加齢黄斑変性の治療について:禁煙、VEGF阻害薬、光線力学的療法
目次
1. 加齢黄斑変性の治療について
加齢黄斑変性は
萎縮型は数ヶ月から数年かけてものの見えにくさが進む加齢黄斑変性です。残念ながら、薬による治療はありません。ただし、喫煙や高血圧症などの生活習慣病は症状を悪化させることがわかっています。そのため、これらに当てはまる人では、進行を少しでも遅らせる目的で、禁煙や生活習慣病の治療を行います。
これに対し新血管型(滲出型)は、数日から数週間と早いスピードでものの見えにくさが進行します。禁煙や血圧管理などの悪化予防策に加えて、VEGF阻害薬の注射や光線力学的療法を行います。
萎縮型・新血管型(滲出型)ともに手術による治療は一般的には行いません。
2. 萎縮型、新血管型(滲出型)ともに進行を遅らせるために:禁煙や生活習慣病の治療

加齢黄斑変性は萎縮型、新血管型(滲出型)ともに、喫煙習慣や、高血圧や糖尿病などの生活習慣病があると進行が早くなります。そのため、たばこを吸っている人は禁煙するようにし、生活習慣病がある場合には生活習慣病の治療を行います。
たばこを長年吸ってきた人は、今さら禁煙をしても意味がないように感じることがあるかもしれません。しかし、たばこを吸い続けるほど、加齢黄斑変性のリスクはさらに高まっていきます。禁煙するのに遅すぎるタイミングはありません。
最近では、病院に禁煙外来が設置されているところもあるので、禁煙に取り組む際には是非活用してみてください。禁煙外来についてはこちらのコラムでも説明しています。
3. 新血管型(滲出型)の治療法:VEGF阻害薬(ルセンティス®︎、アイリーア®︎、ベオビュ®︎)
新血管型(滲出型)の加齢黄斑変性は、異常な血管が生えてくることにより黄斑が破壊される病気です。この異常な血管新生にはVEGFという物質が関わっています。VEGF阻害薬はVEGFの作用を抑える薬で、眼に注射して使用されます。注射は1回で終わることはなく、病状に応じて複数回打ちます。
VEGF阻害薬は複数の製薬会社から販売されており、以下の3種類があります。
VEGF阻害薬の注射は、眼科の病院で以下の流れで行います。
1. 注射をする3日前から感染予防のための
2. 眼の消毒と麻酔のための目薬をする
3. 眼科のお医者さんがVEGF阻害薬を眼に注射をする
4. 注射をした3日後まで感染予防のための抗菌薬の目薬を続ける
VEGF阻害薬の注射は麻酔をしながら行います。注射をする時に少し違和感を感じることがありますが、痛みというほど強くないことが多いです。
VEGF阻害薬の注射の頻度は「導入期」と「維時期」で異なります。
導入期は注射をはじめて最初の3ヶ月を指し、この期間は月に1回、注射をします。
その後は維時期と呼び、薬の効果を維持するための期間になります。注射の頻度は導入期よりも減らし、病気の状況を見つつ注射を続けていきます。
VEGF阻害薬の注意点について
VEGF阻害薬の注意点の一つとして感染があります。感染は、VEGF阻害薬を注射する時に眼に
またVEGF阻害薬は新血管型(滲出型)の加齢黄斑変性に効果がある治療法ですが、費用がかかる薬という難点もあります。健康保険で3割負担の場合には1回の注射のお薬代だけで約5-6万円ほどの費用がかります(1割負担の場合は1-2万円程度)。
VEGF阻害薬の治療を受けている場合には、高額療養費制度という医療費助成を受けられる可能性があります(高額療養費精度について詳しくはこちら)。治療の費用について気になる人は病院の窓口で相談してみてください。
4. 新血管型(滲出型)の治療法:抗VEGF/抗アンジオポエチン-2抗体(バビースモ®)
新血管型(滲出型)加齢黄斑変性の原因である異常な血管の発生を抑えるために、VEGFおよびアンジオポエチン-2という2つの物質を同時に抑えるのがファリシマブ(商品名バビースモ®)です。先に説明したVEGF阻害薬と同様に眼に注射することで治療を行います。
導入期は注射をはじめて最初の3ヶ月間で、この期間は4週ごとに1回の注射を行います。その後の維持期では16週間に1回(約4ヶ月に1回)の間隔で注射を行います。
5. 新血管型(滲出型)の治療法:光線力学的療法
光線力学的療法は、ビスダイン®︎という薬を注射した後に、レーザー光を照射する治療法です。ビスダイン®︎とはレーザー光が当たると血管を壊す作用があらわれる薬です。レーザー光をピンポイントに照射することにより、異常な血管に絞って壊すことができ、副作用を最小限に止めることができます。
6. 加齢黄斑変性の治療指針(ガイドライン)について
近年、どこの病院でも一定水準以上の医療を受けられるようにするため、さまざまな病気に対して治療指針が作成される時代となっています。この治療指針は