2016.01.16 | ニュース

双極性障害になると認知機能が低下する

205人の検査結果より

from Journal of affective disorders

双極性障害になると認知機能が低下するの写真

双極性障害とは、気分が高揚した躁状態と抑うつ状態を繰り返す気分障害の1つで、躁うつ病とも呼ばれています。同じく気分障害に分類されるうつ病や双極性障害では、認知機能などにどのような影響があるのか報告されました。

◆双極性障害患者を含む205人を対象に検査

双極性障害は、躁状態と抑うつ状態の程度によって、双極Ⅰ型と双極Ⅱ型に分類されます。研究チームは、18歳から67歳の双極Ⅰ型患者、双極Ⅱ型患者、うつ病患者、双極性障害でもうつ病でもない人の計205人を調査対象としました。

複数の検査をすることで、うつ病患者や双極性障害患者の認知機能などへの影響を評価しました。

 

◆双極Ⅰ型障害患者では、認知機能が低下していた

評価の結果、うつ病患者には遂行能力に影響があることが示されました。また、双極Ⅰ型障害患者に対して以下のことが分かりました。

双極Ⅰ型患者は、他のグループよりも広範な認知機能に障害が見られた。[...]

つまり、この研究から双極I型障害患者は認知機能が低下する傾向にあることが示されました。

 

今回の報告から、同じ気分障害でも認知機能への影響は異なる可能性が示唆されました。これらの結果は、うつ病や双極性障害と診断された場合に注意するべきことに関わるかもしれません。

執筆者

鈴木あいか

参考文献

Executive function impairments in depression and bipolar disorder: association with functional impairment and quality of life.

J Affect Disord. 2016 Jan 15.

[PMID: 26606718]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

▲ ページトップに戻る