◆過去の文献から調査
研究班は、過去の文献を調査し、変形性膝関節症に対してPRPの効果を調べたものを集め、内容を吟味してまとめました。
◆痛みなどに効果あり、ヒアルロン酸よりも
次の結果が得られました。
6件の論文(739人の患者、817の膝、39%が男性、平均年齢59.9歳、平均フォローアップ38週)が解析された。すべての研究が臨床的に意味のある最小変化量の基準を満たし、PRPによって痛み、身体機能、こわばりを含む統計的アウトカムおよび臨床的アウトカムに有意な改善を示した。1件を除くすべての研究が、PRPとヒアルロン酸またはPRPと偽薬の間に、痛みと機能について臨床的アウトカムの有意差を示した。
PRPの関節内注射によって、痛みなどを改善する効果があると見られました。また、その効果はヒアルロン酸の関節内注射よりも優れていると見られました。
以前に紹介した論文でも、文献の調査から、PRPには効果があり、特に画像検査で関節炎の特徴が少ない場合に効果が大きく、繰り返し注射することで注射した場所に副作用が出る可能性があるが副作用は自然に治る、という結論が示されていました。今回の論文は参照する範囲が違い、より信頼度が高いと考えられる文献を選んでいます。
こうした研究は、治療法を選ぶために参考になるかもしれません。
執筆者
Efficacy of Intra-articular Platelet-Rich Plasma Injections in Knee Osteoarthritis: A Systematic Review.
Arthroscopy. 2015 Sep 29 [Epub ahead of print]
[PMID: 26432430]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。