◆過去の24の研究を分析
脳卒中後には、身体に麻痺が残るといった身体の障害のみならず、言葉が出にくくなるなどの言語の障害も生じることがあります。様々な障害により、病院を退院した後も、社会との交流を持つ機会が減ることも少なくありません。
脳卒中後のリハビリテーションでは、社会との交流を持てるように環境設定を行うことも目的の一つです。運動をしたり、買い物や公共交通機関の利用など、生活上で実際に行われる動作を練習します。
今回、過去の24の研究をまとめ、脳卒中後の社会との交流に対するリハビリテーションの効果を検証しました。
◆脳卒中後に社会と交流をもつには?
研究の結果、以下が示されました。
運動を利用した介入には、プログラムが終了した直後に、社会参加における少しの有益な効果があった(10文献、標準化平均差=0.43、95%信頼区間:0.09から0.78、P=0.01)。
この結果は、脳卒中後に社会との交流を促すために、運動を取り入れたリハビリテーションにわずかな効果があることを示しています。
リハビリテーションは、身体の回復を目的とすることをイメージするかもしれませんが、身体の機能を改善するだけではなく、社会との交流の幅を広げる可能性があるのかもしれません。どのような練習がより効果的か、更なる研究が望まれます。
執筆者
Rehabilitation Interventions for Improving Social Participation After Stroke: A Systematic Review and Meta-analysis.
Neurorehabil Neural Repair. 2015 Jul 29.
[PMID: 26223681]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。