2016.01.05 | ニュース

カンガルーケアに低出生体重児の合併症を予防する効果があるかもしれない

過去の124の研究を分析

from Pediatrics

カンガルーケアに低出生体重児の合併症を予防する効果があるかもしれない の写真

カンガルーケアは、産まれてすぐの赤ちゃんを母親が肌が触れ合うように抱き、話しかけたりすることです。様々な議論があるこの方法ですが、今回の研究では、過去の研究をまとめ、低出生体重児に対する効果を検証しました。

◆カンガルーケアの効果は?

今回の研究では、過去の124の研究をまとめ、カンガルーケアが低出生体重児にどのような効果を現すか検証しました。

 

◆カンガルーケアで赤ちゃんの病気が減る?

以下の結果が得られました。

低出生体重児では、カンガルーケアは従来のケアと比較して、死亡率が36%低かった(相対リスク0.64、95%信頼区間0.46-0.89)。

カンガルーケアは、新生児の敗血症(相対リスク0.53、95%信頼区間0.34-0.83)、低体温症(相対リスク0.22、95%信頼区間0.12-0.41)、低血糖(相対リスク0.12、95%信頼区間0.05-0.32)、再入院(相対リスク0.42、95%信頼区間0.23-0.76)のリスクを低下し、母乳栄養(相対リスク1.50、95%信頼区間1.26-1.78)を増加した。

低出生体重児では、カンガルーケアにより死亡率が減少し、低出生体重児に併せて発症しやすい低体温症や低血糖を発症する危険性も減らしたという結果でした。

 

カンガルーケアは様々な議論がされており、危険である可能性も否定できません。今回の研究では、低出生体重児に有効であるという結果でしたが、様々な情報を見て、自分の子供にも当てはまるかどうかは医師に相談することが大事です。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

KANGAROO MOTHER CARE AND NEONATAL OUTCOMES: A META-ANALYSIS.

Pediatrics. 2016 Jan

http://pediatrics.aappublications.org/content/early/2015/12/22/peds.2015-2238

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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