ぱーきんそんびょう
パーキンソン病
脳からの命令を伝える物質のドパミンが不足し、体が自由に動かなくなる病気。排便・排尿障害やうつ、認知症を起こすこともある。
15人の医師がチェック 236回の改訂 最終更新: 2023.06.30

パーキンソン病とはどんな病気?症状・検査・治療など

パーキンソン病は、手足が震えたり動きにくくなったりする病気で、脳の中のドパミンという物質が不足することを原因とします。パーキンソン病にはどんな検査や治療をするのでしょうか。パーキンソン病のあらましを解説します。

1. パーキンソン病とはどんな病気?手足が震える?

パーキンソン病は、ドパミン(ドーパミン)という脳内の情報を伝達する物質が不足することが原因で、身体が自由に動きにくくなったり手足が震えたりする症状が現れます。

1871年にイギリスのジェームズ・パーキンソン医師がこの病気を提唱したのでパーキンソン病という名前がつけられました。

パーキンソン病になるのは何歳くらいが多い?

パーキンソン病は主に50歳以上で起こる病気で、高齢になると発症する確率が上昇します。一方、40歳代までに発病することは少なく若年性パーキンソン病と呼ばれます。高齢化が進む日本ではパーキンソン病の人が増加しています。

パーキンソン病の人はどれくらいいるの?

パーキンソン病の患者さんは1000人あたり1人から1.5人と言われています。年齢を重ねると発病する人が増え、60歳以上では100人に約1人がパーキンソン病をかかえており、過去の集計では全国に約10万人の患者さんがいると報告されています。

参考文献
・難病情報センターホームページ:パーキンソン病

2. パーキンソン病の症状

パーキンソン病の症状は多様です。主には運動に関わるものが多いですが、物忘れや便秘などの症状もあります。様々な形でパーキンソン病の症状が現れることを知っておくことは病気の進行に早く気づく役に立つかもしれません。ここではパーキンソン病の症状について網羅的に解説します。

パーキンソン病の1つひとつの症状に関しては「パーキンソン病の症状」で詳しく解説しているので参考にしてください。

参考文献
・福井次矢, 黒川 清/日本語監修, ハリソン内科学 第5版, MEDSi, 2017
・田崎義昭ほか/著, ベッドサイドの神経の診かた, 南山堂, 2016

身体の動きに関する症状

パーキンソン病の症状は、脳の中のドパミンという物質が減少することにより現れます。ドパミンは、体の動きに関して重要な役割を果すので、不足すると体の動きに変調をきたします。主な症状は以下になります。

  • 安静時振戦:安静時に手足が震える
  • 無動・寡動:動作の開始ができないまたはゆっくり
  • 筋固縮(筋強剛):腕や足がスムーズに動かなくなる
  • 姿勢反射障害:姿勢を保てない

安静時振戦、無動・寡動、筋固縮(筋強剛)、姿勢反射障害の4つがパーキンソン病でよく現れ、4大症状とも呼ばれます。これらの症状はパーキンソン病治療薬を使うことにより改善が期待できます。

物忘れや気分などに関する症状

パーキンソン病の人は物忘れや気分などに関する症状が現れやすいことも知られています。主な症状は以下です。

物忘れや気分など精神に関する症状は、身体の動きに関する症状とならんで生活の質を下げる原因になります。精神に関する症状は、パーキンソン病治療薬が効きすぎていることでも起こるので原因を見極めることが大切です。必要であれば精神科などと連携をとりながら治療を行います。

自律神経に関する症状

自律神経は、主に内臓などの活動を調整する役割を果たし、交感神経副交感神経の2つからなります。日中や身体を動かしているときには交感神経が活発になり、夜や休憩しているときには副交感神経が活発になります。交感神経と副交感神経のバランスは健康な生活を送るために重要です。

パーキンソン病の人は自律神経のバランスが乱れることがあります。自律神経の乱れによって様々な症状が現れます。

自律神経に関する症状に対する治療は、主に生活の習慣を変化させたり必要に応じて薬を用いたりして行います。例えば、立ちくらみがする場合にはまずゆっくりと姿勢を変える習慣をつけます。それでも症状が起こる場合には血圧を保つような薬を用いることを検討します。それぞれの症状への対応は「パーキンソン病の症状」で解説しているので合わせて参考にして下さい。

その他の症状

パーキンソン病では様々な症状が現れます。一見すると関係がなさそうな疲労感や関節の痛み、よだれが多く出るなどもパーキンソン病によるものかも知れません。少し変わったと思う点があるならばパーキンソン病の症状かどうか医師に相談してみて下さい。病気が進行していることにいち早く気づけるかもしれないですし、治療で症状がよくなるかもしれません。

以下の症状はパーキンソン病による症状の可能性があります。

  • 疲労感
  • 痛みや感覚障害
  • よだれが出る
  • 表情の変化

これらの症状はパーキンソン病治療薬を増量したり他の薬に変えることやリハビリテーションで改善することがあります。「この症状は病気と関係ない」と一人で抱え込む必要はありませんので一度医師に相談してみてください。

3. パーキンソン病の原因

パーキンソン病は脳の中のドパミン神経細胞が減少することで起こります。ドパミン神経細胞が減少すると脳の中のドパミンも少なくなります。ドパミンは体をスムーズに動かすために重要な役割を果たしているので、ドパミンが減少すると体の動きが硬くなったり動かないといった症状が現れます。

ドパミン神経細胞が減少する原因についてはまだ解明されていません。このためにパーキンソン病を根本的に治す方法は未確立です。

また生活習慣などと発病の関連を気にされる人がいますが、現在の所、パーキンソン病を発病する生活習慣などは明らかではありません。

参考文献
・福井次矢, 黒川 清/日本語監修, ハリソン内科学 第5版, MEDSi, 2017
 

4. パーキンソン病とパーキンソン症候群の違い

パーキンソン病の名前とともにパーキンソン症候群という病気もあり耳にしたことがあるかもしれません。パーキンソン病とパーキンソン症候群はどう違うのでしょうか。

パーキンソン病の症状は、安静時の震え(安静時振戦)や腕や足がスムーズに動かない(筋強剛)、動作の開始ができないまたはゆっくり(無動・寡動)などです。

これらの症状はパーキンソン病に特徴的なのでパーキンソニズムといいますが、実は他の病気などでも現れることがあります。

【パーキンソニズムを起こす主なもの】

上にあげたものはパーキンソニズムをおこす主な原因です。背景に特定できる原因があってパーキンソニズムが起きているものは、ややこしいのですがパーキンソン病ではなくパーキンソン症候群といいます。例えば、レビー小体型認知症という脳の病気でパーキンソニズムが起きている場合には、レビー小体型認知症を原因とするパーキンソン症候群といいます。

逆説的な話なのですが、パーキンソン病を診断するときにはパーキンソニズムをおこすものがないかを調べ、何も見つからないことをパーキンソン病の条件のひとつとします。パーキンソニズムを起こすものの有無については診察や血液検査、画像検査などを用います。

5. パーキンソン病の検査

パーキンソン病が疑われる時に行う診察や検査の目的は2つあります。パーキンソン病で見られる特徴を調べることとパーキンソン病以外の病気の可能性を除外することです。パーキンソン病の診察や検査は以下のものがあります。

  • 診察
    • 問診
    • 身体診察
  • 血液検査
  • 画像検査
    • 頭部MRI検査
    • 心筋シンチグラフィー
    • SPECT検査

パーキンソン病の症状は安静時の身体の震え(安静時振戦)や身体が動かなくなる・動かしくにくくなる(無動・寡動)など特徴があり、パーキンソニズムと呼ばれます。特徴的な症状があるのでパーキンソン病と診断するのは比較的容易と考えられるかもしれませんがそうではりません。パーキンソニズムの原因は様々あり、治療も原因によって異なります。したがってパーキンソン病と診断するには、パーキンソニズムを起こす原因が隠れていないかを確認しなければなりません。パーキンソニズムを起こす原因の有無については上記のような検査を用いて調べます。

それぞれの検査については「パーキンソン病の検査」でも解説しているので参考にして下さい。

6. パーキンソン病の治療

パーキンソン病の治療は薬物治療を中心にして行います。加えてリハビリテーションを行うことで症状の改善が期待できます。また薬の効果が小さくなったり副作用が問題になったり する場合には、手術によって脳を刺激する機械を埋め込んで治療する選択肢もあります。

  • パーキンソン病治療薬
    • レボドパ(L-ドパ)製剤(ネオドパストン®、メネシット®、マドパー®など)
    • ドパミン受容体刺激薬(ドパミンアゴニスト/ドパミン作動薬)(ビ・シフロール®など)
    • COMT阻害薬(カテコール-O-メチル基転移酵素阻害薬)(コムタン®など)
    • MAO-B阻害薬(モノアミン酸化酵素B阻害薬)(エフピー®など)
    • ゾニサミド(レボドパ作用増強薬)(トレリーフ®)
    • ドパミン放出促進薬(シンメトレル®など)
    • アデノシンA2A受容体拮抗薬(ノウリアスト®など)
    • 抗コリン薬(アーテン®など)
    • ノルアドレナリン前駆物質(ドプス®など)
  • リハビリテーション
    • 理学療法
    • 作業療法
    • 言語療法
  • 外科手術:脳深部刺激療法(Deep Brain Stimulation)

パーキンソン病の治療は主にこの3つです。

パーキンソン病の治療は、症状を軽くすることが目的で、完治が望める治療は現在の所ありません。つまり薬や手術によって根本的に治すことはできないのです。薬物療法やリハビリテーション、外科手術はいずれも症状を改善することはできますが、治せるわけではないのです。

これ以降は3つの治療について個別に解説します。

パーキンソン病の治療については「パーキンソン病の治療」で詳しく解説しているので参考にしてください。

参考文献
・Up To Date Device-assisted and surgical treatments for Parkinson disease
・日本精神神経学会, パーキンソン病治療ガイドライン2011

パーキンソン病の薬物療法

パーキンソン病は脳内でのドパミン(ドーパミン)という物質が足りなくなって様々な症状が現れます。薬物療法によってドパミンを補充したり、身体の中で分解されにくくしたりします。病状の進行にともなって薬物療法の効果も徐々に小さくなっていきます。しかし薬がないと動けなくなったりしてしまうので、小さい効果を補うために薬の量が増えていきます。パーキンソン病には様々な薬があり作用もそれぞれで異なります。薬を組み合わせながら症状に対応していきます。

パーキンソン病のリハビリテーション

パーキンソン病では身体に様々な症状が現れます。代表的な症状は安静時に身体が震えてしまったり身体が動かなくなったりするなどです。また関節が硬くなり関節がスムーズに動かなくなることもあります。食べ物を飲み込む動作(嚥下)がうまくできなくなり、食べ物が気管の方向に入ってしまう誤嚥(ごえん)という症状が出ることもあります。

リハビリテーションでは関節や筋肉を動かす訓練を行い身体の機能の維持に努めます。リハビリテーションと薬物療法を併行して行うことで、症状の進行を遅らせることが期待でき、薬の量を増やさなくても良い期間が長くなったりすることもあります。

身体の動き以外にも誤嚥の防止や発声改善などを目的とした訓練も組み入れて日常生活に支障が出そうな症状に対応します。

パーキンソン病の外科手術

パーキンソン病の治療には手術という選択肢があります。手術の位置づけは他の病気とはやや異なることに注意が必要です。例えばがん治療での手術は、がんを取り除くことで病気を治すことを目的としています。パーキンソン病での手術は、そうではなく症状をよくするために行います。

パーキンソン病の外科手術は、具体的にいうと脳に刺激を与えるリード線を頭に埋め込むことです。これを脳深部刺激療法といいます。脳深部刺激療法が向いているとされる人は以下のような条件が考えられています。

  • 薬物療法を行っても改善が不十分な運動症状がある
  • 運動症状が1日の中で変動する
  • ジスキネジアがある
  • 薬の減量を行いたい

解説します。

パーキンソン病の薬物治療は治療期間が長くなるとともに効果が徐々に小さくなり、症状の改善が不十分になります。捉えようによっては薬物療法だけでの治療が限界に近いとも考えられます。薬物療法が限界を迎えたときには脳深部刺激を行うと症状が改善し、薬も効果を取り戻すことがあります。

運動症状が1日の中で変動している場合も薬物療法の効果が小さくなっていると考えるときです。薬の効果を補助する意味で脳深部刺激療法を行うと薬の効果が再び大きくなり1日の中での症状の変化が少なくなるかもしれません。

ジスキネジアはパーキンソン病治療薬を使っているときに起こる副作用の1つで、身体が自分の意思とは異なり勝手に曲がったり口や手が動いたりする症状のことです。ジスキネジアはパーキンソン病治療薬の副作用なので薬の量を減らすことで症状が良くなりますが、薬の量を減らしたために運動症状が悪くなることもあります。つまり薬の加減が非常に難しい状況です。薬の加減が難しいので症状を落ち着ける別の手段として脳深部刺激療法を用いる選択肢があります。脳深部刺激療法がうまくいけば症状をコントロールしやすくなることが期待できます。

7. パーキンソン病の人が日常生活を過ごしやすくするための工夫

パーキンソン病は、病気の進行とともに体を動かしにくくなる症状が強くなります。そのため、日常生活に支障をきたすようになりますが、工夫をすることで過ごしやすくなります。食事、トイレ、入浴、睡眠の4つの具体的な場面で考えてみたいと思います。

食事

【食事内容の工夫】

パーキンソン病の人は飲み込む力が低下しているので誤嚥を起こしやすいです。誤嚥をすると肺炎の原因になったりして治療が必要になります。食事内容を工夫することで誤嚥の危険性を減らすことができます。食事の準備の段階では以下のような工夫を検討してみてください。

  • 食事にトロミをつけて喉越しを良くする
  • 硬いものや大きいものは小さくしたりペースト状にして食べやすくする 

飲み込む力が弱くなっているので喉越しをできるだけスムーズにする方が誤嚥をする危険性を小さくできます。また大きなものや硬いものは、飲み込みにくいので小さくしたりペースト状にするなどの加工をすることが有効です。

【食べ方の工夫】

食事の内容には十分注意を払ったとしてそれを活かすには食べ方にも一考の余地ありです。当たり前のことですが以下のことが大切です。

  • 少しずつ口に運び飲み込むようにする
  • ゆっくり食べる

食事は少しずつ、ゆっくりと摂るほうが誤嚥しにくいです。慌てて大量に口に物を運ぶと思わぬ方向に食事が流れていきかねません。少しずつゆっくりと食事をすることが大切です。食べ方は長年染み付いた習慣なので一度に変えられるものではありません。習慣を変えるにあたっては、まず意識付けをしっかりとすることが大切です。

【食器の工夫】

食器に工夫をすることで食事をより楽しむことができます。パーキンソン病の人は病状の進行とともに動作がしづらくなり、食事にも影響します。例えば箸を使ったり食器を持ち上げることにも不自由さを感じるようになります。こうなると本来は楽しみを与えてくれる食事が苦痛にすら感じてしまうかもしれません。

食べにくさを解消するには箸など複雑な動きが必要なものからスプーンやフォークのように使いやすいものに変えてみるとよいと思います。

また食器をテーブルにおいたまま食事をする場合には食器の下にすべり止めの効果があるようのなものを敷くと食べやすさは増すでしょう。食事は生活を豊かにしてくれます。その時間を最大限に楽しめるように工夫をしてみてください。

トイレ

トイレは狭いので付き添いの人が手助けしづらい場所の1つです。そのため環境をあらかじめ整えておくことが重要です。パーキンソン病の人が使いやすい環境になっているかどうかについては以下の条件が満たされているかを確認してみてください。

  • 洋式トイレかどうか
  • つかまる場所はあるか
  • 照明は明るく足元は見やすいか
  • 動けなくなったことを周囲に知らせるような工夫はあるか

トイレは、洋式のほうが立ったり座ったりするのが簡単です。和式は姿勢を維持するのにかなり力がいるのでパーキンソン病の人には難しいことが多いです。

座った状態でも姿勢は不安定になることがあります。そのため姿勢を安定させるためにつかまりやすい位置に手すりを備え付けておくと安心です。

トイレの照明にやや暗い電球が使われていることは多いのですが、照明は明るいほうがよいです。照明が暗い環境では足元などが見えづらくなりつまずく原因になります。パーキンソン病の人はただでさえ歩行に障害がでやすく転びやすくなっています。足元は明るくしておくとつまずく危険性を下げることができます。

パーキンソン病の人はトイレの便座から立ち上がれなくることにも注意が必要です。パーキンソン病の人は、一度とった姿勢を変えられなくなることがあるので、用をたした後にトイレから出られないということも起こりえます。動けなくなったときには周りの人に知らせるしかありません。確実な方法としては、トイレにブザーなどを取り付けておいて他の人に知らせられるようにしておくとよいと考えられます。

入浴時

入浴は疲れを癒やし気分のリフレッシュをする効果も期待できます。そんな生活の中でも欠かすことのできない入浴ですが、いくつか気をつけたり工夫をすることで無理なく楽しむことができます。以下の点などについて注意してください。

  • 浴槽へ移動するとき
  • 身体を洗う用の椅子 
  • 床で滑らないようにする工夫

浴槽に入るときは、足を大きくあげて入らなくてはならないので体のバランスを崩しやすいです。このために、壁につかまるための手すりなどを設置しておくとバランスを崩さずに安全に浴槽に入ることができます。手すりの設置が難しい場合には、高めの椅子を浴槽の横につけて一度その椅子に座ってから浴槽に移動すると身体への負担を小さくすることができます。

身体を洗う際に使う椅子にも工夫の余地があります。椅子は低いものよりは高いものの方が立ち上がりなどの動作がスムーズにできるので負担を減らすことができます。また風呂用の椅子は簡単な作りになっているものが多いのですが、できるだけ肘置きなどがついているものの方が体のバランスを保ちやすくなるのでよいです。

風呂場の床はどうしても洗剤やお湯のせいで滑りやすくなっています。滑って転倒してしまうと怪我の原因にもなりかねないので滑りにくい環境を整えてください。床を滑りにくくする方法には、すべり止め用のマットを敷くことなどが効果的です。

入浴をすることはとても気持ちのよいことで1日の楽しみにしている人も多いです。しかし体の動きが不自由なために入浴をしたいにも関わらず諦めたり回数を減らしたりしているという話もよく耳にします。少しの工夫で入浴は楽になるので、いろいろと創意工夫をしてみてください。

睡眠

睡眠で気を付けて欲しいことは2つあります。1つは、睡眠時間を確保すること。もう1つは、睡眠によって起こる床ずれ褥瘡)を避けることです。

パーキンソン病の症状の1つに睡眠障害があります。睡眠障害が起こると1日のリズムは崩れ疲労も溜まりやすくなるなどの悪影響がでるので良質な睡眠をとることが大切です。以下がよりよい睡眠をとるためののポイントです。

  • 規則正しい生活を送る
  • 寝具の選び方
    • 適度な高さのベッドがよい
    • 寝床は布団もしくは硬めのマットレスが寝返りを打ちやすい

パーキンソン病の人のみならず質のよい睡眠には規則正しい生活を送ることが大切です。就寝時間が極端にバラつくようならば寝付きが悪く次の日にも疲労を引きずってしまいます。そして日中の眠気のために昼寝をしてしまい夜は眠れないという悪循環にもなりえます。

良質な睡眠をとるには就寝時間だけの調整ではなく食事などの他の日常生活もできるだけ時間をきめる方がリズムを整えるにはよいです。就寝時間を厳守しても寝る前に食事をしたりするとなかなか眠れないこともあるので生活全体のリズムを見直すことが大切です。

では快適な睡眠が送れている人には注意点はないのでしょうか。睡眠中にも注意することがあります。できれば寝床は布団を床に敷くのではなくベッドの方がおすすめです。ベッドは一度腰かけることもできるので布団を地べたに敷くよりは姿勢を変えるのが楽です。

またパーキンソン病の人は寝返りを打ちにくくなっているので床ずれ褥瘡)が出来やすくなっています。このために、できるだけ寝返りを打ちやすいように布団や硬めのマットレスがよいと考えられます。やわらかいマットレスは身体が沈み込んでしまい寝返りが打ちづらいからです。床ずれができると痛みから眠れなくなったり眠りが浅くなったりします。これも睡眠時間が減ってしまう悪循環に陥る原因になってしまいます。

パーキンソン病の人は睡眠時にいくつかの工夫をすることで安眠を得やすくなります。ここで挙げたものは一つの例であり、一人ひとりで違う方法が身体に合うので、自分にあったやり方を見つける参考にしてみてください。