◆リハビリテーションを行った後、2年間追跡調査
今回の研究は、股関節を骨折した患者を対象に、手術治療後に通常のケアまたは集学的なリハビリテーションを行い、その効果を検証した過去の研究のデータを用いました。
過去の研究から2年間、追跡調査を行い、うつ症状への影響を検証しました。 集学的なリハビリテーションは、老人病の相談、病院でのリハビリテーション、退院計画、退院後の在宅リハビリテーションとしました。
◆集学的リハビリテーションを行った群でうつ症状を発症する危険性が減少
以下の結果が得られました。
通常ケアを受けた人と比べて、集学的プログラムを受けた対象では、持続するうつ症状の群に入るリスクが有意により低かった(オッズ比0.23、p<0.05)。
集学的リハビリテーションにより、うつ症状が重症化する危険性が低くなるという結果でした。
高齢者がうつ症状を発症する理由の一つに、自宅で何もせずに過ごすというような低い活動性が挙げられます。今回の研究結果は、その危険性を減らすための手段として、参考にしても良いかもしれません。
執筆者
Interdisciplinary intervention reduced the risk of being persistently depressive among older patients with hip fracture.
Geriatr Gerontol Int. 2015 Oct 23.
[PMID: 26492971]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。