◆軽度認知障害のアルツハイマー型認知症とBMIの変化の関係
今回の研究では、物忘れの症状があるが認知症には至っていない段階と診断された軽度認知障害の患者747人を対象に、その後数年間の経過を調べ、アルツハイマー型認知症の発症とBMI(体重÷身長の2乗)の変化の関連性を検証しました。
◆BMIが減っていても増えていてもアルツハイマー型認知症になりやすい!?
以下の結果が得られました。
ベースラインのBMIで調整すると、BMIが減少した群(ハザード比2.29、95%信頼区間1.41-3.72)とBMIが増加した群(ハザード比3.96、95%信頼区間2.62-6.00)で、おそらくアルツハイマー型認知症に進行していると思われるリスクが増加していた。
BMIが安定している人では、調査期間のうちに痩せた人や太った人よりもアルツハイマー型認知症にはなりにくく、また調査開始の時点で肥満であった人は、痩せ型や正常体重だった人よりもアルツハイマー型認知症を発症する危険性が低いという結果でした。
認知症は年々増えており、社会的にも注目されています。病気の発症の背景には、もしかしたらこのような体格の変化も関係しているのかもしれません。
執筆者
Unstable Body Mass Index and Progression to Probable Alzheimer's Disease Dementia in Patients with Amnestic Mild Cognitive Impairment.
J Alzheimers Dis. 2015 Oct 15
[PMID: 26484923]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。