空性中耳炎の予防法

航空性中耳炎の予防方法は、つばを飲み込む動作を行い、耳管を開くことです。機内で、寝ているとつばを飲み込む回数が少なく、着陸時に耳管がふさがりやすくなります。飛行機が降下をはじめたら、寝ないように注意して、つばを飲み込む回数を増やすために、アメをなめたり、飲み物を飲んだりしましょう。

滲出性中耳炎

急性中耳炎の痛みや熱が治った後に、「まだ治りきっていないので、もう少し通院してください」と言われたり、急性中耳炎が治ったはずなのに聞こえが悪いと感じたことはありませんか?それはもしかしたら、滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)になっているのかもしれません。

滲出性中耳炎は、発熱や痛みなどの急性炎症の症状がなく、鼓膜の奥の中耳内に貯留液がある状態です。滲出性中耳炎はとても多くの人に起こる病気です。「小児滲出性中耳炎診療ガイドライン」によると1歳までに半分以上が滲出性中耳炎にかかり、就学前までに90%が一度はかかるとされています。

原因や症状、治療方法などについてみていきましょう。

滲出性中耳炎が起きるメカニズム

中耳内が陰圧になることによって滲出性中耳炎は起こります。陰圧とは周りよりも気圧が低いことです。
鼓膜の奥の中耳と鼻の奥は細い管(耳管)でつながっています。中耳の周りはほかの組織や器官に隙間なく囲まれていて空気が入ってこないようになっていますが、耳管からは中耳の中の空気が交換されて圧が調整されています。

何らかの原因で耳管機能が悪くなると中耳には空気が入らなくなります。中耳の空気は常に中耳の粘膜から吸収されているため、空気が入らないと中耳内は陰圧になります。陰圧の状態が続くと中耳の粘膜から液体が滲み出て溜まりをつくります。この「滲み出る」ことが滲出性中耳炎の名前の由来です。

滲出性中耳炎を起こす原因

滲出性中耳炎は耳管機能が悪くなることで起こるのですが、その耳管機能が悪くなる原因としては以下のものがあります。

  • 耳管や中耳の粘膜が腫れる場合
  • 耳管が塞がれる場合
    • 大きなアデノイド
    • 鼻の奥にできた腫瘍良性もしくは悪性)

子供の場合は滲出性中耳炎のほとんどが急性中耳炎に引き続いて起こり、その他では鼻のいちばん奥にある扁桃の一つである、アデノイド(咽頭扁桃:いんとうへんとう)が大きい場合やアレルギー性鼻炎慢性副鼻腔炎などが原因で起こることもあります。

■急性中耳炎から滲出性中耳炎に移行してしまう流れ

滲出性中耳炎の原因として多い急性中耳炎から移行する流れを下で解説します。

  1. 急性中耳炎によって中耳の粘膜が腫れる
  2. 粘膜が腫れることにより耳管が細くなって空気が中耳に流れ込みにくくなる
  3. 中耳が陰圧になる
  4. 陰圧になった影響で液体が滲み出てくる

初回の急性中耳炎でも滲出性中耳炎になることもありますが、急性中耳炎を繰り返すと滲出性中耳炎が引き続いて起こしやすくなります。

滲出性中耳炎の症状

滲出性中耳炎の症状は、難聴や耳の違和感などです。
難聴は軽度のことも多く、子供では本人に自覚がないことが、ほとんどです。大人でも徐々に液体が溜まって、ゆっくりと難聴が進行した場合は自覚症状が少ないことがあります。

滲出性中耳炎難聴になる理由ですが、外で話すと声が聞こえますが、プールなど水の中に入ると声が聞こえなくなりますね。それと同じで、中耳には空気が入っているとよく音が聞こえるのですが、液体がたまると音が聞こえにくくなります。この聞こえにくい症状を、耳に水が入った感じと表現することもあります。中耳に液体が入っているので、頭を動かしたり、寝返りをした時に、液体が動いて、水の入ったような音や、水が動く音が聞こえる場合もあります。

■子供と大人の滲出性中耳炎は違うのか

子供と大人の滲出性中耳炎では、原因や自然治癒率や、治療方法が異なるのでそれぞれを分けて解説します。

◎子供の場合
小児の場合は急性中耳炎に引き続いて起こることがほとんどです。ほかに鼻の奥のアデノイドが大きいことや、アレルギー性鼻炎慢性副鼻腔炎などが原因で起こることがあります。

子供も滲出性中耳炎では、半分以上が3ヶ月以内、90%以上が1年以内に自然治癒します。急性炎症により、一時的に悪化した耳管機能が徐々に改善していくからです。

子供は高い自然治癒率のため、経過観察とし、大人の場合は薬で治療を行います。改善が無く、難聴で日常生活に支障がでている場合は鼓膜切開や、鼓膜換気チューブを入れる手術を行います。

◎大人の場合

大人の場合は、年齢変化で耳管機能が低下することがあります。その他に、まれではありますが、鼻の一番奥の上咽頭にかたまりができることが原因になります。また、大人の場合は、耳管機能が加齢により低下することが知られており、自然治癒は難しいです。

滲出性中耳炎の治療

滲出性中耳炎の治療は大人と子供で異なります。

日本耳科学会と日本小児耳鼻咽喉科学会による『小児滲出性中耳炎診療ガイドライン 2015年版』にそって治療を説明します。

子供の場合は自然治癒が多いため、3ヶ月以上にわたって滲出性中耳炎がある場合に治療が行われます。3ヶ月以上たった時点で、難聴の進行がある場合や、鼓膜の病的変化が強い場合は、鼓膜換気チューブ留置やアデノイド切除術などが検討されます。

大人の場合は、薬物治療を行い、難聴などで日常生活が困難な場合は、鼓膜切開を行ったり、繰り返す場合は鼓膜換気チューブ留置を考慮します。

◎鼓膜切開

鼓膜に小さな穴をあけて、中耳内の液体を出す方法です。局所麻酔で行い、外来でもできます。

鼓膜を麻酔し小さなメスを用いて穴をあけ、中耳内の液体を吸引します。鼓膜の穴は、ほとんどの場合で自然に閉鎖します。そのため、液体がぬけても、鼓膜の穴が閉じると再度、液体が溜まってしまうことがあります。

鼓膜切開をすると、中耳内の液体がでる原理について少し説明します。
鼓膜切開をすると、鼓膜から外耳道側に液体がでるだけではなく、耳管方向にも液体が流れやすくなります。滲出性中耳炎の状態では、耳管が閉じていて、中耳の中は外耳道よりも気圧が低い環境にあります。鼓膜に穴をあけると、外耳道側の空気が中耳に入ってくるため、耳管方向にも液体が流れやすくなります。プリンなどを容器に出したい時に、底にあるツメを折ると、中の真空環境が解除されて、出てくるのと同じ原理です。

◎鼓膜換気チューブ留置

鼓膜にシリコーン、テフロン、チタンなどでできた2-4mm大のチューブを留置して、作った穴が閉じないようにする方法です。鼓膜切開では自然に穴が閉じてしまうので、それを防ぐ目的で行います。

大人なら鼓膜換気チューブ留置は局所麻酔で外来で行うことが可能です。子供の場合でも、処置中に動かないでいられる場合は局所麻酔で外来で行うことが可能です。小さな子供の場合は安全性を考え、全身麻酔で行います。

チューブは最長2年間留置します。鼓膜の状態などをみて、抜去時期を決めます。抜去は子供も含めて、外来で行えることがほとんどです。

チューブ留置中は感染を起こすと耳漏(耳だれ)がでたり、稀に出血することがあるので注意が必要です。抜去後の鼓膜の穴が閉じずに、慢性中耳炎になることがあります。

チューブ留置中のプールの利用に関しては、プールに入った場合も完全に禁止にした場合も耳漏がでるリスクはかわりがないと報告されています。治療の経過や全身状態を鑑みてプールを利用できるかどうかを判断することになります。担当のお医者さんにしっかりと相談した上で判断して下さい。

◎アデノイド切除術

鼻の一番奥にある扁桃であるアデノイドが大きい場合、耳管の鼻側の穴(耳管咽頭口:じかんいんとうこう)を塞いでしまって滲出性中耳炎の原因となることがあります。全身麻酔で手術を行い原因となるアデノイドを切除します。鼓膜換気チューブ留置とともに行われることが多いです。

◎耳管通気法

滲出性中耳炎の症状は、耳管が閉塞して中耳に空気が入らなくなることが原因です。そこで、鼻の奥の耳管の入り口から、中耳に向かって空気をいれることが耳管通気法です。

耳鼻咽喉科の診療所では広く行われている治療ですが、鼻から空気をおくっても陰圧が解除されるのは数分から数時間にすぎないため、耳管通気法のために通院して症状がない状態を目指すのは現実的ではありません。

滲出性中耳炎が悪化すると鼓膜が中耳の壁に癒着してしまい、はがれなくなり、癒着性中耳炎になります。診療所で鼓膜を確認し、耳管通気にて鼓膜が中耳粘膜からはがれるかどうかを確認することは、癒着性中耳炎になっていないかを評価し、治療方針を決定するためには有用です。

◎自己通気法

診療所で行う耳管通気法に似た治療を自分で行うことができます。鼻で風船をふくらまして、圧で中耳に空気を送り込む自己通気法です。自己通気法なら風船を持ち歩くだけでどこでもできます。1日3回行うことである程度の効果が期待できます。