[医師監修・作成]脳梗塞予防のための食事と生活習慣について | MEDLEY(メドレー)
のうこうそく
脳梗塞
脳の血管が詰まって結果、酸素や栄養が行き届かなくなり、脳細胞が壊死すること。運動・感覚の麻痺などを起こし、後遺症による寝たきりや死亡にもつながる
21人の医師がチェック 402回の改訂 最終更新: 2022.01.24

脳梗塞予防のための食事と生活習慣について

脳梗塞には高血圧や、糖尿病脂質異常症が関係しています。これらの病気と上手に付き合うには食生活に気をつける必要があります。つまり、脳梗塞の発症予防にも食事が関係しているとも考えられます。このページでは脳梗塞予防につながる食生活や生活習慣について説明します。

目次

 

1. 脳梗塞の予防で気をつけたい病気について

脳梗塞を発症する要因となりうる病気や生活習慣として、次のものが知られています。

【脳梗塞の発症要因となる病気や生活習慣】

上記の病気は治療によって改善することが可能で、上手にコントロールすることが脳梗塞の発症予防につながります。また、上記の病気の多くは食生活と密接な関係があります。

2. 脳梗塞の予防で大切な食事習慣について:高血圧・糖尿病・脂質異常症の予防とコントロール

高血圧や、糖尿病脂質異常症は脳梗塞と関係がある病気ですが、医療機関で受けられる治療とともに食生活も重要です。主なポイントは次の通りです。

1.    塩分を摂り過ぎない(男性8g、女性7g以下に抑える)
2.    糖質、カロリーを摂り過ぎない
3.    トランス脂肪酸(脂肪の一種)を摂り過ぎない

それぞれについて詳しく説明していきます。

1. 塩分を摂り過ぎない(男性8g、女性7g以下に抑える)

過剰な塩分摂取は高血圧症の原因になります。
塩分を抑えるには、漬物や梅干し、干物といった塩分が多い食品を食べ過ぎないようにしたり、調味料を使いすぎないようにする必要があります。例えば、醤油やソースといった塩分を多く含む調味料は控えめにして、酢やレモン、かぼすなどを活用して物足りなさを補うなどの工夫が考えられます。

2. 糖質、カロリーを摂り過ぎない

糖質やカロリーの過剰摂取は、糖尿病脂質異常症の発症につながることがあります。外食は、カロリーや炭水化物が過多になりやすいため、食事の選び方で注意が必要です。例えばラーメン・チャーハンセットは炭水化物の重ね食で、身体に良くないことは言うまでもありません。炭水化物を重ねず、例えばサラダや野菜をつけるなどの工夫をしてみてください。また、家での食事にも言えることですが、ご飯を少なめに作ったり注文することで糖質、カロリーを減らすことが出来ます。

3. トランス脂肪酸(脂肪の一種)を摂り過ぎない

「脂肪」と聞くと悪いイメージを持つ人が多いと思いますが、実は脂肪には「体に良い脂肪」と「体に悪い脂肪」があります。
脳梗塞は、悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が血中で高い状態が続くと、起こりやすくなります。血液中の悪玉コレステロールを上げないためには、単に脂肪の摂取量を減らせばいいわけでありません。脂肪の中でも「飽和脂肪酸」「トランス脂肪酸」の摂取量を減らさなければなりません。飽和脂肪酸は主に動物の肉に含まれ、トランス脂肪酸は、マーガリンや高熱処理された植物油に含まれます。

一方「不飽和脂肪酸」のなかでも、魚に多く含まれるエイコサペンタエン酸(EPA)ドコサヘキサエン酸(DHA)は、血液中の悪玉コレステロールや中性脂肪を下げて、生活習慣病の予防に役立つと言われています。
油の摂り方を工夫するだけで脳梗塞の危険性を下げられるかもしれません。詳しく知りたい人は医師や栄養士に相談してみてください。

3. 脳梗塞と喫煙について

脳卒中の原因である喫煙の画像

喫煙は脳梗塞の危険性を増す要因であると考えられています。特に喫煙本数が多ければ多いほど、危険性が高まるので、禁煙が望ましいです。

何十年もタバコを吸ってきたという人の中には「いまさら禁煙しても、、、」と思うかもしれませんが、耳寄りな情報があります。長く喫煙していた人でも、5-10年禁煙すると脳卒中を起こす確率が下がるということが報告されているのです。「自分はもう30年もタバコを吸ってきたから、今さら禁煙しても意味が無い」とあきらめないでください。なかなか自分では禁煙できないという方は、医療機関の禁煙外来を受診してみるのも一つの方法です。医療保険を使って、3割の自己負担で医師と一緒に禁煙に挑戦することができます。

4. 飲酒と脳卒中

飲酒をする人は脳出血を起こしやすく、飲む量が多いほどその傾向は強まります。一方で脳梗塞の場合、まったく飲まない人よりも少し飲む人の方が脳梗塞を起こしにくいと言われています。大酒飲みになると、脳梗塞を起こす危険性は高くなってしまいます。脳梗塞のことを考えると、たしなむ程度の飲酒は許容範囲になるようです。

5. 脳梗塞と睡眠時無呼吸症候群について

睡眠時無呼吸症候群は、肥満や舌が大きい、顎が小さいなどの理由で、睡眠中にいびきをかき、一時的に呼吸が止まってしまうことを繰り返す病気です。睡眠時無呼吸症候群の人は、睡眠時間を確保していても、睡眠中に呼吸が止まるので、睡眠の質が低くなってしまい、日中に眠くなってしまいます。

様々な研究により、睡眠時無呼吸症候群がある人では、脳梗塞を起こしやすいということが知られています。いびきや無呼吸から睡眠時無呼吸症候群が疑われる人は、医療機関を受診して、治療も考えてみてください。