◆115人のデータを分析
分析には、2007年から2009年に行われた屈筋腱損傷の患者のデータが用いられました。対象となった患者全員が、手術の翌日からリハビリを開始し、その訓練効果を調べました。
◆手術翌日からのリハビリテーションは有効
分析により、以下の結果が示されました。
平均追跡期間は、7ヵ月だった。the Buck-Gramcko and Stricklandスコアにおいて、「優れた」結果が得られた。合併症は、二次裂開が1例(0.9%)、剥離術を要する腱癒着が2例(1.7%)、感染症が1例(0.9%)で、3.5%で発症した。
この結果は、手術翌日からのリハビリテーションを行った患者は、手術による感染症や癒着などの発生も少なく、屈筋腱損傷の改善が得られたことを示しています。
「手術のあとは、安静に」ということはよく聞かれることですが、医師の指示のもと行う術後早期の運動は有用である可能性が示されました。どのような運動をどのくらい行うことがより効果的かについて、今後の研究が期待されます。
執筆者
Early Passive Movement in flexor tendon injuries of the hand.
Arch Orthop Trauma Surg. 2015 Dec 11.
[PMID: 26659831]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。