2015.12.18 | ニュース

1型糖尿病のコントロールが悪い子どもは脳に悪影響?

210人を分析

from Diabetes

1型糖尿病のコントロールが悪い子どもは脳に悪影響? の写真

1型糖尿病は、インスリンの分泌が低下する小児から若年者に多い病気です。今回の研究では、1型糖尿病の子どもを調査し、脳の発達との関連性を検証しました。

◆1型糖尿病と脳の発達が関連する!?

1型糖尿病は、ウイルス感染などをきっかけに起こる免疫の異常が原因とされ、インスリンを作る膵臓の組織が破壊されることにより、血糖値が高くなります。膵臓以外の臓器への影響は完全にはわかっていません。

今回の研究では、1型糖尿病患者141人を含む子ども210人を対象に、脳のMRI画像を18か月の間隔で2回撮影し、、糖尿病と脳の発達との関連性を検証しました。

 

◆血糖値が大きく変化すると脳の体積は少なくなる!?

以下の結果が得られました。

糖尿病の患者では、MRIを撮影した時の血糖値の縦断的な経時的変化は、灰白質と白質の体積の変化と負の関連性があった。  

18か月の間で血糖値が大きく変化するほど、脳の成長が悪いという結果でした。

 

1型糖尿病と脳の発達には、免疫の異常や糖自体が関連する可能性もありますが、例えば運動習慣など、背景に他の要因が関わる可能性が考えられます。1型糖尿病が脳の成長に影響するかどうかはさらなる検証が必要です。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Variations in brain volume and growth in young children with type 1 diabetes.

Diabetes. 2015 Oct 28

[PMID: 26512024]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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