◆過去の14の文献を分析
落ち着きのない行動は、ADHDの特徴の一つとして知られています。薬の治療のほかにも、環境を整えたり行動訓練を行うことで改善が図られます。過去の研究ではゲームの効果を示した報告もみられます。
今回、研究グループは、過去の14の文献からビデオゲームがADHDのリハビリテーションに有用であるかを検討しました。
◆ゲームによって、落ち着きのなさが改善
研究の結果、以下が示されました。
5つの研究(27、28、30、32、38)において、不注意と多動・衝動性の双方が改善された。2つの研究(35、37)において、不注意のみが改善され、1つの文献(36)で多動・衝動性が軽減された。
この結果は、ビデオゲームトレーニングによって、落ち着きのなさが改善したことを示しています。
子どもがゲームに熱中しすぎるのはよくないというイメージをもつ人も多いかもしれませんが、”ゲーム=悪いもの”ではありません。時間制限をもうけるなど約束事を決めることで、ビデオゲームがADHDの認知能力を改善するかもしれません。どのようなゲームがより効果的か、今後の研究に興味がわいてきます。
執筆者
ADHD Rehabilitation through Video Gaming: A Systematic Review Using PRISMA Guidelines of the Current Findings and the Associated Risk of Bias.
Front Psychiatry. 2015 Oct 22.
[PMID: 26557098]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。