◆調査データを解析
この研究には、アメリカで1981年から2005年にわたって行われた追跡調査のデータが使われました。不安症状またはうつ症状の経験がある人と、一度も経験がない人を比較して、その後労働力から外れる危険性を調べました。
◆不安・うつを経験した女性でリスクが高い
次の結果が得られました。
年齢、社会経済的状態、人種、婚姻状態で調整して、以前に不安症状またはうつ症状を経験した女性は、その経験がない女性に比べて、労働力から外れるリスクが37%高かった(ハザード比1.37、95%信頼区間1.04-1.79)。
不安症状またはうつ症状を経験した女性は、その後労働力から外れることが多くなっていました。
研究班は「これらの結果は、精神症状の既往がある女性で収入が少ないという以前の報告を説明する助けになる可能性があり、労働参画支援政策においては不安とうつを考慮することの重要性を強調する」と結論しています。
こうした症状がある人は、仕事を続けるためにも支援を必要とする場合があるのかもしれません。
執筆者
Previous anxiety and depression as risk factors for early labour force exit.
J Epidemiol Community Health. 2015 Oct 28 [Epub ahead of print]
[PMID: 26511888]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。