◆薬が効かなかった人が対象
この研究では、セロトニン再取り込み阻害薬(SRI)という種類の治療薬で、またはSRIにリスペリドンを加えた治療で、効果が得られなかった人32人が対象になりました。
対象者は時期を変えてEX/RPの治療を受け、その前後で症状の重症度を調査されました。
EX/RPは、特徴的な行動を引き起こす刺激(物に触れるなど)を与え、そのあとに引き起こされる行動(手を洗うなど)をしないように訓練する治療です。
◆強迫性障害、うつ症状に改善あり
次の結果が得られました。
クロスオーバー試験のベースラインとフォローアップの間で、リスペリドンまたは偽薬を使ったSRI強化療法の不応者でEX/RPを受けた人は、強迫性障害の症状とうつ症状が有意に減少し、病識、生活の質、社会機能が有意に増加した(すべてP<0.001)。
EX/RPによる治療の終了後を研究開始時と比べると、強迫性障害の症状とうつ症状が少なくなる効果が見られました。
強迫性障害は100人のうち数人が一生のうちに経験すると言われる、頻度の高い病気ですが、原因など、不明な部分も多く残されています。こうした検証を通じて治療の選択肢を増やせれば、人によって適した方法を使い分けられるようになるかもしれません。
執筆者
Exposure and response prevention helps adults with obsessive-compulsive disorder who do not respond to pharmacological augmentation strategies.
J Clin Psychiatry. 2015 Nov 10.[Epub ahead of print]
[PMID: 26613263]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。