◆外傷性脳挫傷と外傷性骨折ではどちらが職業に影響しやすい?
今回の研究では、外傷性脳挫傷と外傷性骨折の患者それぞれ79人を対象に、10年後の職業復帰との関連性を検証しました。
◆外傷性脳挫傷の方が職業参加が難しい?
以下の結果が得られました。
雇用機会は増えているという根拠があったものの、外傷性脳挫傷の人は、外傷性の整形外科障害の人と比較して、障害10年後までの期間で、競合的に雇用されにくかった。
外傷性脳挫傷の人は、外傷性の骨折などの人と比べて、雇用されにくかったという結果でした。
脳損傷を負った場合、認知機能や空間認識といった高次脳機能障害が見られることがあります。また、麻痺が残ると、思うように動けないこともあり、今回のような結果になったのかもしれません。一方、現在では様々な雇用機会があり、機能に何かしらの制限があったとしても、色々な場所で働くことができる可能性があります。その職業の幅がさらに広がることを期待します。
執筆者
Long-term employment outcomes following traumatic brain injury and orthopaedic trauma: A ten-year prospective study.
J Rehabil Med. 2015 Nov 6
[PMID: 26550768]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。