2015.12.23 | ニュース

砂糖を人工甘味料に変えて脳に起きたこと

脳梗塞が悪化する?

from Stroke; a journal of cerebral circulation

砂糖を人工甘味料に変えて脳に起きたこと の写真

脳梗塞が起きると、回復するためには脳の血管が修復されなければいけません。今回の研究では、砂糖の代わりに代替物質(糖アルコール、人工甘味料など)を摂ると、脳梗塞のダメージを大きくする可能性を報告しました。

◆砂糖を人工甘味料に変えると脳にどのような影響があるか?

今回の研究では、マウスを使った実験により、糖類を与えたときに比べて、糖アルコールや人工甘味料といった「砂糖の代わりになる代替物質」を与えると、人工的に脳の血管を詰まらせて脳梗塞を起こしたときの梗塞の大きさや全身の状態にどのような影響があるか検証しました。

 

◆脳には砂糖が必要!?

以下の結果が得られました。

対照群と比べて、フルクトース、エリスリトール(糖アルコール)、アセスルファムカリウム(人工甘味料)、レバウジオシドA(希少糖)で長期間の飼育を受けたマウスでは、脳の虚血障害(梗塞の大きさと神経行動学的アウトカム)は有意に悪化し、虚血脳の血管新生は減少し、内皮前駆細胞の機能は障害を受けた。

砂糖を代替物質に変えることで、脳梗塞後のダメージを大きく、血管修復の働きを弱くするという結果でした。

筆者らは、「長期間の代替物質は、マウスの虚血性脳障害を悪化させた。その原因は部分的には、内皮前駆細胞の障害と虚血脳の血管新生の減少かもしれない」と結論づけています。

 

砂糖を人工甘味料に変えると、体重増加を抑えられるという研究を以前に紹介しました。今回の研究はマウスを使った実験であるため、人間にそのまま当てはめられるかはわかりませんので、今後さらなる検証が望まれます。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Dietary intake of sugar substitutes aggravates cerebral ischemic injury and impairs endothelial progenitor cellsin mice.

Stroke. 2015 Jun

[PMID: 25908458]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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