◆ 認知行動療法を基にした理学療法の効果
今回の研究では、腰の病気のため、椎弓切除手術(腰にある骨の手術)を受ける86人の患者が対象になりました。手術の6週間後、ランダムに、認知行動療法を基にした理学療法を受けるグループと、受けないグループに分かれました。そして、治療を受ける前、受けた後、治療後3ヶ月に、腰の痛み、一般的な健康状態などが評価されました。
◆ 腰の手術を受けた患者に効果
次の結果が得られました
多変量線形回帰分析は、認知行動療法を基にした理学療法を受けた患者のグループに、腰の痛みと障害の減少、そして、一般的な健康状態と運動能力の改善を治療後3か月後の時点で、教育グループに比べて、統計的に有意により多く示した。
認知行動療法を基にした理学療法を受けた患者は、受けてない患者に比べて、治療を受けた3ヶ月後の時点で、腰痛の減少や、運動能力改善などより良い健康状態にあるということが示されました。この結果を受け、研究者は「認知行動療法を基にした理学療法は、根拠に基づく実践プログラムとして、臨床医が脊椎の手術を受けた後の回復が遅いと見込まれた患者に、薦められる可能性がある」と述べています。
今回の研究で、認知行動療法に基づく理学療法の可能性が示されました。近い将来、手術後の回復が遅いと見込まれた患者に、こうしたリハビリテーションを導入してみてもいいかもしれません。
執筆者
Cognitive-Behavioral-Based Physical Therapy for Patients With Chronic Pain Undergoing Lumbar Spine Surgery: A Randomized Controlled Trial.
J Pain. 2016 Jan.
[PMID: 26476267]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。