[医師監修・作成]脳梗塞を予防する手術、カテーテル治療:内頚動脈狭窄症の治療について | MEDLEY(メドレー)
のうこうそく
脳梗塞
脳の血管が詰まって結果、酸素や栄養が行き届かなくなり、脳細胞が壊死すること。運動・感覚の麻痺などを起こし、後遺症による寝たきりや死亡にもつながる
21人の医師がチェック 402回の改訂 最終更新: 2022.01.24

脳梗塞を予防する手術、カテーテル治療:内頚動脈狭窄症の治療について

首の動脈(頸動脈)の中が狭くなっている人は脳梗塞を起こしやすいことがわかっています。そのため、脳梗塞の予防目的で、頚動脈狭窄症の治療が行われます。その方法には手術とカテーテル治療があります。

1. 内頚動脈狭窄症の治療について

脳梗塞につながる可能性が高い頚動脈狭窄症の治療は、手術やカテーテル治療が行われます。ここでは、それらの治療法について詳しく解説します。
 
頚動脈狭窄症とは、動脈硬化が原因で頚動脈(首を通る動脈)の中が狭まり、脳への血流が悪くなる病気です。
頚動脈の動脈硬化が進むと次第に血管の壁が厚くなり、さらに血栓プラーク)が付着することで血管の中がかなり細くなります。血管が細くなり脳への血流が悪くなった上に、その部位に出来た血栓が剥がれ、脳の血管に詰まることで、一過性脳虚血発作TIA)や脳梗塞を起こしてしまうのです。

頚動脈狭窄症のカテーテル治療の画像

頚動脈狭窄症の治療目的は脳梗塞を予防することと、脳梗塞の再発を防ぐことです。 
頚動脈の狭窄の程度が重い場合には、手術やカテーテル治療が行われることがあります。少し前までは頚動脈内膜剥離術という手術が一般的でしたが、近年では医療機器の進化にともなって、頚動脈ステント留置術というカテーテル治療も手術に匹敵する治療効果をあげています。

2. 手術について:頚動脈内膜剥離術・バイパス術

手術の方法には頸動脈内膜剥離術とバイパス術の2つがあります。

頸動脈内膜剥離術

頚動脈内膜剥離術とは、頚動脈の血流を一時的に遮断し、狭窄している部分の血管を切開して、動脈硬化のかたまりを取り出す手術法です。

バイパス術

バイパス術は血管が細くなった部分の手前と先を新たな血管でつなぐ方法です。迂回路を形成する想像してもらえると分かりやすいかもしれません。

3. カテーテル治療(頚動脈ステント留置術)について

頚動脈ステント留置術とは、狭窄している部分に血管を広げる器械を入れ、血管が狭まるのを防ぐ方法です。
具体的な方法としては、まず足のつけ根の部分の血管(大腿動脈)にカテーテルと呼ばれる管を入れます。その管を大腿動脈から大動脈を通じて、頚動脈の狭窄している部分に通します。その狭窄している部分で、バルーンと呼ばれる風船を膨らませたり、網目状に血管の中で拡張するステントを置いたりします。

4. 手術とカテーテル治療の選び方

手術とカテーテル治療のどちらを選べばいいんだろかと気になる人がいるかと思います。現在のところ、手術(頚動脈内膜剥離術)とカテーテル治療(頚動脈ステント留置術)の治療効果は大きく変わりません。
それぞれメリット、デメリットがあるので、動脈硬化の状態や血管の状態、全身状態などを考え、どちらの治療が良いかという患者さんの希望をもとに選択されることになります。

以下に、治療を選ぶときに参考になるポイントを記載します。

【手術とカテーテル治療を選ぶ場合のポイント】

  • 手術(頚動脈内膜剥離術)が望ましい場合
    • 頚動脈の狭窄している部分が石灰化している(カテーテルのバルーンやステントでは、固くて拡げることができません)
    • 大腿動脈や大動脈が曲がりくねっている、動脈瘤がある(カテーテル治療が難しくなります)
  • カテーテル治療(頚動脈ステント留置術)が望ましい場合
    • 心臓や肺が悪くて、全身麻酔ができない(カテーテル治療は局所麻酔で出来ます)
    • 首に傷を作りたくない

またカテーテル治療の場合、体への負担が少ないため、早く回復して退院することができます。個人の状態と希望によって望ましい治療は変わってくるので、主治医とよく相談して決めるようにしてください。