◆インドの妊婦とその子供について調査
妊娠13~22週の妊婦211人、29~42週の妊婦178人について調べ、その後生まれた子供147人を3週間追跡調査しました。そして、収集した情報をもとに、妊娠中の貧血が母体と子供に与える影響を調べました。
貧血とは栄養の偏りや出血により、血液の中で酸素を運ぶヘモグロビンが少なくなった状態を指します。いわゆる「めまい」や「立ちくらみ」の症状は、貧血によって起こる場合もありますが、起立性低血圧などほかの原因によるものも多く、すべてが貧血とは限りません。
◆貧血の妊婦の子供は体が小さい
母体の貧血は、13~22週で41%、29~42週で51%に認められました。妊娠13~22週に貧血でなかった母親の子供は、同じ時期に貧血があった母親の子供より体重が重く、背が高く、頭周りが大きかったという結果になりました。
妊娠中の貧血は、子供の成長に影響がある可能性が認められたため、妊娠中期の若い女性には貧血を軽減する必要があると思われました。
妊娠中は、体の調子が様々に変わります。特に貧血は、この研究でも見られたように妊娠中に起こりやすいことが知られています。できるだけしっかり栄養を摂って、自分の身体の変化に目を向けることが良いと思われます。
執筆者
Effects of anemia at different stages of gestation on infant outcomes.
Nutrition. 2016 Jan
[PMID: 26643748]
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。