2015.12.05 | ニュース

ADHDに使われるメチルフェニデートの副作用は?

過去の185の研究を分析

from The Cochrane database of systematic reviews

ADHDに使われるメチルフェニデートの副作用は?の写真

注意欠如・多動性障害(ADHD)は、子どもに多く見られ、集中が続かなかったり、うろうろ動き回る症状が見られます。今回の研究では、ADHDの治療薬として使われるメチルフェニデートについて、過去の研究をまとめ、有効性と副作用を検証しました。

◆メチルフェニデートはADHDに有効か?

ADHDの治療薬であるメチルフェニデート(商品名:コンサータ)は、集中力の増大などを目的に使用されることがあります。一方、その副作用として、一種の興奮状態を示すことがあります。

今回の研究では、過去に報告された185の研究をまとめ、ADHDに対するメチルフェニデートの有効性と副作用を検証しました。

 

◆メチルフェニデートは有効である可能性があり、副作用は睡眠障害と食欲減退

以下の結果が得られました。

メチルフェニデートにより、教師が付けたADHDの症状の点数は改善する可能性が示された(標準化平均差-0.77、95%信頼区間-0.90から-0.64、19の研究、参加者1698人、質のとても低い根拠)。

最も多かった重篤ではない有害事象は、睡眠障害と食欲減退であった。

メチルフェニデート群の子どもでは、対照群の子どもよりも、睡眠の問題または睡眠障害があるリスクが60%高く(相対リスク1.60、95%信頼区間1.15-2.23、13の研究、対象者2,416人)、食欲減退のリスクは266%高かった(相対リスク3.66、95%信頼区間2.56-5.23、16の研究、対象者2,962人)。

メチルフェニデートは有効である可能性が示されました。副作用は、睡眠障害食欲減退がより多いという結果でした。

 

ADHDの治療薬の多くは、中枢神経に働きかける薬です。そのため、副作用も見られることが考えられます。このような研究結果を参考に、もし気になる症状や体調の変化が見られた場合は医師に相談してください。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Methylphenidate for children and adolescents with attention deficit hyperactivity disorder (ADHD).

Cochrane Database Syst Rev. 2015 Nov 25

[PMID: 26599576]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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