2016.01.19 | ニュース

ADHDにはゲームリハビリが有効

過去の14の文献を分析

from Frontiers in psychiatry

ADHDにはゲームリハビリが有効の写真

注意欠如・多動性障害(ADHD)は、集中が続かなかったり、すぐに動き回ってしまったり、考えなく行動に移してしまうなどの特徴がみられる病気です。今回の研究は、ビデオゲームがADHDのリハビリテーションに有用であるかについて、過去の文献を調べました。

◆過去の14の文献を分析

落ち着きのない行動は、ADHDの特徴の一つとして知られています。薬の治療のほかにも、環境を整えたり行動訓練を行うことで改善が図られます。過去の研究ではゲームの効果を示した報告もみられます。

今回、研究グループは、過去の14の文献からビデオゲームがADHDのリハビリテーションに有用であるかを検討しました。

 

◆ゲームによって、落ち着きのなさが改善

研究の結果、以下が示されました。

5つの研究(27、28、30、32、38)において、不注意と多動・衝動性の双方が改善された。2つの研究(35、37)において、不注意のみが改善され、1つの文献(36)で多動・衝動性が軽減された。

この結果は、ビデオゲームトレーニングによって、落ち着きのなさが改善したことを示しています。

 

子どもがゲームに熱中しすぎるのはよくないというイメージをもつ人も多いかもしれませんが、”ゲーム=悪いもの”ではありません。時間制限をもうけるなど約束事を決めることで、ビデオゲームがADHDの認知能力を改善するかもしれません。どのようなゲームがより効果的か、今後の研究に興味がわいてきます。

執筆者

NK

参考文献

ADHD Rehabilitation through Video Gaming: A Systematic Review Using PRISMA Guidelines of the Current Findings and the Associated Risk of Bias.

Front Psychiatry. 2015 Oct 22.

[PMID: 26557098]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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