◆コンピューターを用いた認知リハビリテーションの有効性を検証
今回、35人のアルツハイマー病患者を対象に、コンピューターを用いたリハビリテーションを実施し、その効果を調べました。リハビリテーションは、週5回(30分/日)、4週間にわたって行われました。コンピューターを用いた認知リハビリテーション(COMCOG)は、コンピューターの画面上に言語や出てきた物品を記憶させ、患者がそれを想起しマウスで回答をクリックする訓練でした。
効果測定は、Cognitive Assessment Reference Diagnosis System (CARDS)と韓国版Mini-Mental State Examination-Korea (MMSE-K) を用いました。
◆認知機能が改善
介入の結果、以下が示されました。
評価の結果によると、COMCOGを受けた患者のCARDSスコアは、介入前後を比べると10単語の遅延記憶と10つの物品の遅延記憶、10物品の認識と即時記憶が有意に上昇し、10単語の認識は、有意に低下した。加えて、韓国版MMSEのうち、見当識、記銘、想起が統計学的に有意に増加した。
この結果は、COMCOGによって患者の認知機能が改善したことを示しています。
今回の結果から、コンピューターを用いた認知リハビリテーションが、アルツハイマー病患者の認知機能を改善する可能性が示されました。患者がコンピューターを扱うのにどの程度の支援が必要かなど、実現可能性に対する検討は必要かもしれませんが、アルツハイマー病患者に対する新たな支援方法として、さらなる研究が期待されます。
執筆者
The effects of computer-assisted cognitive rehabilitation on Alzheimer's dementia patients memories.
J Phys Ther Sci. 2015 Sep.
[PMID: 26504325]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。