2016.01.03 | ニュース

自宅出産も病院出産も、赤ちゃんのリスクは変わらない?

22,986人を分析

from Canadian Medical Association Journal

自宅出産も病院出産も、赤ちゃんのリスクは変わらない?の写真

出産は、主に病院で行う場合と自宅で行う場合があります。病院の方が安全であるというイメージがあるかもしれません。今回の研究では、自宅での出産と病院での出産で産前死や新生児死に違いがあるか検証しました。

◆自宅出産と産院出産で違いはあるか?

今回のカナダの研究では、出産にともなう問題のリスクが低いと見られた女性のうち、自宅で出産した女性と病院で出産した女性それぞれ11,493人を対象に、出産前の子どもの死亡や出産28日以内での死亡、命の危険が迫る事態の頻度に違いがあるか検証しました。

 

◆自宅でも病院でも変わりなし

以下の結果が得られました。

主要アウトカムのリスクは、出産が計画された場所によって有意な違いが見られなかった(相対リスク1.03、95%信頼区間0.68-1.55)。

自宅で出産しても、病院で出産しても、子どもの死亡などに違いは見られませんでした

 

病院で産んだ方が安心であると思いますが、実際にはそこまで違いはない可能性があります。

ただし、この研究の対象になったのはリスクが低いと見られた場合だけであり、先に注意するべき要素が見つかっていた場合には当てはまりません。また、出産は母親にとってもリスクのあることですが、この研究は母親のリスクについては検討していません。

自宅での出産に関心がある方は、このような結果を参考に、予想される良い面と悪い面について医師と相談してみるのも良いかもしれません。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Outcomes associated with planned place of birth among women with low-risk pregnancies.

CMAJ. 2015 Dec 22

[PMID: 26696622]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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